「俊介・・・」
絶句した。それもそのはずである、俊介は由美子の元彼なのだ。
由美子は絶望していた。父の姿と父を性の奴隷のように扱う俊介の姿に。

俊介とは高校の頃に出会った。同じクラスで友達から自然に彼氏に発展した。
優しくて、笑顔が可愛い彼が由美子は大好きだった。

しかし由美子には不可解な点があった。俊介は高校生という恋人との関係を
楽しむべき時期なのに、全く由美子に触れようとしない。

由美子はじれったかった。好きで好きでたまらない彼が自分を抱こうとしない
こと、キスさえも迫らない事に。友人に相談したかったが、自分がセックス
という行為を体験していないのが恥じに感じて相談できなかった。

そこで由美子は自分に彼がもっと夢中になるように努力をした。
おしゃれな黒いセクシーな下着を買ったり、男の子が好きそうな香水を付けたり、
雑誌のモデルの服や髪型を真似たり、考えるだけの努力をした。

しかし俊介の態度は変わらない。
由美子は最後の手段として俊介を自分の部屋に呼ぶことにした。「今日はお母さんが
仕事で遅くなるし、お父さんも飲み会だから。」そう俊介に言った。
「行くよ。飯楽しみだな〜」と俊介は無邪気に笑った。
由美子は心の中で微笑んだ。今日こそ俊介と結ばれるような気がしたから。