夕の日差しにほんの少し暖められた風が、部屋の中を通りすぎていく。半分閉じられたカーテンの揺らめきにこぼれる光に、少年は目を細める。
羽布団の中で、うつぶせに寝たままの少年の尻へ大きな手の平が優しく触れた。顔だけを動かして振り返り、隣に寄り添う男を見た。
「やっと起きたか。もう昼だぞ?」
微笑むように囁く男の声にくすぐられて、少年は身をよじる。背中へ細い手を回し、男の腕に触れる。
まるで辿るように這わせていき、そのまま自分の体を寄せて、相手の胸に頬を触れさせた。
ほとんど薄れてしまった香水と、汗、それから少し、煙草の匂い。
見上げた少年と男の目が合う。男の口元へ自分の唇を近づけて、少年は目を閉じた。
「……んっ」
たっぷり数十秒の口づけのあと、男が少年の髪を優しくかきあげ、撫で回す。
「今日は……買い物にでも行くか? 前から欲しがってた


('A`)飽きた