映画「ディープ・スロート」監督明かすディープな裏側 「リンダのフェラチオがうまくてアイデア浮かんだ」
http://www.zakzak.co.jp/gei/2005_10/g2005102802.html

ポルノ映画のパイオニア「ディープ・スロート」(75年、ジェラルド・ダミアーノ監督)。エロテイックな
映像ととともに、当時のニクソン政権にワイセツ裁判で弾圧されたことでも知られる。その裏事情
を描いたドキュメンタリー映画「インサイド・ディープ・スロート」が11月12日、ヴァージンTOHOシ
ネマズ六本木ヒルズなどで公開される。その“主人公”であるダミアーノ氏(77)=写真右=に、
当時のエピソードと現代ポルノへの思いを聞いた。
「ディープ−」は、リンダ・ラブレイス=同左=が、不感症の女で、ノドの奥にクリトリスがあり、フェラ
チオによって女の悦びを得るというストーリー。オーラル・セックスを表立って語れない時代に「ディ
ープ・スロート」というテクを広めた衝撃作。その話題性で、女性もポルノ映画館に足を運び、当時
の米国で一大社会現象になった。そのあたりを、ドキュメントでは丹念に描いている。

 ダミアーノ氏は「リンダのフェラチオがとてもうまくて、アイデアが浮かんだ。彼女のおかげだよ。
女性にもSEXを楽しむ権利があると男女同権を訴えたから、女性にも支持されたんだろう。どうし
てエロチックな映像が撮れるかって?。祖先にイタリア人の血が流れているからかな…」と遠い昔
を振り返った。
 しかし当時、保守派のニクソン政権に目をつけられ、弾圧を受け、主演男優のハリー・リームス
が有罪に。後にそのタイトルがウォーターゲート事件の『情報源』を指す言葉になったのは有名。
 「インサイド−」では、当時の関係者を改めて直撃し、今まで語れなかったエピソードを掘り起こ
している。ベトナム反戦ムードから一転、70年代に急速に保守化していく米国の姿をあぶり出す。
さて、今のブッシュ大統領も保守派だが…。
 「ニクソンとソックリだよ。自分の政策がうまくいかないと、何かを標的にして攻撃して自分のアラ
を隠す。米国が保守化しているといわれているけど、人々は昔とあまり変わってない。米国のマス
コミが保守化しているんだ」

 「ディープ−」は、6億ドル以上、「タイタニック」をもしのぐ全米歴代1位の興収をあげた作品とも
言われる。しかし、モノがモノだけに、その利権に群がったのは闇世界のマフィアだった。その点
もドキュメンタリーでは詳しく解き明かしている。
 その点について、ダミアーノ氏は「利益より家族の安全の方を取ったよ。マフィアは金の卵を食
べないで、育てた方がよかったんじゃないかな。そうしたら、僕はいまごろ、MGMの社長にでも
なり、ハリウッドには『ダミアーノ帝国』ができていただろう」と笑い飛ばした。