ホスト一同「いらっしゃいませ!」
オープンと同時にクラブYUUKIに客が押し寄せてきた。 ビルの廊下は開店祝いの花束で
埋め尽くされていた。 あの愛田観光社長や城咲 仁の名もある。
店は満席、さすがに愛本店のNo1が出した店ともなれば噂を聞きつけた客の数は半端ではなかった。
勇樹「ありがとうございます、はい。がんばります、はい!」
客 「代表、飲んでよ!」
勇樹「いただきまーす! 乾杯とは一気の印〜!」
ペースがあがっていた。無理もない、この日を夢見て、今まで俺はやってきた、胃に穴があきそうになった事、
肝臓もすでにボロボロ、血の小便を垂れ流した日々・・ 今、勇樹はそんな日々を懐かしく思いながらテーブル
を回っていた。オープンから5時間が過ぎた、もう勇樹は正体をなくしていた。
せっかく開店祝いに来てくれた客を外まで見送ろうともしない、いや、体がついていかないのか。伝票はミスの
連続、テーブルの上はメチャクチャ、挙句の果てに勇樹は客の席でゲロを吐きそのまま眠りに落ちてしまった。
凄まじい醜態だった。朝9時閉店の店が7時の時点で客は皆帰り、終了せざるをえなかった。
店の代表がこんなでいいのか、従業員のホストたちは皆不安げな表情を浮かべている。
ようやく勇樹が目をさました。
勇樹「みんな、お疲れ、明日からもよろしく」
これだけだった。 皆無言で店を後にする、内勤と勇樹の2人で初日の売上げ計算が始まる、目標額300万円、そしてその結果は、
86万円。 言葉がなかった。自分のせいだという事は百も承知。 歌舞伎町とは一瞬でも気を抜けば一気に奈落の底まで転落する場所。
この街は商売を挑んだ 浅間 勇樹 を冷たく突き放そうとしていました。
続く
希望者がいたらね!