お客さんとわたしがカウンター越しに談笑している様子などは
そういう人たちにとってさぞや滑稽な見世物なのだと思います
便器が精一杯気どってるよ・・・そんな嘲笑が聞こえてくる気がします
ときには「お客さん」が来ていることもあります
性器の色や形を知られ、イキ顔も見られ、その時の声も聞かれ
恥ずかしい体臭も嗅がれている人の前で、慎しみ深くお上品な女の子を
装っていることの恥ずかしさに、じりじりと身を焼かれます
「その節はどうも」などと意地悪な挨拶を寄こされたりすると
顔から火が出そうになります
ですが、同時に、そんな滑稽な晒し者になっているという有様に
暗くて深い穴の中をどこまでも墜落していくような陶酔を覚えてしまうのです
また、あれは予約済みのお客さんだと店長さんに耳打ちされることもあります
(予約済みというのは、近日あの人に使ってもらうことになったぞ、という意味です)
そういうお客さんは大抵その日まで毎日のようにお店に来ます
ずっと見られているのがわかって、なんというか目で犯されているような気分になります
お店ですごす時間は最低です