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2012/03/04(日) 23:48:16.96ID:FQHOMjdF・婚約をしたこと
・彼女が経験した男性は婚約者と自分の二人だけである
・婚約者は意外にも俺の尊敬する先輩だった
結婚式の招待状も届いたが、俺は欠席した。
挙式の報告と予想外に早い出産のお知らせが来た。
俺は最悪の事態を考え、覚悟した。
しかし、彼女たち夫婦は円満に過ごし、年賀状が毎年送られてきた。自分も安心して年賀状を出すことにした。
そして、俺も今の嫁さんと結婚して子供ができた。
時は流れ、昨年彼女のご主人が亡くなられた。
俺は通夜・告別式には行けなかったが、日を改めて彼女の家に行った。
仏壇の遺影の前で先輩としてお世話になったことと知らぬこととはいえ、奥さんと関係を持ったことを心の中で謝った。
久しぶりに会う彼女はいい年の取り方をしていた。子供も元気そうだった。
あの朝以来二人で話す機会ができた。話題はお互いの子供の話となった。
彼女が子供のことを「父親に似て」と言った瞬間、俺の心が痛んだ。
俺は「○○さん(先輩)に似たら、母親として嬉しいでしょう。数年先が楽しみですね」と収めようとした。
その後、彼女は何も言わずに微笑んでいた。
彼女は言わないが、どっちの子かわかっているんだろう。