厳密には上司じゃないんだけど、二歳年上の先輩。
入社した時、勝手がわからない俺にいつも親切に教えてくれた。
なんとなく憧れて好きになったが、オフでの付き合いは全くなかった。
3年目になって、二人で食事したり、飲みに行きたいと思って、思い切って週末に食事に誘ってみた。
すると意外と簡単にOK。
食事が終わって俺が会計したら、
「今日はご馳走になるけど、これからは二人で均等に割り勘しようよ。その方が付き合いが長続きできるでしょ」
と言われた。どうやら、これからも誘いには応じてくれるらしい。
帰りは先輩のアパートの前まで送って行った。
帰ろうとすると、部屋でコーヒーでも飲んでいくようにと誘われた。
ちょっと躊躇したが「話もあるから」と言われたので部屋に上がることにした。
部屋でコーヒーを飲みながら、なぜ今頃になって急に誘ったのかと、やんわりとだがしつこく追及された。
「前から好きだったけど、僕にとっては高嶺の花で、年下の若造は相手にして貰えないと思い込んでいたんだが、
やっぱり好きなので思い切って誘った」と告白させられてしまった。
すると彼女は、
「私も前から好きだったけど、私は年上だしあなたと付き合う資格がないと思っていた」
と逆に告白し返されてしまった。
それでお互いに笑いあって緊張が解けた。
「この部屋に家族以外の男性を招いたのはあなたが初めてなのよ」
と言って寄り添ってきたので思わず抱きしめてキスをしてしまった。