>>59 の続き

俺は出るに出られなくなって、先輩の足に触れないように注意しながらそのまま見上げていた。
先輩のこんな姿が目の前でじっくりと眺められるなんて思ってもみなかった。
生の女の迫力が迫ってくるようだ。
先輩が昼食に出かけるのを待ったが、いつまでも席を立とうとしないし、書類をめくる音が聞こえてくる。
両足も伸ばしたままだ。
早く机の下から出ないと誰かが昼食を済ませて帰ってくるかもしれない。この状態で机の下の俺が見つかったら
大変だ。
仕方がないのでそっと机の下から身を屈めながら出て、先輩に見つからないように四つん這いになって、できる
だけ遠くの机まで移動した。
そこで立ち上がって、もっともらしく両手を伸ばしながら背伸びをした。
「あれっ、俺君、何をしてるの?」
慌てて身繕いしている様子だが、俺は素知らぬ顔で答えた。
「先輩さん帰ってきてたんだね。ネットの調子がおかしいからケーブル周りの点検をしてたんだ」
「昼休みなのにご苦労さん。もう昼食はすませたの?」
「いやまだなんだけど」
「私もまだだから食べに行こうか」
とりあえず点検は中断した。