40前半の初心者っぽい出で立ちの女性が息も絶え絶えって感じで登ってきたから山の挨拶として「こんにちは、後もう少しですから頑張って!」って声をかけたら無言でこちらを一瞥してすれ違って登って行った。
まぁコロナ禍だしよくある事と気にもしなかったんだけど、なんとなく振り返ったらむこうもこちらを見てた。
下心あるみたいに思われると嫌だったけどバツが悪いから軽く会釈して振り返り歩き始めたら前を歩いてる先輩に「おまえに励まされるなんて俺も衰えたな(笑)しかしゴールはまだまだだぞ」って。
「え!?」
心拍が跳ね上がって汗ばんだ身体が一気に冷えて足が止まったけど、正常性バイアスというか、山の怪談あるあるみたいな体験に現実味が無かったから登山の疲労だろうという事にして
「…ぁ…すみません」と先輩を追いかけてその後は何事もなくそこそこの山の登山を終えた。
ところが話はそこで終わらなかった。