「あ、はーい!」
今日身に起こった滅多にないだろう不思議な体験、その答えが出ようという、そのタイミングでの突然の来客、それを今日の登山に間に合わなかった虫が寄ってこないという魔法のアイテム、“おにやんま君”が届いたのかと疑いもなくドアを開けてしまったのだ。
「…あの…見えるんですよね…」
繁華街が近い一人住まいの安マンションに深い山の薫りが忍び込んできた。
「え?」
「…私の事」
「あなたは今日山でお会いした?しかしなぜここが?」
「見えるんですか!?」
「あ、はい…えぇ、はっきり…」
俺はまるで現実とは思えないこの成り行きにそれなりの抵抗を試みたが無駄だった
「…コーヒーを頂けますか?」
とまた俺の一瞥して通り過ぎ、ザックやツェルトなどが散乱したリビングに入っていったから、やった
アナルに指入れしている時スマホが転がっているのに気付き見てみると
「○○で女性の遺体…行方不明になっている東京の会社員の女性の可能性」
とトップに表示されていたがそ、れどころじゃなかった