​旧家のために静まり返った廊下を歩くと、胸の鼓動と床の軋み音が耳の奥で鳴り響いていた。
恵美が眠る部屋の襖を、ゆっくりと開けると薄暗い寝室に月明かりが淡く差し込んでいた。
​寝てる恵美は人の気配でうっすらと目を開けて「……二人でどうしたの?」と眠気を含んだ声で尋ねてきた。
​俺が意を決して恵美に「恵美、一度だけでいいから、兄貴に抱かれてほしい」と告げると恵美の瞳が大きく開き、しばらく考え込んだ後にゆっくりと顔を兄貴に向けて
「お義兄さんの視線は何度も感じていました。……わかりました。私もお義兄さんのこと、嫌いじゃないから」そう言って、目をそっと閉じた。
その言葉を聞いた兄の肩がわずかに震えていた、俺は深く息を吸い込み、兄に「恵美も承諾してくれたよ。……兄貴今夜だけ恵美の身体を好きにしていいよ」と言うと
兄は静かに頷き、震える指先で恵美のパジャマのボタンに手をかけた。

寝室の恵美
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