「…ずっと…信じてた。
長瀬ちゃんが来てくれるって。
だから、ずっと長瀬ちゃんの事呼んでた…」

気づくと、僕は泣いていた。
涙が頬を伝う。

「…ありがとう。長瀬ちゃん。
来てくれて。本当にありがとう…」

ずっと呼んでた…。
それは多分、僕と別れてから15年、
ずっと呼び続けてくれたという事なのだろう。
後悔が自分を襲う。
なぜ彼女の事に気づいてあげられなかったんだろう、
なぜ彼女を助けてあげられなかったんだろう…。

「ごめん…ごめんね…瑠璃子さん…」
彼女を強く抱きしめながら、そう言った。