〜 選択形式で進めていくスレッドXXXVII 〜
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鉄の掟
・選択は原則「早い者勝ち」
・ただし、あまりな展開となると例外として「リコール」が適用されることもある。
・例え選択者本人でも選択の修正はできない
・「リロード」推奨
・sage進行で
補足の八項目
喧嘩をしない
早さと技を競い合おう
選択肢は好きなものを選んで構わない
言いたいことがあれば、書き手に回ろう
思いやりの心を忘れないこと
『空気』を読もう
気楽に楽しんで参加しよう さて、この場に留まっていても僕たちにはやることがない。
普通の学生である僕には、生憎壊れた機械を修理できるような知識はない。
多分彼女も同様だろう。だからこの場は彼一人に任せてもいいと思う。
その間、僕らは犯人を割り出す聞き込みを続けることにしよう。
「……では、後はよろしくお願いします」
「ああ、任せておけ。修理が終わり次第警察には連絡する」
「頼みましたよ。……では、僕らは行きましょうか」
「はい。他の従業員の部屋に行くんでしたよね?」
従業員の彼女についてきてもらうのは忘れない。
ここで僕一人で行動して、もう一度殺されたんじゃたまらないからね。
そういうわけで、僕と彼女は一階の男性従業員の個室へと向かう。
場所は突き当たりだ。事件現場である台所からはそう遠くない。
「私は他の方々が犯人だとは思えませんよ。皆さんいい方たちばかりですし」
「…………」
従業員の言葉に、僕は返事を返せなかった。
僕も考えていたのだが、この事件に限っては
犯人に動機などというものは存在しないんじゃないかと思えてきたのだ。
理由は以前にも話したとおり、僕とオーナーとの共通性の無さである。
いくら僕が犯人の近くに偶然出くわしていたとしても、すぐに殺害に結びつくのはおかしい。
人一人殺すというのは大変だ。証拠が残る可能性もある。
それに僕は先ほどの2回とも犯人の顔すら見ていない。
なのに理不尽に殺されたということは、
犯人は”殺害”という手段と”動機”という目的が摩り替わっているのではないだろうか。
殺害に快楽を覚える精神異常者の犯行という考え方が、今までの結果から見て一番自然な考え方だ。
そう決め付けるのは早計だ。
だがこの事件については、動機を除外して考えても構わないかもしれない。
とにかくアリバイの無い者を洗っていき、現場などに残された痕跡から犯人を割り出すしかない。 「よっ。どうしたんだい、こんな時間に?」
一人目の男性従業員の個室を訪ねたところ、
明るい雰囲気が好印象の青年が出迎えてくれた。
年は僕より幾分か上だ、おそらく大学生だろう。休みを利用してバイトしている、といったところか。
「あの、私が用があるんじゃなくて……この人が話を聞きたいらしくて」
「ふーん……まあ、そんなところとは思っていたけど。
君、確かさっきいろいろ話してくれてた人だろ? とすれば……聞きたいところってのは事件のことか」
彼が僕のほうに向き直る。
まあ先ほどの状況説明は殆ど僕がしていたのだから、覚えられていて当然か。
「久瀬です。及ばずながら、事件の犯人を突き止めようと思いまして。
それで、このロッジの従業員であるあなたに、いくつかお聞きしようと参りました」
「なるほどな、確かに頭良さそうだもんな。
俺なんかはどっちかというと、肉体労働のほうが得意だけどさ」
「……無論、あなたが拒否をするのであれば、深く聞くことは致しませんが」
「オーケー。別に疚しいことをした覚えはないし、じゃんじゃん聞いてくれ。
頑張って犯人を推理してくれよ、探偵君」
彼は割りと気さくに質問することを許してくれた。
なるほど、確かに彼女がいい人だと言うのも頷ける。印象は総じて悪くない。
さて……何を聞くか。
A 八時過ぎから九時ごろまでのアリバイ
B オーナーとの関係
C 犯人の心当たり
D 従業員の女性のスリーサイズ
選択は「D」です 「では……手始めに、彼女のスリーサイズでも教えてもらいましょうか」
僕はまず場を和ませるため、あまり品が良いとはいえない冗談で攻めてみた。
そこ、変人だと思わないでくれ。信頼を込めたジョークだ。
まだ少ししか話していないが、彼女は割りと冗談の通じる人間だ。
この程度の話を軽く受け流せるだけのスキルはあると見ている。
「それも操作の一環ですか、久瀬さん?」
「うむ。僕は事件に重大な関係があると見越しているのだ」
「なら言わなくちゃいけませんね……ってなるわけないですよ。そんなこと言う人嫌いです」
予想通り彼女は精神的に大人だった。
僕が本気で言っていないのを見越して、冗談に乗ってくれる。
やはり会話を弾ませるのなら彼女のように、
ある程度以上こちらの真意を察することの出来る人物がいい。
こんな感じでこの話題は終わるはずだった。ところが……
「う〜ん……俺の見たところ、79・53・80って所か」
「ははは、そんな当てずっぽうで言われても」
彼が数字を適当に羅列した瞬間、彼女がぴしりと固まった。
……待て、ちょっと待て。まさかとは思うが……当たってしまったのか。
どれだけ低い確率を引き当てたというのだ、この男は。
彼女の肩は小刻みに震えている。……何やら嫌な予感がするのは気のせいか。
「お、当たった?
やっぱりな〜。俺さ、目もかなり良い方だから自信あったんだよ」
この男、空気を全く読めていない。
駄目だこいつ、早くなんとかしないと……。
だが、僕がフォローを考え付くよりも早く、彼女は恐ろしい形相で彼に詰め寄った。
「嫌いです嫌いですそういうこと言う人大嫌いですっっっ!!」
「ま、まさかマジで当たってたの!?
ゴメン! 悪かった、俺が悪かったよっ!!」
「……あんまりですっ! 気にしていたのにっ、しかも暴露までされて!!
さては一昨日の夜お風呂場で私がうっかり洩らしちゃったの聞いてましたね!?
最低です、人類の敵です! 乙女の秘密も台無しです!!」
「い、いやそれは誤解だって! まさか俺も完全に一致するとは思わなくて……!!」
彼女が凄い剣幕で次々に要らぬことまでまくしたてる。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています