「TSUKISIMA RURIKO and the infinite sadness」

 どうにも、仕事が泥沼化してしまっている。
 「やれる自分」 と現実とが膠着状態のまま、時間だけがすぎてゆく。
 自分対自分の心理戦。 ぼくが勝ったら、ぼくが負ける。
 時間だけが、ただただ、消耗されて。

 パパから、また電話だ。
 「これからは、仕事も善いが、家のこと、親戚関係のほうを重視しなくてはならぬ」 的発言。
 要は、母国に帰って来いってほのめかし。 (自分、原田家本家の総領なのな)
 なもんだから、まーたケンカだ。 イイ歳こいた男ふたりが。 しかも電話で。 最悪だ。
 そんなにも、自分の息子がこのまま三十路に入るのが怖いのか!? ぼくは怖い!!(断言)

 ていうかね。 あのね。
 時間が無いんだよ! いまの自分には!!
 もっといろいろ面白いものスゴイもの見て知って、面白いものスゴイもの書きたいんだよ!! 生きてる間に!!
 そんな旧態依然とした貴族的慣習に、外交官面して挨拶して回ってる暇なんか無いんだよ!!
 焦ってる? ああ、焦ってるよ。
 生き急ぎ死に急ぐことのない魂で、ぼくは書きたくないんだよ!
 そんな、クルージングワークスを人に見せたくないんだよ!!
 でも、そんなワガママが通用しない職業にあっては、早く書いた者勝ちなんだ。
 両方を満足させるには、あまりに時間が足りていないんだよ。
 もう、家の前の梅の木に花が咲いて、そして、風に散っている。
 どうして、そこを判ってくれない……!?