【ロマンティック】宮沢謙吾 2試合目【大統領】
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剣の道に人生を捧げる、真人とは違うベクトルの馬鹿。
クールを装っているが、キレやすく直情的。
他のメンバーにはない、どこかシニカルな思考の持ち主である
宮沢謙吾(CV:織田優成)のスレッドです。
前スレ:宮沢謙吾に何を聞くねん
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1184095305/
(∵)関連スレ
Key新作リトルバスターズ! Part203
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1199094111/ 「ぐおおおおおおおおおお!!」
気合の一声を振り絞る。腕に力を込め、両腕を引き上げようとするが無理だった。
それでも何とか全ての力を抜ききることだけは避けようと、
浅い呼吸を繰り返して体制を維持しようとする。尋常ではなく苦しい。
「ご覧になって!宮沢さんがすごく苦しそうですわ!あなた早く落ちなさい!!」
「拒否します。宮沢さんが苦しそうなのは見るに耐えませんが、落ちるのは貴方であるべきです」
現在、俺の腕にぶら下がっている彼女たちがなにやら言い合っている。
それすらも、少し遠いところに聞こえてきそうだ。まずい、意識が保てん。
そもそも、なぜ俺はこんな状態に陥っている?
あれはつい先程のこと。昼休み、笹瀬川から屋上に呼び出され、
「宮沢さん…わ、わ、わたくしと付き合ってくださいっ!」
…そうだな、俺は告白されたんだ。彼女の好意は分かっているつもりだったが。
残念だが俺は君とは付き合えない、そう言おうとした矢先、いきなり屋上のドアが激しく開いて、
「ちょっとまったーーーー!!」
どこかで見たことのあるジャンパーをなびかせ飛び込んできた声の主は、古式だった。
あの様子は一体どうしたんだ?
その後古式と笹瀬川に囲まれ返答に窮していたら、迫ってきた二人と俺の体重に屋上の柵があっさり折れ、
押し寄せてた二人が勢いそのまま屋上から落下しそうになった。
何とか二人が落ちる前に二人の上着を掴むのに成功し、俺自身は足を校舎に引っ掛けて
何とか体勢を維持しているのが現状だ。
「宮沢さん、もう右腕振り払ってください!このような時は事故だから仕方ありませんわ!
別に見捨てても罪にはなりませんから、さあ!」
「宮沢さん!今の聞きましたかッ!こういう時は、こういうの言い出した人から落とすべきだと思います。
その方が良心の呵責も少なくてお得ですよ!!」
俺の両腕に掴まってる二人は、命の危機も気にせずになにやら叫んでは足を振り回している。
お前たちはそれだけ動いて喋れたら俺をよじ登れるだろうが!
特に笹瀬川はソフトボール部のエースなのだから鍛えてるはずなのだから。
今の俺に二人を引き上げるのは無理だ。
「おい…二人とも…いいからっ…早く登れ…っ!!」
「二人とも!?そんな!!彼女はここで落としておくべきです!」
怒りに赤く染まる古式。怒った顔も美しいが、今日の彼女は少々変だ。
「そう…ですね…宮沢さん、構いませんわ、もうわたくしを落としても…」
と、突然笹瀬川が殊勝なことを言い出した。
「さ、笹瀬川…いいから…君なら登れるはずだ…早く…」
「わたくしは…宮沢さんをお慕い申しております…!
このままでは宮沢様まで落ちてしまいます…貴方のためならばかまいません、どうか!」
恐怖と必死に戦っているのだろう、目を潤ませながらと俺を見上げてくる笹瀬川。
皆のために自分を犠牲にしようとは!?
俺は彼女を誤解していた…なんと殊勝な娘なんだ!必ず彼女を助けなければ!
「笹瀬川…死ぬ必要は無いぞ。だが…う、うおお!
…少しばかり、腕に力を込めて、屋上に戻ってだな…。」
息も絶え絶えに彼女を説得する。
「わ、私だって!!私だって宮沢さんのこと愛しているんですからーーー!!!
生きがいを失った私を助けてくれたあの時から!!」
古式、嬉し恥ずかしな告白をぶちまけてくれる。
そんなにも俺を好きだったのか、嬉しいが少し複雑だ…。
「あらそう。貴方がそんなに宮沢さんのこと愛してるなら、貴方が先に落ちてくださる?
友人を失って傷心する宮沢さんはわたくしがきっちり体も心も慰めてあげますから」
いきなり冷酷といえる声で笹瀬川が宣告する。
お前…さっきの態度はどうした…。
しかし喪服の笹瀬川が悲しむ俺を慰めて、か。喪服も悪くないな…巫女服とはまた違った趣が…。
「 この 落ちなさい !! ていりゃあ !!
「泥棒 ねこが 蹴りで私に 思って はっ!!」
どこか遠いところから、バトルが始まった。
今日は誰が妙な称号を付けられるのか、大方バトル好きの真人だろう。
後でからかってやるとするか。そんなことを考えながら俺の意識は遠くなっていった…。
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