【春に向かって】先生、高瀬瑞希を捕らえました3
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「まったくアイドルの不祥事が続くね」
「・・・まあ、いいじゃないですか。今の時代のアイドルは使い捨て、ある程度
の年齢になるか人気がなくなったらあっという間に消えるっていうのが常識ですし」
電話のコール音とコピー機やFAXやプリンターの作動音、何人もの人間の足音と声が
が重なり合って作られる独特の空気が溢れる室内から少し離れた場所にある
パーテションが立てられた応接室で二人の男が話し合っていた。
「で、次はどの娘が面白い目にあいそうなのかな?」
「・・・って、桑名さんも酷いな。人の不幸に喜ぶなんて」
「だって、その娘が酷い目に遭ってくれれば読者も喜ぶ、家の雑誌も売れる。いいことづくめじゃないか」
人の不幸を真顔で喜ぶ桑名という男を正面の男は少し呆れながら懐から取り出した
写真をテーブルの上に置いた。 「って、この娘は瑞希ちゃんじゃないの!」
男は目の前に出された写真を食い入るように見つめる。
「ええ、その瑞希ちゃんが今面白い目に遭いそうなんですよ」
「面白い目?」
「ええ、例の伊藤誠っていうのが瑞希ちゃんを狙っているとか」
桑名はソファーから身を乗り出し男の顔の前に自分の顔を近づけ怒鳴る・
「い、伊藤誠って!あのクズで優柔不断なあの伊藤誠か」
「そう、その伊藤誠ですよ。近頃覚醒剤にまで手を出し始めた・・・あのクズ男」
「おいおい、洒落になってないぞ。この瑞希ちゃんは何度か会ったことがあるが
物凄く良い娘なんだぞ」
桑名は少し焦りながら男に話しかけていると男はにんまりと笑って再び言葉を発した。
「そう、その良い娘のグラビア写真を編集部に言って取り寄せるぐらい気に入っているらしく」
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