お〜い、誰かyet11の行方を知らんか? Part3
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0084名無しさんだよもん2009/06/03(水) 01:31:58ID:SoLiTsCr0
451 名前:3話[sage] 投稿日:2006/11/06(月) 03:18:36 ID:ImXMfaB10

 吉沢は思った。
 客が来ねえと。
 
 こんな時は、昔の事を整理してみる。

 何回か整理した中で、一番考えた項目は『どうやったら、KEY組の離脱を防げたのか』だ。
 これに関しては既に結論は出ている。
 言ってしまえば、“当時では無理”だ。
 あの時の関連人物の、それぞれのキャパシティを考えると、どう考えても全員離脱を防げた可能性は無い。
 そんじゃあ、今の自分がタイムスリップして、もう一回やり直せたら?
 まあ、意味が無い仮定とは承知している。
 “もう一回人生やり直せたら、俺は人生成功してるね。まず勉強して東大行って……”
 こんな愚痴は、新橋やミナミの飲み屋で溢れまくっているだろう。
 だが、これに関しても既に結論は出ている。
 
 “麻枝は引き止められない”

 どうしようも無いのだ。
 あのダイヤの原石を手に入れた瞬間に立ち会ってしまえば、すぐに昔の俺に戻ってしまうだろうから。
 そして、また同じ間違いをやってしまうだろうからな。
 そこまで考えて、少し鬱になっている自分に気付き、気分転換に首を回してみる。
 ボキッ!
 ……客がいたら骨折かと思われるような音に、自分が年をとった事を実感さぜるを得ない。
 昔は今の仕事より数倍きつい仕事をしてたのに、疲れを全然感じなかったなんて、若かったなー俺。
 
 いや、疲れ始めたのはあの頃か。
 もっとも忙しく、
 もっとも燃えていて、
 もっとも悲しかった時だ。
0085名無しさんだよもん2009/06/03(水) 01:32:31ID:SoLiTsCr0
452 名前:3話[sage] 投稿日:2006/11/06(月) 03:19:40 ID:ImXMfaB10

 あのメンバーを揃えたのは、とにかく個性的な人物を揃えて、一刻も早く体制を整えたかったからだ。
 仮に離脱した6人の内、だれか一人でも残っていれば、あのメンバーは誰一人集まらなかっただろう。
 そういう意味では奇跡的なメンバーだったかもしれない。
 
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 「柏木」
 「はい」
 「俺はお前にHシーンの曲を依頼した」
 「はい」
 「しかし、この3分52秒のトラックには、何も聞こえてこないんだが」
 「それが狙いですよ、吉沢さん」
 「ほう」
 「ぶっちゃけ、エロシーンの音楽なんて邪魔ですよ! ○ナニーの邪魔でしかない! それをアシストしたいんですよ!」
 「……」
 「100曲の名曲より、1曲の伝説曲! それが俺のモットーです」

 「コタ」
 「はい」
 「俺はお前にHシーンのイラストを依頼した」
 「はい」
 「しかし、この原画を見ると、途中から肌が黒くなり耳が尖がっている気がするのだが」
 「それはダークエルフですよ、吉沢さん」
 「ほう」
 「ぶっちゃけ、人間を書いてても楽しくないんですよ、やっぱりユーザーは人間以外を求めているんですよ」
 「……」
 「“くろいえるふさんはとてもえろいとおもいます”これが僕の小学校の卒業文集です!」
0086名無しさんだよもん2009/06/03(水) 01:33:32ID:SoLiTsCr0
453 名前:3話[sage] 投稿日:2006/11/06(月) 03:25:27 ID:ImXMfaB10

 一時間後
 「すみません、電車が遅れました!……あれ? るざりんやコタは?」
 「ああ、あいつらなら反省したいからって仮眠室で座禅している。それより災難だったな、有島」
 有島は異様な程に汗をかいていた。電車が遅れたのなら普通ならば、これ幸いとばかりに遅れてくる同僚ばかりだったが、
こいつだけは少しでも時間を無駄にしまいと走ってくる。
 “……助けて! ゴキブリの擬人化は無理っ!!”“ゴキの! ゴキの羽音がBGMとなって俺を苦しめるぅ!”
 「……なんか悲鳴が聞こえてくるんですけど」
 「有島。お前はシナリオライターだから知らないだろうが、イラストや音楽の創作現場等あんな物なのだ。
インスピレーションとの戦いが、あのような絶叫を生み出す」
 困惑している有島にインスタントのコーヒーを渡してやる。
 「あ、どもです」
 「お前は焦りすぎだ。たまの電車遅延くらいゆっくり歩け」
 「……はい」
 有島は明らかにハイペース気味にシナリオ作業を進めていた。
 別に出来上がった内容は突貫工事レベルというわけではないが、最良とも思えない。
 あらゆる意味で気負いすぎなのだ。
 その分、柏木やコタは良くも悪くもマイペースだった。
 二人がおちゃらけているのも、場の空気を和ますために、わざとやっているのだろう。
 “いやああ!! 助けてくろいえるふさん!!”“ぶっ殺す!! 調子ぶっこいてんじゃねえーぞ虫がああ!!”
 たぶんそうなのだろう。
0087名無しさんだよもん2009/06/03(水) 01:34:05ID:SoLiTsCr0
453 名前:3話[sage] 投稿日:2006/11/06(月) 03:25:27 ID:ImXMfaB10

 「相変わらず騒がしいですね」
 嫌な声が聞こえた。
 「あ……おはようございます!!」
 そんなに元気な声は、俺には出せない。
 「うん、ご苦労様」
 あんたの笑顔は見飽きた。
 「どうだね。吉沢くん。“勝てそう”かね」
 なんで、そこが駄目と気付いてくれないんだ。
 “コタ! このゴキは社長だ! そう思えば怖くない!”“うおおお! 僕の中から迸る勇気が!!”

 ナイスタイミング。
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