一人の人間として自我を持つようになった、つまり人を愛する能力を持った
(その後の)繭が浩平を選んだとしたら、それは浩平が「愛情を求めた」こととは
また別個のところに理由があると思うよ。腐れ縁とか。
なので、長森とかみさき先輩とかならあり得ないけど、
繭になら浩平はあっさり振られても別にいいと思ってる。
浩平はこれから先、繭が出会い、対等かつ健全に人間関係を結び、
そして場合によっては別れてゆくたくさんの人たち(華穂さんもその一人だ)の
うちの一人でしかない。
そんな浩平を葬り去って同級生の男の子にチョコをあげるために、
繭は自分で最寄りの警察署に被害届を出したりもできる。
そのぐらいの強さを、タフさを、精神力を、
一人の人間である彼女は既に持っているのです。