※Aの続き

佐和子「麻理らしいわね。そんな状況でも仕事第一主義とは」
麻理「あんただって、同じ状況ならそうするでしょ」
佐和子「まあ、確かにそうだわね。でも、丁度いいんじゃないの」
麻理「何が丁度いいんだか」
佐和子「春希君が麻理を選んでくれてから約2年間。NYに逃避したままの
     形になっていたのを上司が急死して、その後釜として呼び戻された
     タイミングでこういう事態になってさ」
麻理「散々世話になった上司の突然の訃報をとても喜べないけど…、
    そのおかげで北原が1年遅れながらも峰城大を無事に卒業出来て、
    うちに正社員として採用されたこともあるからね」
佐和子「小木曽さんに対して仁義を切っておく、いい機会じゃないの」
麻理「仁義を切るって…どうやって?」
佐和子「小娘じゃないんだから、それぐらい自分で考えなさい」
麻理「佐和子ぉ〜」
佐和子「麻理は男関係になるとからっきし駄目よね。もっと自分に自信を
     持ってもいいんじゃない。春希君とは2年間の実績もあることだし」
麻理「そうは言っても………ねぇ。私、小木曽さんより歳食っているし…、
    そもそも、北原に聞いた小木曽さん像にとても勝てそうにも無いし…」
佐和子「あんた馬鹿じゃない。それは春希君が判断することでしょ」
麻理「それはそうなんだけど…」
佐和子「そういえば、春希君はどうしたの?今日は見当たらないけど」
麻理「ああ、北原なら取材旅行で日本各地を飛び回っている真っ只中だ」
佐和子「そうなんだ。春希君がいたら、きっと、私が放っておけと言っても
     麻理のこと助けてくれたのにね」
麻理「この件で北原には相談しない。あくまで私と小木曽さんの問題だから」
佐和子「麻理。その意気よ。いつものあんたらしく振る舞えば大丈夫」
麻理「佐和子…ありがとう。私らしく、仁義を切ってくるぞ」

明日に続く…