授業をを終え、今日は部室で、ミステリ研の活動日だったのだが、到着すると同時にチョコレートを口の中に突っ込まれた。
「どう? おいしい? おいしい? たかちゃん、おいしい?」
にこやかに訊いてくる花梨。
その笑顔から、そうか、今日はバレンタインデーだったのかと思い至る。昨日気付いていたはずなのだが、あれからの色々で、すっかり忘れていた、と思いながら、僕は咀嚼する。
「うん、おいしい」
「ふふっ。いえーい」
と言って、花梨はベントラーポーズを取る。
一年前ならたとえアンケートを突き付けてもそんなポーズは取らなかったであろう彼女だが、変われば変わるものである。