【WHITE ALBUM2】冬馬かずさスレ 砂糖60杯目 [無断転載禁止]©bbspink.com
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【WHITE ALBUM2】冬馬かずさスレ 砂糖60杯目
孤高。そして、孤独。
冬馬 かずさ (とうま かずさ)
Personal Data
(introductory chapter)
峰城大付属3年E組。
誕生日、5月28日。
窓際の席で常に居眠りしている。遅刻・サボリの常習犯。
雪菜と対極にいる時代錯誤の不良娘。
裕福な家庭だが、親がほぼ不在。
長く艶やかな黒髪、モデル顔負けのスタイル、切れ長の瞳。
外見のイメージに反して、甘い物(プリン・ポートワインなど)好き。
どちらかと言えば緒方理奈派。
(closing chapter)
多分ピアニスト。きっとウィーン在住。その他の詳細不明。
母であり、欧州を中心に世界中で活動するピアニスト冬馬曜子は、
たびたび日本のメディアにもその活躍ぶりが紹介されているが、
その不良娘にして実績のない若手ピアニストのことは、
今現在でも日本ではまったく知られていない。
彼女がふたたび日本の地を踏むことは、果たしてあり得るのか…
【WHITE ALBUM2】冬馬かずさスレ 砂糖59杯目 [転載禁止](c)bbspink.com
http://nasu.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1447098546/
※次スレは>>950頃に宣言してからスレ立てをして頂けますようお願い致します。
シナリオ担当・丸戸史明による冬馬かずさ評
「捨て犬に懐かれると、とんでもないことになるという見本。というわけであまりにも忠犬。
吠えても噛みついてもすねても常に尻尾は振ったまま。
さらにやっかいなのは、元捨て犬のくせにじつは血統書付きで毛並みが最高なこと。もふもふしてあげるとわかりにくく超喜びます。
でも放っておくと砂糖しか食べないので、厳しい管理が必要です。
というわけで彼女を幸せにできるのは、人生を犬に捧げたトップブリーダーだけです。みなさん頑張ってください」
ソース:【電撃PlayStation】『WHITE ALBUM2』シナリオ担当の丸戸史明氏自らヒロイン5人を紹介!
http://dengekionline.com/elem/000/000/573/573553/ 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f) 春希 「驚いたなぁ。かずさにそんな人がいたなんて」
曜子 「…あまり動揺してくれないのね」
かずさ 「こういう男だ。春希は」
春希 「いやいや。驚いていますよ。あんなに曜子さんに仕事漬けにされていた上に、俺たちと会ったときもそんな浮いた様子一つもありませんでしたから」
かずさ 「そんなの隠していたに決まってるじゃないか」
春希 「そりゃ、自分みたいなマスコミの記者に話すなんて日本全国に広めてくださいって言っているみたいなものだしな。
でも、祝福してくれる人もたくさんいると思うぞ。俺もそうだし」
かずさ 「そういう意味じゃない。ったく」
春希「?」
曜子 「…まあ、いいわ。ともかく、かずさが選んだ事だし。私みたいな趣味の悪い女がとやかく言える話じゃないわね」
春希 「それで、相手の人ってどんな人なんですか?」
かずさ 「橋本健二さん」
春希 「え、えと。どんな人かって質問なんだけど」
かずさ 「な!? お前はアホか?
なんで今を時めく若手ナンバーワンピアニストの健二さんを知らないんだ? 仮にも記者のはしっくれだろ? お前は!」
春希 「え、えーと。かずさに比べて特徴ない人だから…」
曜子 「おやおや。女王杯始め数々の賞を取った身長2m弱の巨漢の化け物ピアニストが『特徴ない』なんて、まぁ。
ま、胸の大きさなら私の娘も十分化け物級だけど」
かずさ 「健二さんを化け物呼ばわりするな。あの人はああ見えてそういうのすごく気にする人なんだ」
春希 「はは。無知ですいません」
曜子 「ま、ギター君はできないと自分で決めちゃった線からは本当に努力しないコだもんね。
ギターの腕にせよ、クラシック知識にせよ」
春希 「…返す言葉もありません」
かずさ 「ふん」
曜子 「ま、人間手の届かない才能目差した努力はしない方がいいわよ。
幸せにできるのはその手の届く人だけ。好きなだけ崇拝してるだけでは、2、3年は良くても結局5年10年はうまくいかないものよ」
かずさ 「ふん。とっかえひっかえした経験者の言葉かい?」
曜子 「ええ。だから、橋本さんとの縁は本当に歓迎しているわ。
あなたのような、ピアノだけのちょっといびつに育ってしまった娘を、その才能を、崇拝でもなく知識としてでもなく、同じ才能を持ち共に歩んで行ける存在として受け止めてくれる人と出会えたんだから」
かずさ 「ふふん♪」
春希 「良かったですね」
曜子 「おや? あなたの『良かった』は『フった女が幸せに収まりそうで良かった』の意味じゃなくて?」
春希 「ぐ…」
かずさ 「ちょっと! 母さん! それはやめろよ!」
曜子 「あらあら。ギター君、わかりやすい表情。ひょっとしてかずさがこの先独身だったらどうしようとか気に病んでくれてた?」
春希「……」
かずさ 「フフン。残念だったな」
春希 「い、いえ。…そ、そういえば、お二人の馴れ初めなど聞かせていただけると…」
曜子 「かずさの方からよ。もう、猛烈アタック。そうしなきゃダメって経験が生きたわね」
かずさ 「(赤面)ちょっと! 母さん!」
春希 「はは…普段のかずささんからはなんだか想像できませんね」
曜子 「冬馬家の女の性欲なめんな。男ナシで20代の盛りを乗り切れるワケないでしょ」
春希 「……」
かずさ 「…あんたの血を受け継いでこれほど後悔した日はないな」
曜子 「ま、そういうワケで。明日の記者会見までは口外禁止でね」
春希 「いえいえ。ありがとうございました」
曜子 「じゃ、またね」
かずさ 「またな、春希。…あ、そうだ。もうひとつだけ教えてやる。耳を貸せ。春希」
春希 「なんだい? かずさ」
かずさ 「(ゴニョゴニョ)」
春希 「…(がくっ)…そりゃ、向こうは身長2mで…(ぶつぶつ)」
かずさ 「じゃあな。春希」
曜子 「さっきギター君に何吹き込んだの? カレ、心へし折られたような表情してたわよ」
かずさ 「…いや、健二さんの方が大きくて固かったって」
曜子 「…えげつない子ね。さすが私の娘ね」
かずさ 「いや、自分でもえげつないと思うけど、あたしやっぱり母さんの娘だよ」 ・取材後
春希「……」
麻理「ふむ。まあ、固くなるな。もう上司でも部下でもないのだからな。
事情は曜子社長から聞いた。私はお前が選んだ道を肯定したり否定するつもりはない」
春希「…ありがとうございます」
麻理「だが、お手並みは最悪だ」
春希「!?」
麻理「北原、お前は冬馬かずさを助けたいのか?」
春希「な!? 助けたいに決まっています」
麻理「助けたいがために開桜社にも何も語らなかった。そうか?」
春希「はい…」
麻理「全く、これほど先の見えてない男だとは思ってなかったな」
春希「!?」
麻理「確かに、一時のマスコミの興味本位の報道から免れることはできたな。そのために自らの退社理由を隠し、冬馬かずさが日本を去ることもひた隠しにし続けた」
春希「はい…」
麻理「どうなったと思う?」
春希「ご迷惑おかけしました…」
麻理「…全くわかってないようだから説明しておこう。お前たちの出国から一週間足らずで冬馬かずさがお前と共にウィーンにいることが知れた。
すぐに事の次第も明らかになった。
大変だったよ。
浜田やアンサンブル編集長は矢面に立たされたし、冬馬曜子オフィスと我が社の関係は最悪になった」
春希「そ、それは…」
麻理「新人一人やめた程度と思ったか? 残念ながらお前はただの新人どころかかなりの有望株だった。だから期待もコストもかけていた。
例えすただの新人でも取り引き相手からの無断引き抜きなんて言語道断の掟破りだ。
日本から静かに去るために誤情報流すのもな。日本での活動を支援するために方々回っていたアンサンブル編集長がどんな目に遭ったか想像できるか?」
春希「す、すいません…」
麻理「日本から去るから開桜社にはいくら迷惑かけても良いとでも思ったか? 残念ながら、この狭い世界、ましてや狭すぎるクラシック界ではな、お前のやったことは恥知らずの所行にしか過ぎない」
春希「しかし、自分はかずさを…」
麻理「守りたかった。それはわかる。しかし、冬馬かずさをピアニストとして活動させる為には最悪だったと言わざるを得ない。
迷惑は巡り巡って自分の所に降りかかるものだ。アンサンブルが社内から槍玉に挙げられ、これを機にと社内のメセナ活動でアンサンブルの持ってた枠を奪う動きが起きた。そんなドタバタは社外にも伝わった」
春希「……」
麻理「最初の一年半、全く仕事取れなかっただろ? お前の語学力とかの問題じゃないぞ。英語もできるんだし」
春希「な、何かあったんですか?」
麻理「冬馬曜子オフィスは味方も敵も多かった。そんな中、ウィーンで有力なある日本人が『冬馬かずさを使うのは避けたい』と言った。開桜社とのトラブルを避けたいがために。たったそれだけの事だ」
春希「え?」
麻理「企業同士のトラブルなんて『もう仲直りしましたよ』ということを知らしめるのが一番難しいんだぞ。
まして、お前たちが日本の仕事避けまくってるから尚更だ」
春希「そ、そんな…」
麻理「あの狭い業界、仲違いしても結局すぐ仲直りしないといけないし、人と仲違いしたらそれ以外の人間から避けられまくるから気をつけろ」
春希「はい…」
麻理「ウィーンの件の人物も悪い人じゃない。甘いもの好きだから、金沢『やまむら』の甘納豆でも買って持って行け」
春希「何から何まで…ありがとうございます」
麻理「本来、新人が取り引き相手に引き抜かれたといっても、双方了解済みの話なら歓迎しても良いくらいの話なんだぞ。新たな方面へのパイプとして期待できるわけなんだからな。
了解の有無で婿入りと駆け落ちくらいの雲泥の差がある」
春希「そ、そうは言われてましても…」
麻理「まあ、お前の場合はこれからだ。悪いが、期待かけていた分まで働いてもらう。ビジネス相手としてな。
お前は私が育てあげた男だ。逃げられると思うなよ」
春希「…楽しそうですね。麻理さん」
麻理「当たり前だ。曜子社長の粘り強さのおかげでやっと社の関係も戻り、お前とこうして会えるようになったからな。
グラフも『ブラックだから人が逃げた』とあらぬ誹りを受けている。しっかり拭ってもらわないとな」
春希「(十分ブラックですよ…)」
麻理「これからもよろしくな。北原」 ・意地の悪い指揮者と商談中
指揮者「ふむ。それはいいがミスター北原、私の問いには答えてくれていないようだが?」
春希「あ、はい。その件については…自分には少し専門的すぎてお答えしかねます」
指揮者「ほう。素晴らしい。私は冬馬かずさのマネージャーと話をする予定だったのだが、どうやら間違えてコメディアンと話し込んでしまったようだ。すまないがマネージャーを呼んできてくれるかい?」
春希「…フランツさん。私が冬馬かずさのマネージャーです」
指揮者「なんと!? いやはや。コメディアン呼ばわりしてすまなかったな。君はコメディアンよりずっと愉快だよ。
しかし、冬馬曜子オフィスがうらやましいな。音楽家崩れの未成年も雇わず、君のような素晴らしくユーモア溢れる人材を抜擢する余裕があるなんてね」
春希「あの、フランツさん。仕事の話を進めませんか?」
指揮者「残念ながら君と話してるほど長い休暇は取れそうもない。冬馬かずさに来てもらえるかな?」
春希「残念ですが、かずさと直接の交渉はお断りしております。特にあなたのような方とはゴメンだと、かずさからも言われております」
指揮者「そうか。全く、冬馬かずさも幸運な女性だな」
春希「何か?」
指揮者「君という男を選んだばかりに母親のようなピアニストにならずに済んだのだからね」
春希「…それはどういう意味ですか!?」
指揮者「なに。親子で好みが違う事は珍しくない。冬馬曜子は自分を頂点に導く男を好むが、冬馬かずさはその性癖を受け継がなかっただけだろう」
春希「…あなたとはこれ以上話にならないようですね。失礼します」
指揮者「君は君の幸運さを知った方がいい。頂点に立ちたいと思わないピアニストにとって君は最適のパートナーだよ」
春希「くっ…」 脳のここの部分に腫瘍がありますね。最近、頭痛を感じた事は?」
「いいえ…」
春希はそう答えた。しかし、実のところ慣れない異国での激務で身体に不調を感じることは頻繁であったので、最後に頭痛に襲われたのはいつかなど覚えてはいなかった。
「浸潤が激しく、悪性である疑いが高いです。摘出手術が困難な箇所ですが…化学療法や放射線治療もあります。希望を持って治療を続けて下さい…」
「はい…」
誰にも相談できない。特にかずさには…
◆◆
「ただいま」
「遅いぞ、春希」
玄関のドアが開き、片付けのできないかずさの待っていた家からはカビと生乾きの洗濯物の匂いがした。
「誰の尻拭いで遅くなったと思っているんだ?」
「あたしの尻を追っかけるしつこい記者を追い払うのも春希の仕事だろう?」
気怠い身体を引きずって帰って来ても玄関で待つのは憎まれ口。そんな生活を今まで続けてきた。
医者から言われた事が頭の中で泥色の渦をまく。何も考えたくない。休みたい。
「今日は疲れたよ。明日も早いしもう…」
しかし、そんなささやかな望みさえ、我が侭放題に育てられた愚妻は許してくれない。
「3日も待ったんだぞ」
かずさがナメクジのように腕をからめてくる。胃の底に生ぬるい鉛を流し込まれたような気分だ。
眠い。この腕を払って眠ることができればどんなにか楽だろう。
ベッドを一つにするんじゃなかった…
逃げ道など最初からない。首筋に湿った唇が押しあてられる。
鈍い悪寒が背筋をこわばらせた。
流しには腐臭をまとわりつかせた食器が積み上がっていた。
明日になればさらに耐えがたい臭いを放つだろう。
玄関でしっかりと靴を拭わずに部屋に入ってくれるものだから部屋が砂ぼこりくさくなる。
脱ぎ捨てられた服や空のワインボトルが床に散らばっているのなんてもうご愛嬌だ。
子供がいなくて良かったと心底思った。
吐き気をこらえつつ洗ってあるものと思しきグラスを一つ取り水でよくすすいだ上で、冷蔵庫から炭酸水のボトルを取り、注いで飲む。
まずい
だが、苦味すら感じるほどの硬度の水道水より遥かにマシだった。
紅茶でも沸かそうかと電気ポットを見て舌打ちする。
ものぐさなことに、電気ポットに直接紅茶の葉をぶち込んで、飲み終わってそのまま放置していたのだろう。
電気ポットの中には2日前の紅茶の葉が黒っぽいカビと共に鎮座していた。
「何をしてるんだ? 早くしろよ」
急かすかずさを無視してゴミバケツにカビだらけの紅茶の葉をぶち込んだ。
居間のテーブルの上には固まった極彩色の脂を浮かべたカップラーメンの容器が整列している。
もう嗅覚は麻痺していたが、まとわりつく不快感はどうにもならない。
居間から逃げるように寝室に入り、こぼれたワインのシミのついたベッドに手をついた。 春希 「驚いたなぁ。かずさにそんな人がいたなんて」
曜子 「…あまり動揺してくれないのね」
かずさ 「こういう男だ。春希は」
春希 「いやいや。驚いていますよ。あんなに曜子さんに仕事漬けにされていた上に、俺たちと会ったときもそんな浮いた様子一つもありませんでしたから」
かずさ 「そんなの隠していたに決まってるじゃないか」
春希 「そりゃ、自分みたいなマスコミの記者に話すなんて日本全国に広めてくださいって言っているみたいなものだしな。
でも、祝福してくれる人もたくさんいると思うぞ。俺もそうだし」
かずさ 「そういう意味じゃない。ったく」
春希「?」
曜子 「…まあ、いいわ。ともかく、かずさが選んだ事だし。私みたいな趣味の悪い女がとやかく言える話じゃないわね」
春希 「それで、相手の人ってどんな人なんですか?」
かずさ 「橋本健二さん」
春希 「え、えと。どんな人かって質問なんだけど」
かずさ 「な!? お前はアホか?
なんで今を時めく若手ナンバーワンピアニストの健二さんを知らないんだ? 仮にも記者のはしっくれだろ? お前は!」
春希 「え、えーと。かずさに比べて特徴ない人だから…」
曜子 「おやおや。女王杯始め数々の賞を取った身長2m弱の巨漢の化け物ピアニストが『特徴ない』なんて、まぁ。
ま、胸の大きさなら私の娘も十分化け物級だけど」
かずさ 「健二さんを化け物呼ばわりするな。あの人はああ見えてそういうのすごく気にする人なんだ」
春希 「はは。無知ですいません」
曜子 「ま、ギター君はできないと自分で決めちゃった線からは本当に努力しないコだもんね。
ギターの腕にせよ、クラシック知識にせよ」
春希 「…返す言葉もありません」
かずさ 「ふん」
曜子 「ま、人間手の届かない才能目差した努力はしない方がいいわよ。
幸せにできるのはその手の届く人だけ。好きなだけ崇拝してるだけでは、2、3年は良くても結局5年10年はうまくいかないものよ」
かずさ 「ふん。とっかえひっかえした経験者の言葉かい?」
曜子 「ええ。だから、橋本さんとの縁は本当に歓迎しているわ。
あなたのような、ピアノだけのちょっといびつに育ってしまった娘を、その才能を、崇拝でもなく知識としてでもなく、同じ才能を持ち共に歩んで行ける存在として受け止めてくれる人と出会えたんだから」
かずさ 「ふふん♪」
春希 「良かったですね」
曜子 「おや? あなたの『良かった』は『フった女が幸せに収まりそうで良かった』の意味じゃなくて?」
春希 「ぐ…」
かずさ 「ちょっと! 母さん! それはやめろよ!」
曜子 「あらあら。ギター君、わかりやすい表情。ひょっとしてかずさがこの先独身だったらどうしようとか気に病んでくれてた?」
春希「……」
かずさ 「フフン。残念だったな」
春希 「い、いえ。…そ、そういえば、お二人の馴れ初めなど聞かせていただけると…」
曜子 「かずさの方からよ。もう、猛烈アタック。そうしなきゃダメって経験が生きたわね」
かずさ 「(赤面)ちょっと! 母さん!」
春希 「はは…普段のかずささんからはなんだか想像できませんね」
曜子 「冬馬家の女の性欲なめんな。男ナシで20代の盛りを乗り切れるワケないでしょ」
春希 「……」
かずさ 「…あんたの血を受け継いでこれほど後悔した日はないな」
曜子 「ま、そういうワケで。明日の記者会見までは口外禁止でね」
春希 「いえいえ。ありがとうございました」
曜子 「じゃ、またね」
かずさ 「またな、春希。…あ、そうだ。もうひとつだけ教えてやる。耳を貸せ。春希」
春希 「なんだい? かずさ」
かずさ 「(ゴニョゴニョ)」
春希 「…(がくっ)…そりゃ、向こうは身長2mで…(ぶつぶつ)」
かずさ 「じゃあな。春希」
曜子 「さっきギター君に何吹き込んだの? カレ、心へし折られたような表情してたわよ」
かずさ 「…いや、健二さんの方が大きくて固かったって」
曜子 「…えげつない子ね。さすが私の娘ね」
かずさ 「いや、自分でもえげつないと思うけど、あたしやっぱり母さんの娘だよ」 5/10(月)冬馬宅地下練習スタジオにて
フランツ・リスト作曲、詩的で宗教的な調べより第10曲…Cantique d'amour『愛の賛歌』
かずさはそれを奏でたつもりだった。しかし…
奏で終わった途端に押しつぶされそうな罪悪感が彼女を襲った。罪悪感に重みがあったなら彼女の身体は鍵盤に叩きつけられて二度と起き上がることはなかっただろう。
ぱん、ぱん、ぱん…
練習スタジオ入口から曜子が拍手をしつつ入ってくる。その表情は笑顔に満ちていた。
「素晴らしい出来じゃない、かずさ。こんな演奏、わたしには逆立ちしてもできっこないわよ」
母親の言葉には痛烈な皮肉が混じっていた。
「わかっているよ、母さん。今の演奏は…」
弱々しい娘の口応えを遮るように曜子は追撃を続ける。
「ええ、出来は素晴らしいわよ。
賛否両論あるだろうけど、今の演奏は全盛期のわたしでも敵いっこない。
たぶん、ウィーンで値段をつけさせたら倍の値段がつくわよ。
フランツ・リスト作曲ザイン・ヴィゲンシュタイン侯爵夫人に献呈された詩的で宗教的な調べより第10曲…」
「もうやめてくれ。母さん…」
娘の懇願に耳を傾けることなく、母親はとどめの言葉を撃ちこむ。
「『愛の《怨嗟》』ってね」
「っ…!」
やはり、母親には全部見抜かれていた。
「もぉ、すっごいわたし好み。
オンナの秘めておきたい部分がもぉ『これでもかっ』ってぐらい伝わってきて、同じオンナに生まれてきたこと懺悔したくなるぐらい。
フランツに聞かせたら墓から飛び出してきて、あなたの首を絞めにかかるか、頭を垂れるかのどちらかね。
まぁ、カレも身に覚えが二つ三つあるコだから後者の方が若干確率高いかな」
200年前の偉大な先人を元愛人の一人のように看做す発言の方こそ祟られても文句言えないほど不敬極まりない。しかし、かずさは罰を受ける罪人のようにうなだれて口をつぐむ。
そう、被告人かずさが全く弁明できないほど、今の演奏はどす黒い感情に満ちていた。
春希を奪った雪菜への嫉妬、自分を捨てて雪菜をとった春希への妄執
そして…春希を振り向かせる事が出来なかった自分への自己嫌悪
「熱心なのは結構だけど、あまり入れ込みすぎるんじゃないわよ」
曜子はそう言って練習スタジオから出て行った。
残されたかずさの口から嘆息とともに男の名が漏れる。
春希ぃ…
5年間付き合ってきた慕情を振り切ろうと決意したのが2ヶ月前。
しかし、心身の隅々まで根を張った感情から容易く免れることなどできるはずもなかった。
冬の終わりにはかずさ、春希、雪菜の3人が心重ねた一瞬があったが、春が来て夏が近づくにつれ、かずさ心の隙間から抑えきれない感情が滲み出てきた。
忘れるためにピアノを弾けば逆に、自分は今まで春希の事ばかり考えてピアノを弾いてきたのだと思い知らされた。
かずさのピアノはあたかも鏡のように容赦なく彼女の内面を映し出していた。彼女自身でどうにもならないほどに。
「やっぱり私、母親失格かも」
曜子は、閉じた練習スタジオのドアの向こうでため息交じりにつぶやいた。
「娘がつらい経験を重ねるたびにピアニストとしての艶を増していくのを見て…喜ばずにはいられないなんて」 あ、瀬ノ内さん。今日は…」
板倉記者が口を開いたところを、すかさず千晶は自分のセリフを重ねてつぶす。
千晶はいつもこの手でこの小うるさい雑誌記者をはぐらかしていた。舞台の間の取り方を逆用したワザである。
「ああ、冬馬さん。わたし。クラス別だったけど学年同じだったよ。でも覚えてないよね。瀬能千晶っていうんだけど」
突然見知らぬ学友に話しかけられ、今度は冬馬が泡を食う。
「え、ええ?」
かまわず千晶は続ける。
「ひょっとして、今の舞台見ていた? ごめんごめん、全然気付かなかった」
そういう千晶の顔は悪戯を見つけられた少年のものだった。だが、その目はひそかにかずさの反応を注意深く見ている。
「あ、いや、今日は別件で…」
その答えを聞き、千晶は軽い舌うちとともにぼやいた。
「やっぱりか…、ちぇ。春希も雪菜もチケット渡したのに見に来なかったし…」
そのつぶやきは誰にも聞きとれないほど小さかった。しかし、ピアニストであるかずさの耳にははっきりと聞こえた。
「…春希たちの知り合い?」
かずさの声のトーンが微妙に変わったのを千晶は聞き逃さない。
「うん、春希とは何度か寝たよ」
「…っ!」
「わたしはベッドで春希は床で」
「………」
からかわれたことに気付いたかずさは凶悪な目つきで千晶を睨む。しかし千晶は気押されることなく、飄逸な口調をやめない。
「ごめんごめん、ゆるしてちょんまげぇ〜…って」
かずさから、けして許すまじとばかりの怒りのオーラが立ち上る。
千晶はその様子をひととおり観察し終わるや、カバンから何かを取り出し、両手を前で組んで言った。
「まぁ、おわびといっちゃあなんだけど…『かずさぁ、明日ヒマ?』」
その言葉に、かずさは不意をうたれる。
急になれなれしく名前で呼ばれたことに対してではない。
その声色、口調、しぐさがまるで…かずさの不倶戴天の親友のまさにそれであったから。
「???っ…あ、ああ…」
かずさは思わず肯定の返事を返してしまった。
「『よかったぁ。じゃ、絶対絶対来てよね。…来てくれないとちょっとだけ傷ついちゃうかもなぁ…』」
そう言って、千晶はかずさの手に強引にチケットを2枚握らせる。
その際の演技も完璧に『小木曽雪菜』のそれであった。
かずさは混乱のあまり何も反抗できずにチケットを受け取る。
「『じゃあ、見終わったらまたこの場所で会おうね』」
「…あ、うん…」
かずさは呆気にとられ、こくりとうなずくばかりであった。
その後の事はかずさはよく覚えていない。
たしか、瀬能千晶と名乗るあの新人女優は板倉記者にもチケットを渡して去っていった。
板倉記者からはいろいろと質問されたが、何も答えられなかった。
ただ、一緒に翌日の舞台を見に行く約束だけして別れた。
自分と峰城大付の同学年ということだが、もちろん覚えはない。
『春希』と『雪菜』を名前で呼ぶあの人物は何者? ただの大学とかの同窓生?
あの時見せた演技は何? ただのモノマネ上手?
いろいろ考えたけど埒があくはずもない。
かずさは考えるのをやめた。明日、あの瀬能千晶という女に直接聞けばわかることだ。
寝床に転がりながら眺めた、シーリングライトに透けるそのチケットには「5/13(木) シアターモーラス 劇団コーネックス二百三十度『届かない恋』」と印刷されていた >>1
なに思い上がったスレ立ててんだ馬鹿。
あたしがお前の>>1乙するとでも思っているのか馬鹿。
もひとつおまけに馬鹿 >>1………お前は本当に駄目な奴だ
だから…………俺が>>1乙するしかないだろ? あたしは久しぶりにスレ立てしてもらったからって、すぐ>>1乙するようなバカ犬じゃない
たくさんレスしてもらわないと>>1乙しない、賢い犬なんだからな 一番、大切な>>1だけを乙しようって、そう、決めたんだ センター試験か。
エスカレーター式の高校の実態は知らないが、
大学入試そっちのけで学園祭に燃える高3生は見たことがない。。。。。 >>1
>>1
そんなたちの悪い>>1おつを言って、あたしをからかうのやめろよ… 一応進学校で文化祭は三年でも盛り上げて頑張ったけど6月だったな 春希とかずさが結婚したことを知ったらクラスの同窓会も盛り上がりそうだ >>128
かずさは超有名人に出世したからクラスの連中は「冬馬かずさと高校の時同級生だったんだよ」って周りに吹聴してるだろうな
秋冬以降は多少クラスに馴染んでたようだし 親志みたいにかずさのコンサート聞きに行った奴も多いだろうな 【2ch新機能のお知らせ】
スレッドを立てる際「本文1行目行頭」に
!extend:checked:vvvv:1000:512
を書くとシベリア板と同じ強制IP表示設定にすることが可能です
荒らしに悩まされているpartスレの運用時に劇的な効果があるのでぜひご利用ください >>132
Leafスレで言われてた奴、実装されるのか
次は入れてみよう 今回東京は大したことないし、かずさの機嫌を損ねた程度だろう 冬の街路樹を聞くと明日に向かって撃て! を思い出す 名前知らないけどゲーム開始冒頭で春希がギターを爪弾いてたらかずさがピアノを合わせてくれる物悲しい曲も好き 溶け合う心、大好きなんだが一度もかずさとのシーンで使われなくて悲しい かずさ>千晶>麻里さん≧雪菜>小春
くらいの戦闘力比だろうか? バスト かずさの戦闘力(バスト)90……92……何ぃ? まだ上がっているだと!? >>157
ご主人様が大きなおっぱい舐めたり吸ったり手で揉んだりいじったりするの大好きだからな >>159
殺し文句だよな。臭い言葉だけど絶対に逆らえないかずさマジ忠犬 ところで砂糖60本実際使ったらどうなるんだろな・・・溶けきらずに残りそう 飲みきれるというより砂糖を食べる感じだな
砂糖で出来た我が侭ボディ かずさは糖尿病で死に、春希は胃潰瘍で死に、雪菜は交通事故で死ぬ
現実ならこんなもんだね糖分の過剰摂取とストレスと車に気をつけて皆長生きしよう かずさは春希さんの飼い犬になれば全盛期の西武並の管理野球で〆てもらえるから大丈夫だな
春希さんは忠犬がいれば心安らかに癒やしてもらえるので大丈夫
完璧な相互補完だな 隠れてこっそり買っていたプリンとチョコバーを春希さんに没収されて凹むかずさ犬 でも春希との子供が出来ればかずさ自身が一番体を大事にしそうでもある >>171
そら最愛の男との子供が出来たら労わるようになるでしょ
自分1人の体じゃないという意味をこれほど分かり易く理解出来る状態も無いよな
春希さんはそれまで低糖分で甘みのある食べ物の発掘に力を注ぎそうだなw 妊娠中は春希とのHもお預けでストレスが溜まりそうだw >>173
どっちが先に爆発するかっていうと普通は男なんだが……かずさなんだろうな 春希さんは夜明けまでノリノリ
かずさは昼間までノリノリ アメリカに東アジア各地でも雪……
春希さん何したんや 飼い犬はちゃんと連れて行かないとダメじゃないか春希さん >>181
一緒に連れてくと悪戯するので仕事にならないからなぁ お留守番する忠犬かずさの1日興味ある
隠し撮りしたい ご主人を見送った後、ピアノの練習と勉強
↓
ご主人が作ってくれた昼食を、ご主人を思い出しながら食べる
↓
ピアノの練習と勉強
↓
ご主人と一緒に夕飯を食べたいから夕飯に手をつけず我慢して待ってる
↓
布団に包まり「春希ぃ……」とつぶやきながら帰りの遅いご主人を待つ
こんな感じだろう そしてご主人が帰ってきてからは、ぶうぶう文句言いつつも
尻尾振って全身で甘えて忠犬の一日は終わるのであった 暇つぶしに覗いて見たけど あり得ない女が・・
見返りをもらって損はしなかったww
超本命が大穴
♯を取って ♪をcに置き換え
sn♯n2♪h.net/s11/26exy.jpg マネージメントしてプロモートしてそれとは別に私生活でも餌をあげてブラッシングして散歩連れてってきっちり面倒見ないと
あと性的な餌もですね かずさ「今日はモーツァルトの誕生日だぞ春希。ということでザッハトルテを買ってきてくれ」 >>193
ドリコミュ起動してから来たなかずさよ! >>196
ネタレスかと思ってネタレスで話広げてみたら切れらたの巻? かずさのおっぱいはCoda時の立ち絵で斜め向いた時デカ過ぎるよ アクアプラス祭の記念グッズでかずさの等身大フィギュアとか作ってくれんかな グランドピアノが同包されてて置き場所にちょっと困りそうだな >>206
あたかも同梱されてて当然のように言うね…… >>207
ピアノがない冬馬なんて番犬にもならない駄犬 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています