超・定番みたいなので、いいのかなぁ?」と名雪は素直な感覚で言ってみる。
祐一は「良いと思うぞ、無難だしな。 あ、焼き鮭は入れてもいいんじゃないか?」と意見を入れる。
「ん、私でも十分に作れるものばかりだし、それなら大丈夫」と香里。
と・・・ここで秋子さんが早速に助言を出す。
「香里さん、焼き魚はどうしても骨があります。 それに皮まで食べるのか否か、とかそれから今の
子ですとどうしても食べ方が苦手で・・・というのもあります」
「そうですね」
「相手の側に立って考えますと、あんまり食後の弁当箱を汚して返したくない・・・それより以前に、
魚の食べ方が下手な所は見られたくない・・・なんてのもあるかも知れません」
「なるほど・・・」と祐一は感心する。
「まぁ、コレは簡単に解決できる手段もあるのですけどね」
「そ、それはなんですか?秋子さん」と香里は真剣に尋ねる。
「『あ〜ん』してあげるんです」
「・・・・・」
「『あ〜ん』してあげるんですよ?」
「・・・・・」
「コレは香里さんがお魚を綺麗に食べられる方でしたら、それもアピール出来ちゃうという、中々におススメ
のやり方です」
「・・・こ、今回は・・・・・まだ止めておきます」と香里は腰が引けてしまっていた。
「え〜、やってあげなよぉ香里ぃ」と名雪は言いながら、(今度、自分が祐一にしてあげよう)と思っていた。
「それから、玉子焼きです。 コレが結構、難しいんです」
名雪が「そうかなぁ?」と漏らす。
「腕前とかそういうのじゃないんです・・・味が大局的に二大勢力になっていますから」
香里は「二大勢力?」と真剣に聞き入る。
「甘い味わいのモノにするのかそれとも、ダシの・・・いわゆるダシ巻き玉子ですね。 一方の味を
『当然』としてこれまで来た方ですと、違和感があるかも知れません」
「目玉焼きにには『何をつけて食べるのか?』みたいなモノですね?」
「私の感覚ですと男の子は『ダシ』にしておけば大体の所、間違いはないのですけど・・・、祐一さん
のもそれですし」
ココで祐一が「ポンッ」と手を打つ。 「香里、ダシでOKだ。 あいつに弁当から摘ままれて食われ
ちまった事があるけど、『流石は水瀬だなぁ』って言っていたぞ」
「それならこの点はクリアですね」と秋子さんが言う。