病院の処置室からねこたんがなかなか出てこないのだ。
病院の関係者に詰め寄っても、「わかりません」とのことで、さっぱり要領を得ない。
しびれを切らした頃、ようやくストレッチャーでねこたんの遺体が運び出されてきた。
同時に背広を着た男が数名、処置室から出て行った。どうもおかしい。
「ねこたんさんのご遺族ですか?」
戸惑う遺族にようやく白衣を着た医師らしき人物から声をかけられた。
「なにかあったんですか?」「あの男たちは誰ですか?」
矢継ぎ早に質問する。なにか妙な胸騒ぎがする。
遺族は早いとこ医師を見つけて、死亡診断書を早く書いてもらおうと思っていた。
「えっ、いや、死因は心筋壊死で間違いないんですけど・・・」
「実は、裁判所の令状があって、ご遺体からカウパー氏腺液と精液を採取させていただきました」
「さっきの男たちは監察医で、私は採取の証人として立会いを求められてたんです」
「えっ、どういうこと?」
それにしても早い。早すぎる。救急車を出した消防署から鶴岡警察に該当人物の照会があったのだろう。
警察からただちに連絡を受けた公安調査庁は監察医の派遣と裁判所にDNA照合のために体液採取の令状を取ったのだろうか?
遺族は悟った。悟らざるを得なかった。「やらかしてくれたな・・・ねこたん!!」www