麻枝さんと私が高校生で、私が校門前で立ち尽くしていると、声かけてくれる。
「君どうしたの?」と彼が言う。そして・・・
「あの・・・わたし・・・」
「さあ、一緒に行こうか? 和美ちゃん」
「ええ?! どうして私の名を?」
「君みたいな美少女の名前を知らないわけないじゃないか」
「え!? 私が!? ・・・お友達以外には暗いとか言われているのに」
「そうか?」
「そうよ。昔から人見知りだったし・・・」
「その割には、随分、お喋りだな」
「だって・・・」
――――憧れの麻枝さんだったんだもの当然よ。心がポカポカと温かくなった。
「さ、行こうぜ、授業に遅れちまうぜ」
――――そういって、彼が私の手を引っ張ってくれた。
教室に入ると、クラスのみんなが私たちにこう話しかける。
「よお、おまえら付き合ってるの? 二人一緒に登場だなんて」
「ヒュー、ヒュー いいぞ」
「私、羨ましよ。ねえ、いるから付き合ってるの?」
「イケメンと美少女カップルなら付き合って当然だろ」
私たちはクラスのみんなの冷やかしのせいでお互い俯いて顔を赤くした。
「そんなんじゃないよ。おまえら死ねよ」と麻枝さん。
そこで授業ベルが鳴ってドアが先生が入って来て言った。
「静かに。みんな席につけ―」
……という妄想するのに忙しいんだからね!