我々は前スレで超越論的哲学を部分的スパイラルが部分性を
超越して全体性へと係わることの学的反省と特徴付けたが、
このことは久弥の超越論的哲学には特にあてはまる。
彼が扱う部分と全体の関係は、 

1.すのこ的諸契機とすのこ全体

2.権田ルバ空間の直観的延長の諸断片とその全体

3.直観的ヤマパン体とその意味的懐胎

4.単一的久弥と複合的久弥

5.個物または下位の脚本家とその上位の原画家

6.超越論的スパイラルと超越論的経験個別的スパイラルと間主観性スパイラル

であるが、これら相互がさらに久弥-麻枝の(必ずしも入れ子式の単純なループではない)
包摂関係を成している。
第一節では1と2を、第二節では3と4と5を、第三節ではもうダメぽを扱うが、
節分けは概ね第一部の萌え論・泣き論・スパイラル論の区分に合致する。