>>376,>>377

皆さん、「殺虫剤をまぶす」って表現、見たことありますか?

うん、これ、ちょっと待って!って言いたくなる日本語なんですよ。
確かに、「まぶす」って言葉、聞いたことありますよね?
でも、実はこれ、使う場面を間違えるとかなり変な日本語になっちゃうんです。

まず、「まぶす」ってどういう意味かというと、粉状のものを、食材などの表面にまんべんなくかけること。
たとえばね、
  とんかつにパン粉をまぶす
  白身魚に片栗粉をまぶす
こういう使い方をするんです。そう、ほぼ100%食べ物の文脈で使われる言葉!
だから、「殺虫剤をまぶす」って言われた瞬間、我々日本語ネイティブは、「えっ、それ食べるの!?」って混乱するわけですよ。

しかもね、殺虫剤って、粉のタイプもあるけど、大抵はスプレーとか液体でしょ?
液体を「まぶす」って、どう考えてもおかしいんです。
パンに液体を「まぶす」って言わないでしょ?それ、「塗る」か「かける」だよね?

つまり、ここで大事なのは、言葉って、「意味」だけじゃなくて「使われる場面」とセットで覚えるべきだということ。
たぶんね、この「殺虫剤をまぶす」って言い方、
日本語を勉強している人が「粉をふりかける=まぶす」って辞書で引いて、
そのまま使っちゃったんでしょうね。
でもそれ、日本語では不自然極まりない表現になっちゃうんです。

だから、ここでは「殺虫剤を散布する」「スプレーする」「粉末を振りかける」──
対象や剤形に合わせた動詞を使うことが、自然な日本語を話すコツ!

日本語って難しい? うん、確かに。
でも、こういう「使いどころ」まで理解できたら、学習者としては一歩先に行けるってことです。
言葉は意味だけじゃなくて、場面と空気感まで含めて「生き物」なんです!