アナウンサーで百合だのかんだの [無断転載禁止]©bbspink.com
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0001名無しさん@秘密の花園2020/03/16(月) 00:16:11.55ID:9l5tEsoy0
雨が降ってきた。早く車に乗って、次の仕事に行かなくては。衣装や道具の入ったバッグを持って、慌てて出入り口のゲートを通る。こんな時にマネージャーがいないのは辛いなあ。
外を見ると、相合い傘して、寄り添う男女。そういや、そんなことこの業界に入って久しくないし、下手にやったら写真誌に撮られる・・。
それにしても、あの女性見たことが・・・もしかして、新美さんじゃない。何気に見つけた、あの左手中指の指輪はそうだったんだ。
寄り添う姿と表情、とても幸せそうで、うらやましいと言うより、どこか嫉妬を感じてしまう。頭の中が混乱してしまって・・・。
「こじるり、何突っ立ってるの?早く荷物持って、車に入ったら?」運転手の方に言われて、我に返った。さっさと車に荷物を入れる。中に入って、スタジオを出る。
車は相合い傘のカップルのそばを通っていく。わかっていても、二人を見ることはなかった。ひたすら涙を我慢してた。
「次は麹町のスタジオね、そして朝まではしご酒だよ。」運転手からの連絡を聞いて、今日は見知らぬお客さんにくだを巻いてしまうかも知れない。申し訳ないと思いつつ。
0004名無しさん@秘密の花園2020/03/17(火) 12:39:30.46ID:ULkOgLNsa
>>1
初めて彼女と出会ったのは、数年前の「プレミアの巣窟」。深夜番組だから、楽屋も控室もなく、直接スタジオへ。一番若いから、最初に入らないとみんなに失礼だから。とはいっても、多忙で自分が最後と言う時もあるけど(苦笑)
スタジオに入り、セット裏に。すでにスタッフが誰かと打ち合わせ。「遅れてすみません。」スタッフとともに顔を上げたのは、イベントコンパニオンの衣装を着た、見知らぬ女性だ。
その衣装はアシスタントが代々着ているのだが、まるでその衣装に着せられているような。「小島さん、今日からこの番組の仲間になる、新美アナウンサーだよ。」
すくっと立ち上がった彼女は、今まで出会ったどの女子アナと比べでも、本当に普通だけど、子供みたいな自分と比べて、大人の落ち着いた印象で、好感が持てた。
「新美・・・有加と申します。これから小島さんのように、新しい美が有るように、そして加わるように頑張って行きます。」と一礼をする。挨拶の中に自分の名前を織り込んでるのがわかり、昨日から考えてたのかな(笑)
0006名無しさん@秘密の花園2020/03/18(水) 23:35:07.27ID:PGmBg3nS0
>>4
「遅くなってすまんなあ」レギュラーの天野っちとオジンオズボーンの篠宮さんが入ってきた。派手な衣装の彼女に、二人が声をかける。
「おや?もう大阪万博がはじまるんかいな?」「まだ東京五輪もやってないのに(笑)しかも万博大阪でやるか、まだ決まってないだろ。」
即席で漫才する二人に向かって、微笑みながら彼女は挨拶をする。「フジテレビアナウンサーの新美有加です。新しい美しさの有る女性が加わるので、よろしくお願いします。」
「ちょっとぉ、私の時と挨拶ちがうじゃないの!」セット裏は笑いに包まれる。もしかして、自己紹介何パターンも持ってるのかしら。侮れないわ新美さん(笑)
「はい、本番始めますよ!」スタッフの声に、一同セットの方に歩み出す。どこがセットか迷ってる彼女の左腕をつかんで、歩いていく。
「一緒に頑張りましょう、新しい美しさの有る加藤さん!」「違いますよ、大島さん。」「小島だよ!」何だか、自分たちまで漫才コンビになったみたい(笑)
0008名無しさん@秘密の花園2020/03/20(金) 00:03:21.22ID:xEU6c26x0
「今日から新美さんが仲間に入ったので、歓迎会を始めます。カンパーイ!」
収録が終わり、いつもは次の仕事のために自然解散なのだが、今日はレギュラーみんなで、新美さんの歓迎会を開いた、と言っても、いつものセット裏でお菓子と缶ビールだったけど(笑)

「そういや、篠宮が難しい漢字を簡単に書く覚え方をやたらネタにしてたな。」「天野さんご存知で。例えば「うつ」だったら「キカンキワ、キョーワチョワチョワチョワチョ、ヒミ〜」と。」
「篠宮さん、何言ってんだかわからない(苦笑)」「そんなこと言わんといて。ねえ新美さんならわかるやろ?」すると彼女は、そばにあったボールペンで、台本の隅にスラスラっと書いた。「これですか?「鬱」」
0009名無しさん@秘密の花園2020/03/20(金) 00:04:34.52ID:xEU6c26x0
「おいおい、こんな字何も見ないで書く人、初めてみたよ。篠宮いらねえじゃん(笑)」がっかりする篠宮さんに「何だか申し訳ありません。」と謝る彼女。
「これなら「バラ」も書けるのかな?」さらにスラスラ書いて「はい「薔薇」」「夏目雅子が伊集院静に惹かれた気持ちがよくわかる(笑)こじるりは当然・・・」
「もちろん「小島瑠璃子」バランスを取るのが難しかったです。」「えっ、練習してきたんですか?」「い、いや、レギュラーになるから、みんなの名前はちゃんと覚えないと。」
「でもさっきの収録で「篠宮・・・何さんでしたっけ」と言ってたやろ。」みんなにイジられ、顔を染める彼女。

みんなでワイワイしてるその横で、私は彼女の書いた、自分の名前を眺めていた。今まで何とも思っていなかった自分の名前が、急に愛おしくなった。
でも、一緒に書いていた難しい漢字に、彼女が隠していたもう一つの顔があるとは、その時は思ってもいなかった。
0010名無しさん@秘密の花園2020/03/20(金) 17:17:33.03ID:zPQmEu4y0
支援保守
0011名無しさん@秘密の花園2020/03/21(土) 21:22:50.40ID:9BY0Bila0
>>9
アンティークな雰囲気の喫茶店。柱時計の音が静かに響く。お客は私と彼女だけ。大量の服の入った紙袋を二人で持って、いや、彼女はさらに大きなバッグを肩に掛けていた。

「ゴメンね、新美さん。明日グアムで撮影なので、宅配も使えず、一緒に運んで貰って。」「小島さん、気にしなくていいですよ。通ってた大学の近くだったから、この辺り知ってたので。」
「じゃあ、運んだお礼に、今日は私が奢るわよ。」「ホント?それじゃあ、この「コピ・ルアク」がいいなあ。」メニューを見てビックリ。ケタが一つ違う。「普通にアメリカンに、致しません?」
「私、大学時代から通っていたけど、高くて手が出せなくて。フジに就職して初めて頂いたコピ・ルアク、ホントにおいしかった。ぜひこの香りと味わいを、小島さんにも味わってほしいの。」
痛いとこをついてくるね新美さん(苦笑)「ならば、頂きましょう!・・・でも割り勘ね。」「ふ、ふ、ふ。」
0012名無しさん@秘密の花園2020/03/21(土) 21:25:38.17ID:9BY0Bila0
>>11
「ところで新美さん、いつもそんな、スタッフさんみたいな服で通勤してるの?ジャンパーに紺のパンツ、大きなバッグにスニーカー、ホントに女子アナさん?(笑)」
「そりゃあ、大事な時用の服もあるわ。」「勝負服に・・・勝負下着も?(笑)」「あるけど、滅多に履かないわ。特に勝負下着は(苦笑)」
「新美さんの勝負下着、見たいな見たいなあ。」「小島さんの勝負下着見せたら。」「エッチ!(苦笑)」ガーリーな女子会のつもりが、居酒屋のおじさんノリになってしまった(笑)
0013名無しさん@秘密の花園2020/03/21(土) 21:27:14.75ID:9BY0Bila0
>>12
話題を変えよう。「そのバッグ、ちょっと大きくない?何入ってるの」「これ?ちょっと開けるね、恥ずかしいけど。」
バックのファスナーを開ける。「えぇ、これ化粧道具一式!」「何かあった時に、あのリップがないとかあったら困るでしょ。」「それはメイク室に全部揃ってるでしょ(笑)」

「後は、今度の「プレミア」の台本、ナレーション台本、調べ物の資料・・・。」私はふと一冊のノートを見つけた。ふとした隙に取り上げた。「なーんだ、これ。」「ちょっと、待ってよ、見ないでよ!」
「どれどれ。」パラパラとページをめくると、モデル画とそばに「山崎、白、コムデギャルソン」の文字が。「何です、これ?」彼女はため息ついて、観念して話し始めた。
「私、妄想で女子アナカレンダー作るのが趣味なの。」「は?」「昔と違って、今フジのアナウンサー、世間に知られてないから、どういう形ならアピールできるかって、人に見られないように、こっそりと。」
0014名無しさん@秘密の花園2020/03/21(土) 21:31:08.18ID:9BY0Bila0
>>13
「・・・新美さん、それいいアイデアじゃない?服のブランドも、ポージングも。妄想で終わらせないで、手を挙げて私にプロデュースさせて!と言えば、いいんじゃない?フジなら絶対ノるよ。」
「そ、そうかなあ。みんなに笑われるかと思って隠してたの。」「そんなことないよ、もっと自信持ってさ。」そこに、いい香りのコーヒーが運ばれてきた。これがコピ・ルアクか。
カップに口を付けてみる。今まで飲んだことない味わい。「さすがは新美さん、センスあるわあ。で、これはどこ産の豆を使ってるの?」
すると、運んできたマスターが「これ、ジャコウネコが食べた豆を使って、焙煎したコーヒーだよ。」「えっ、食べたって、食べたら後は・・・」
「そう、フンになって出てくる。そうすると、発酵されていい味と香りになるんだよ。」
「新美さん・・・こんなにおいしいのに、私、どう反応すればいいの!」「小島さんには、まだアメリカンの方が良かった?(笑)」うーん、やられた。奥が深い新美さん(苦笑)
0015名無しさん@秘密の花園2020/03/22(日) 13:31:49.52ID:Yx1YL3UtM
支援
0016名無しさん@秘密の花園2020/03/23(月) 12:02:09.35ID:o/jquD1yM
支援保守
0022名無しさん@秘密の花園2020/03/23(月) 22:17:39.92ID:nLmly0Jx0
>>14
「皆さん、お疲れさまでした。」「ほな、次の仕事があるから、今日はお先に。」「僕もこれからもしもツアーズのロケがあるんで。」スタッフも機材を片づけて始めてる。セット裏で差し入れのお菓子を食べている。私と彼女。
「にぃみちゃんと一緒に仕事して、もう半年になるね。」「そうですね、るりさん。」最初は互いに堅かったのに、いつの間にかずいぶんと馴れ馴れしい呼び名(笑)
いや、馴れ馴れしいのは私だけで、彼女はやはり礼儀正しく、みんなにさん付けだ。でも私にだけは名前で呼んでくれることが、とても嬉しくて、内心ニヤニヤしてしまう。
「そう言えば、アナウンサーカレンダー、どうなっているの?企画が通りました!って喜んで入ってきたのは、春頃だったけど・・・。」
「ええ、企画書のようには進まないもので。協力する人も集まらないし、当然アナウンサーも集まらない。挙げ句には、榎並さんが私のカレンダーにしよう!と言い出す始末(苦笑)」
(それ、ぜひ欲しい!できればポスターで)そんな心の叫びを必死に押さえる(笑)「ねえ、にぃみちゃん、明日お休みだったでしょ、私も午後は珍しく空くから、カレンダー会議しよう。
どうすれば、みんながにぃみちゃんに協力してくれるかを、私なりに考えるから。」
「えー、そんなことして、申し訳ないです。それに後で協力者に私の名前を入れてとか、事務所にアイデア料振り込んでとか言わないで下さいね、フジも火の車みたいだし(苦笑)」「榎並さんの名前が入るよりはマシでしょ(笑)」
にぃみちゃんに会えるんだ!仕事じゃなくても会えるんだ!嬉しくてハシャぎたくなる気持ちを、やはりここは押さえる。あ、その前に汚部屋を片付けないと、呆れかえってすぐ帰っちゃうよ(苦笑)
0023名無しさん@秘密の花園2020/03/24(火) 07:56:00.74ID:IZOS5QutM
支援
0026名無しさん@秘密の花園2020/03/24(火) 18:47:00.38ID:ibp+Z8340
>>22
「・・・るりさん、何ですか?これ」あーあ、結局片付けられないまま、例の大きいバッグを担いで、彼女がやってきた。「あ、あの、その、片付けてたんだけど、結局片付けれなくて・・・。」
「見たところ、書籍類だらけですね。勉強家なんですね。」いやあ、それほどでも。「取りあえず、新聞と雑誌と単行本と新書・文庫本とに分けて、空いてるとこに置きましょ。」
こうして、二人掛かりで数時間、それっぽく片付いた、ように見える(苦笑)
そして、彼女はテーブルに例のバッグを置き、例の化粧道具を取り出し、中にあった企画書を私に見せる。「これが今回のアナウンサーカレンダーの企画書です。どうです?」
うん、これなら女性にも買いやすい、みんなにアピールできる内容・・・ふと、バッグにまだたくさんの書類が。「にぃみちゃん、これなーんだ!」「あ、るりさん、やめてください!」
0027名無しさん@秘密の花園2020/03/24(火) 19:08:46.47ID:ibp+Z8340
>>26
驚いた。たくさんの写真の山、それがみんなモデルが彼女。「風景やモデルのポージングとか、生の人物でないとイメージが湧かないからと言って、私をドンドン撮影していって。」
しかも、そこにはなぜか「にいみまみれ」というタイトルまで。これなら、この間のコーヒーより高くても買う(苦笑)
「からかわれてばかりで、私どうしたらよいのか。全くトホホな気分。」「じゃあ、誰ならばみんな言うこといくのかな?」「うーん、思い出した。三田さんかな。」「あの、グッディに出てるアナウンサーね。」
「みんなから頼られて、男性アナたちの中では「ミタパンの会」まで作られていて。」「何その・・・ミタパンの会って・・・だからフジテレビは面白いわ(笑)」困った顔の彼女に話す。
「にぃみちゃん、この際、ミタパンさんに時間を取ってもらって、端的にカレンダーのコンセプトを話し、他のアナにいついつ三田アナ撮影てますと情報流すのよ。そしたら、撮影日にミタパンの会メンバーみんな手伝うよ(笑)」
「そんなんで来てくれます?」「将を射んとする者はまず馬を射よ、と言うじゃない。周りからその気にさせないと、プロジェクトは動かないよ。」「どっちかというと、三田さんが将のように見えますけどね(笑)」
思わず二人で笑ってしまった。そうこうしてるうちに日が沈み、夜になろうとしていた。
0028名無しさん@秘密の花園2020/03/25(水) 00:20:05.45ID:u2y2Beoi0
支援
0029名無しさん@秘密の花園2020/03/26(木) 22:25:57.52ID:K+h9fN6L0
>>27
テーブルにはいつの間にか、缶ビールと実家からの落花生、そして彼女は普通にウーロン茶を飲んでいる。喫茶店でコーヒーを頂いていたように落ち着いた姿に、つい見惚れてしまう。
「るりさん、私の顔に、何かついてます?」「えっいや、どう?この落花生。千葉では結構極上ものなのよ。」
「・・・このピーナッツ、甘味があって、とても柔らかいですね。」
「違うよ、あくまでも落花生!千葉特産の!」
にこやかな笑顔で彼女は私に話す。
「いいですね、るりさんには誇れる地元の名産があって。私は東京生まれの東京育ちだから、ひよこくらいしかなくて。」
「ひよこ、大好きよ。東京に来てからも、見つけたら買って食べるんだから。実家帰りも、お土産はひよこ一択!」
「・・・ひよこを食べるるりさん、一度見てみたいなあ。」
「にぃみちゃん、それウーロン茶なのに、ホントは酔ってる?(笑)」
本当に酔っているのは私なのに。
0030名無しさん@秘密の花園2020/03/26(木) 22:29:34.23ID:K+h9fN6L0
>>29
「でも、普段お酒は飲めないの?」
「大学の頃はもっぱらハイボールでしたね。」
そして彼女は、ポツポツと自分の身の上を語り出した。
大学時代は学園祭の実行委員として駆けずり回ってたこと。大学生の意識調査の研究発表を見ていた人に誘われて、エミー賞の視聴者レポーターに抜擢されたこと。そこからアナウンサーという職業を意識し出したこと。
私は大人しそうに見える彼女の行動力を垣間見た気がした。
「アナウンサーって、舞台できらきら輝くミスやミスターがなるものと思っていたから、その舞台裏にいた自分がなれるなんて、思わなかった。」
「すごいよ、それこそシンデレラストーリーじゃない。こういう人こそ、アナウンサーになるべきなのよ!」鼻息が荒くなった私に、彼女は淡々と話した。
「私はシンデレラへの階段を昇っていった。でも、シンデレラにはなれなかった。」
私は彼女の言葉を理解できなかった。理解する前に酔いが回り、いつしかテーブルに突っ伏して寝ていたようだ。
0031名無しさん@秘密の花園2020/03/26(木) 22:33:38.70ID:K+h9fN6L0
>>30
気がつくと、私はベットに運ばれていたようだ。早くに目は覚めたけど、少し頭が痛い。今日はロケがあるのに、大丈夫なのかな。そう思って枕元を見ると、お菓子とメモ書きが。
「同期が福岡で買ってきたお土産です。ほんの少しですみません。機会があれば、今度はひよこ買ってきますね。にいみ」
早速袋からお饅頭を取り出し、口に頬張る。別の人の福岡土産なのに、なぜか彼女の思いのこもった味がした。
「さあ、準備しないと。」ある程度部屋が片付いたので、久しぶりに通り道ができている(笑)シャワーでも浴びて、酔いを少しでも覚まさないと。
そう思ってベットから降りる。その通り道に、何かが落ちている。「新美有加様」と書かれた、ビニールの包みが。そして中に、いくつもの錠剤が。
私は、彼女が今まで見せていなかった、そして、彼女の見ては行けない姿を見てしまったようだ。
0032名無しさん@秘密の花園2020/03/27(金) 08:05:40.06ID:XexGX7e/M
支援
0033名無しさん@秘密の花園2020/03/27(金) 14:42:08.41ID:UdSPwfF7a
>>31
「プレミアの巣窟」のセット裏。テーブルには、やっとできたフジテレビアナウンサーカレンダー。シックな出で立ちの彼女の立ち姿。卓上カレンダーも、アナウンサー勢揃いの中、後ろではにかんでる彼女。
「るりさん、何でそこばかり見てるんですか?他のアナウンサーも見てやってくださいよ。」あきれる彼女を横目に、このカレンダーの中の彼女を見つめる私。
「篠宮、これは大正ロマン輝くモダンガールだね。」「天野さん、これは今日取り上げる、例のアナウンサーカレンダーですよ。ところで、ショーパンやカトパンどうしたんですか?(笑)」さらにガッカリしてため息をつく彼女。
「にぃみちゃん、売り上げの方はどうなの?」「去年よりも好調で、評判ものく、お陰様で重版出来、はいいんですが・・・。」例のバッグから取りだしたるは、ランキング雑誌オリコン。
「女性アナランキングに、山崎さんしか入ってないんです。山崎さんより下の代は、未だに入れない状況で・・・。」
(私ならば、絶対にぃみちゃんに入れるのに、オリコンモニター何してる!)
怒りは腹の底にしまっておいて(笑)
「本来の目的は、みんなにフジテレビアナウンサーを興味を持ってもらいたいことなので、売り上げだけでは目的が・・・。」
「にぃみちゃん、一回だけでは効果がでないよ。この際毎年にぃみPでカレンダー作ろうよ。」「ええ!もう今年で矢折れ刀尽きてしまいました。来年やるかなんて白紙ですよ。」
「でも通しで見て、センスあるし、統一感があって、アナウンサーでありながらちょっと違う雰囲気が出てるよな、篠宮。」
「そうですね。これにショーパンカトパン入れば言うことないですね(笑)」
「もう、篠宮さんそればっかり。そもそも加藤さんフジやめてますよ!」
ふくれっ面して珍しく怒る彼女。「にぃみちゃん、次まで時間あるし、感想とか分析してみてから、もう一度やるか考えでもいいよ。でも・・・またにぃみPカレンダー見てみたい。でしょ、みんな。」
「そろそろ収録ですよ。」セットに向かうレギュラー陣。ん?彼女がさっきのカレンダーを手にしている。そして、セットの片隅にカレンダーをこっそり貼り付けていた。
「るりさん、番組見ている人にもアピールできるよう、ここに貼っておきますから。」そんな隅じゃ、アピール出来ないでしょ(苦笑)それにしても、早くカレンダーめくりたいな、大正ロマンの新美さん(笑)
0034名無しさん@秘密の花園2020/03/28(土) 18:47:26.32ID:vAKBUQL4M
支援
0035名無しさん@秘密の花園2020/03/28(土) 22:11:51.79ID:oDBalPOV0
>>33
夕暮れ時の海のそばにある、終着駅。遠くに橋がかかって、もう光り輝き始めている。
「忙しいところ連れてきて、ごめんなさいね。一度るりさんと一緒に行きたかったの。」「そんなことないよ、にぃみちゃん、こういう場所が好きなんだね。」
さっき降りた電車はドアが閉まり、反対方向へと折り返していった。

ここは鉄道マニアにはお馴染みの駅らしく、駅から出られない駅として有名なのだそうだ。この頃は訪れる乗客のために、小さな公園が用意されている。
私と彼女は公園の中を歩いていく。
「私、今年もカレンダーのプロデューサーを担当することにしました。でも、早朝の仕事もレギュラーで入ってきて、去年以上に辛いんです。」
「タイトルは「にいみだらけ」?(笑)」
「もう、それはやめてください(苦笑)」
そうしていくうちに、陽は沈み、工場や橋の光が、辺りを、二人を包んでいく。
0036名無しさん@秘密の花園2020/03/28(土) 22:13:32.00ID:oDBalPOV0
>>35
「今年のかれんだー、私は11月、去年入った海老原さんと一緒です。」
(いいなあ、海老原さんと交代してよ)己の願望はいつも通り押し込めて(笑)
「でも海老原さん、とくダネを半年で卒業になって、心が折れてしまい、フィールドキャスターやっていても、心ここにあらずと言うか。私は彼女をどう励ませばいいのか・・・。」
「・・・冷たいこと言うようだけど、自分が気付いて動かない限り、にぃみちゃんがどうこう言っても、どうすることもできないよ。」
こんなきついこと、言うつもりじゃなかったのに。彼女の顔が強張ってるのがわかる。
「できることは、いつもあなたを見ている、気にしていると伝えること。海老原さんから聞かれる時のために、何気ないことでも書き留めて置けばいいよ、その妄想カレンダーノートに(苦笑)」
思わず笑う彼女。その笑顔にちょっと救われる。
「そして、尋ねられたときに、アドバイスをする。海老原さんももう子どもじゃないんだから。私は子どもっぽいけどさ。」「そんなことないですよ、私の何倍も経験してきた人の発言ですよ。」
遠くで汽笛が響いている。こんなロマンチックな風景の中に、私と彼女。まるで恋人のようだ。

「私、ここにるりさんを連れてきたのは、誰もいないところで、どうしても相談に乗って欲しかったからです。」
えっ、突然のことに、戸惑う私。
「今、私には好きな人がいます。」
もしかして、それは、わ・た・・・。
「一緒に大学祭の実行委員をしていた人です。」
0037名無しさん@秘密の花園2020/03/28(土) 22:14:50.85ID:oDBalPOV0
>>36
その後どうしたのか、どう帰ったのか、記憶が曖昧だ。海老原アナの時とはまるで正反対の、しどろもどろな言葉の羅列。まっすぐに見られなかった彼女の笑顔。
そしてホームに入ってきた電車でも、彼女から離れて、押し黙って座っていた。行きの電車では隣同士であれだけ楽しく話をしていたのに。
「るりさん、今度のプレミア、楽しみにしてますね。」「うん、それじゃあ、またね。」
彼女の後ろ姿が、どこか幸せそうに見えた。その姿をいつまでも、いつまでも眺めていた。その姿が消えた頃、涙が溢れてきた。素直に「にぃみちゃん、良かったね」と言えなかった私。
0038名無しさん@秘密の花園2020/03/29(日) 20:34:48.63ID:fS+wFlra0NIKU
支援保守
0039名無しさん@秘密の花園2020/03/29(日) 20:54:36.56ID:HZKxOGgvaNIKU
>>37
あれほど仲が良かった私と彼女は、あの日を境に、話をすることが次第に少なくなっていった。
「るりさん、次回の内容のことですが・・・。」そう言われても「次回は次回で決めましょ。」そう言って、逃げるようにスタジオを去っていく。
あの日の告白の後も、収録日の時は何事もなくハシャいでいたけど、とても辛かった。
「こじるり、今日はやけにテンション高かったね。」と天野っちから言われたかと思えば「今日は、何ぼんやりしてるんだ?」とマネージャーさんから言われたり。あれ以来、心が不安定だった。

そんなある収録日。いつものセット裏に、見慣れたカバン。彼女が先に来てるんだ。普段からきちんとしてる彼女なのに、この日はなぜかファスナーが開いていた。
やっちゃいけない、と思いつつ、つい中を覗いてみた。いつもの化粧道具、いつものノート、いつもの資料、の他に見つけた、いつもとは違う、それは明らかに指輪のケース。
やっちゃ、いけなかったんだ。私はスタジオを飛び出し、駐車場に止めてある車の陰で泣いた。ただただ泣いた。涙が枯れるまで泣いて、そうでないとスタジオに戻れない、と。

そして、雨の日に見掛けた、幸せそうな彼女と彼。私は彼女の元カノになってしまった。彼女だったことなど、なかったけど。
0041名無しさん@秘密の花園2020/03/31(火) 11:56:15.97ID:KhZXx4EpM
支援
0042名無しさん@秘密の花園2020/03/31(火) 23:57:50.74ID:2p8Lxc2J0
>>39
収録日が辛かった。彼女に会うのが辛かった。でも、今日も行かなきゃ。重い足取りでスタジオに入り、セット裏に向かう。天野っちと篠宮さん・・・あれ、彼女がいない。
「あれ?知らなかったの?フジも働き方改革とやらで、新美ちゃん今週お休みだよ。」そんな話、聞いたような聞かなかったような・・・。
「僕らも働き方改革してもらえんやろか。」「一生改革してろと言われるだろ。」「うちは吉本ほど悪こぎではないですよ。」相変わらず即席漫才を披露する天野っちと篠宮さん。

「それで新美ちゃん、メッセージとか言って、僕らにパズルを置いてったようなんだよ。何でもマイブームだって。」
そこには「小島瑠璃子様」と書かれた、彼女の作ったクロスワードパズル。ヨコの行に文字を嵌めれば、メッセージがタテの列に出てくる、初歩的なパズル。
「ホントに簡単だったよ。僕は「こんどのもしツアたのしみです」だって。」
「うちなんか「かんじドリルでるといいね」ですわ。フジで出してくれるんすか(笑)」
そうだ、私もパズル解かなきゃ。どれどれ・・・ホントに簡単だった、けど。
「きょうのよるたずねていいですか」
えっ。
「こじるりは何書かれてた?」「いや、あの、「おみやげはひよこでいいですか」だって。もう、東京育ちはこれだから、はっはっはっ・・・。」

「はい、収録の準備できましたよ。」みんなセットの方へ向かう。私は彼女のメッセージを何度も何度も反芻した。心臓の鼓動が高まるのを感じた。
0043名無しさん@秘密の花園2020/04/01(水) 00:28:17.65ID:aTxD6Wdj0USO
ワッフルワッフル
0044名無しさん@秘密の花園2020/04/04(土) 15:48:54.77ID:wivR5EjB00404
>>42
いつの間にか、雨音がして来た。その音を聞きながら、ベッドに膝を抱えて、座っている私。
(会いたい、なのに会いたくない、でも会いたい・・・。)
ずっとその繰り返し。そのまま居留守でも使おうか、会うと湧き上がる思いが噴き出てしまう。それは、私も彼女も傷つけてしまう。でも、やっぱり会いたい、そして、思いのままに抱きしめたい。
次第に暗くなってきた。でも電気もつけずに、ベッドに横たわる。床はいつの間にかまた本や雑誌の山に埋もれてる。こんな部屋見せるの、恥ずかしい。
「ピーンポーン」ベルが鳴る。「新美有加です。るりさん、今いらっしゃいますか?」何も反応しない。「ピーンポーン」もう一度ベルが鳴る。何も答えない。
どれくらい経ったのだろう。ベッドから降りて、防犯カメラを見る。彼女の姿にハッとする。
深緑のシックなワンピースに、私服では見たことないヒール。そして、ハンドバッグも、傘も、その服に合わせたかのようなデザインと色使い。
私は鍵を開け、ドアを開けた。「新美さん、少し片づけるまで、待っていただけませんか?」
0045名無しさん@秘密の花園2020/04/04(土) 20:44:43.12ID:2dVSwGvk00404
支援
0046名無しさん@秘密の花園2020/04/07(火) 22:08:01.84ID:ONpSWcAv0
>>44
遠くで雷鳴が響いている。テーブルを挟んで、向かい合う私と彼女。いつものように澄んだ眼差しで私を見ている彼女と、その彼女を見つめるの私。どちらから話すでもなく、ただ黙っている。

目を瞬いて、私の方から口火を切る。
「新美さん、あなたのパズル、解いたわ。今日は一体、何の用事?」自分でも冷たく言い放つ私。
「るりさん、この頃どうされたんですか?いつも以上にハシャぐ日もあれば、廊下の壁に寄っかかったままの時も。いつものるりさんらしくないです。」
彼女にはすべてお見通しだった。
「駅の公園で二人で話した時から、私が本気で結婚を考えている人のことを話してから、私を避けるようになって。」
彼女の目から涙が溢れる。私の心の中からも、思いが溢れようとしていた。
「もしかして・・・あの、その、るりさん、私を、私のことを・・・」
「そうよ!私はあなたのことが、新美さんのことが、好きよ、大好きなの!」
ついに、思いを告げてしまった。

「初めて会った時から、私は一目惚れしたの。それがなぜなのか、よくわからない。最初は単に美しいから、キレイだから、ただそれだけだったかもしれない。」
私も次第に涙が頬を伝わってきた。
「そのうち、みんなに気を使い、率先してアイデアを出したり行動したり。私はそんなあなたに、大人の女性の姿を見たの。」
もう、互いに涙で顔がグシャグシャになっていた。
「私は、普通の女の子が普通の女性になる過程も経験を捨ててこの世界に入ったから、子どものままスレてしまったの。だけどあなたは、そんな私を、普通の、学校に通っていた時の友達のように接してくれて。」
涙を拭う彼女。流れるまま、さらに堰を切ったように話す私。
「だから、あなたから好きな人が出来ましたと告白された時、素直に「良かったね。頑張ってね。」って、言えれば・・・良かった
・・・けど、そう言うには、あなたを好き過ぎてしまったの。」
もう、歯止めが利かなくなっていた。
「ただ好きなだけじゃない。あなたにキスをしたい、唇だけじゃなく、あなたの至る所を、ずっと、ずっと愛したい。そして、あなたを彼から奪いたい。それほどあなたが好きなの。もう、私は止められない。」
・・・何か、すべてが終わったような。でも、心の叫びをすべて口に出した開放感。

「私、るりさんに見せたいものがあります。」いつもの大きな肩下げバッグとは違う、黒革のハンドバッグから、手帳とビニールのパックを取り出した。
「そのパック・・・。」私は戸棚から、以前部屋に落ちていた、薬のパックを持ってきた。「もしかして、これと同じもの?」一瞬彼女の顔が引きつっていた。「私、るりさんのところに落としていたの・・・。」
0047名無しさん@秘密の花園2020/04/08(水) 12:27:28.50ID:PX8Nh457M
支援保守
0048名無しさん@秘密の花園2020/04/11(土) 21:04:49.70ID:PQmDvEd80
>>46
「ごめんなさい。部屋に落ちていたのを拾ったの。でも、何だか尋ねてはいけないような気がしてきて、ずっとだまってた。」
彼女は台所に行き、そばにあったコップに水を注ぐ。そしてパックを破り、取り出した薬を飲むと、コップの水を一気に飲み干した。
「そう、私は今でもこのお薬を、毎食後に欠かさず飲んでいます。おかげでだいぶ良くなって来てる反面、これからもずっと続くのかなって。そこにある手帳を開いてみて下さい。」
緑色のカバーの掛かった「保健福祉手帳」を開く。私は言葉に詰まってしまった。
「この事を知ってるのは、家族と上司と同期と・・・彼。」
「そして、私。」頷く彼女。

「とくダネにレギュラーが決まって、張り切って取材やプレゼンやって、自分のペースが掴みかけてた時でした。少しずつ、次第にやる気を失い、ついには家から出られなくなりました。」
淡々と話す彼女。涙が乾き、化粧が取れて初めて彼女の素顔を見た。いつもよりも凛とした表情だった。
「熊本地震の取材後だったから、その衝撃かと思ってた。スタッフからも「これでショック受けて会社に行けないのなら、何もやれないぞ。」とも言われました。でも、どうしようもなく、ただただ辛い日々でした。」
私は苦しむ彼女をただ推し量るしか術がなく、何も言えず黙っていた。
「もう、フジも、アナウンサーも辞めるしかない。そこまで考えてた時に、大学時代の仲間たちが連絡し合い、私のために動いてくれました。
ある人はアナウンス室の上司に掛け合ってくれ、ある人は毎日のように家に顔出してくれ、そして今のお医者さんを紹介してくれたのが、彼でした。」
彼女は手帳と薬のパックとごみをハンドバッグにしまい込んだ。
「るりさん、うつ病って脳の病気だって知ってました?脳内物質の分泌が大きく乱れる為に引き起こされるんです。きっかけがある場合もあるんですが、私はそうではなく、今も不明です。」
科学番組の司会やってたのに、そんなメンタルな部分のこと、全く知らなかった。ただ心が弱いからなってしまうとしか思ってなかった。
「この手帳が交付され、その現実を受け入れられずにいた時、彼は懸命に励ましてくれました。何があってもあなたらしく生きようって。アナ室の同期に告白するときも、彼がセッティングしてくれて・・・。」

また、涙が溢れてきた。そんな事情を汲み取れずに、ただ思いの丈をぶちまけた自分が恥ずかしくなった。
「ごめんなさいね。私、プレミアの収録の度に、あなたの視線を、好意を超えた視線を感じてました。」彼女もまた、涙が頬に伝う。
「いつか、あなたのその視線にあったものを確認しなければ。そう思っていました。」心なしか、いつもより高ぶる声。
「以前、私と勝負服の話をしましたよね。それがこの服です。もちろん、勝負下着も、履いてきました。」そう言うと、彼女は椅子から立ち上がり、背中のファスナーを下げた。バサッとワンピースが床に落ちた。
「に、新美さん。」私は勝負服を脱ぎ捨て、乳白色の勝負下着の姿の彼女を見つめた。
0049名無しさん@秘密の花園2020/04/11(土) 23:59:46.34ID:Gceues+X0
支援
0050名無しさん@秘密の花園2020/04/12(日) 23:54:15.31ID:kTHcjOwL0
>>48
「これが、私の、勝負下着です・・・恥ずかしいですけど、まだ大人しいですか?そして、満足してくれますか?」
乳白色の高級な下着と、余り意識していなかった彼女のスタイルの良さがとても合っていて、わたしの胸は高鳴っていく。
そして彼女は、左手の薬指にはめていたリングを取り外す。
「ごめんね、今日だけは見逃してね。」リングに向かって言い聞かせ、ハンドバッグにしまった。
「るりさんの熱い気持ちが聞くことができたので、私はあなたを受け入れることを覚悟できました。るりさん、いつでも私の胸に飛び込んでもいいですよ。」

「ずるいよ・・・新美さん。1人だけそんな準備をしてきて。今の私を見て。普通のトップスにボトムス、ただのワイヤレスブラにショーツ。勝負服でも下着でもない。何の準備もしてないよ。」
そして自分でも意識しないまま、いきなりアウターもトップスも脱ぎ、そして下着も脱ぎ捨てた。
「私が今勝負できるのは、この生まれたままの姿だけよ。」そして、彼女に近づき、固く抱きしめた。
0051名無しさん@秘密の花園2020/04/13(月) 08:37:57.36ID:1l7C2y2wM
支援
0052名無しさん@秘密の花園2020/04/15(水) 01:52:16.25ID:xcaSGty00
>>50
「るりさ・・・」彼女が言うより早く、キスをする、何度も、何回も。「新美さんの唇、柔らかい。」「るりさんも。」そして、指で自分の唇を触ってみる。彼女のルージュが微かに付いている。
「るりさん、私をあなたのように勝負姿にさせて。」躊躇せず背中のブラのホックを外す。きれいな形の胸が露わになる。「新美さん・・・私、あなたの彼氏が羨ましい。こんな姿をいつも見られるなんて。」
「そんなこと言わないで。今日はるりさんのための私だから。」彼女の胸にキスをしながら、私は少しずつしゃがんでいく。胸からへそへ、そしてシルクのショーツに、頬ずりをする。
「あ・・・」興奮気味にするか彼女のため息。いつも冷静沈着で、丁寧に話す彼女を、思い切り乱れさせたくなった。
「新美さん、脱がして、いいよね。」「ああ、気持ちが・・・私のこと、有加と呼んでいいよ、るりさん。」「私も瑠璃子と呼んで、有加。」「はぁ・・・瑠璃子・・・もう、立っていられない。」
静かに床に横たわる彼女。その彼女の、整った叢の奥に近づき、そっと口づける。「瑠璃子、もっとしてもいいよ。もう、あなたの前では、もう恥ずかしくないわ。」
私も彼女も気持ちが高ぶるのが手に取るようにわかる。私は気持ち良さにゆだねる彼女を愛し続けた。そして私もせがむように彼女に囁く。
「・・・有加も、私を愛して。私がやったように」そして、私と同じように、彼女も私の色んなところを愛してくれた。
私がただ必死に自分の思いの丈をぶつけていたのに対し、彼女は私を思いやって、優しく愛撫してくれた。「どう、瑠璃子。私初めてだから、これでいいの?」「いいよ有加、もっと、もっとお願い!」
そして、お互い何度も何度も果てていった。
0053名無しさん@秘密の花園2020/04/15(水) 07:48:09.86ID:2nvJFc6+0
支援
0054名無しさん@秘密の花園2020/04/16(木) 00:40:03.91ID:gIP/TDdk0
>>52
二人で裸のまま、床に横たわっている。彼女が笑みをこぼすと、私の頬にキスをする。私はお返しに彼女のリップラインにキスをする。
「るりさん。」「にぃみちゃん。」うつむき加減に呼び合う二人。
「私、一度でいいから、るりさんを「瑠璃子」って呼びたかった。まさか、るりさんからそう呼んでってせがまれて、うん、とても嬉しかった。」
「私も、まさかにぃみちゃんが「私を有加と呼んでいいよ。」だなんて。本当は情熱的なんだね。私も一緒に燃えてしまった。」
「実は、小さい頃から、親以外で有加と呼ばれたことなかった。いつも「新美、新美」って。」ふと、彼女は天井を見上げていた。その横顔を私は見ていた。
「フジのアナウンス室にも、「ゆか」が3人もいるの。カレンダーで一緒の海老原さんも、名前は「ゆか」って。」
「海老原さんとも「私を有加と呼んで。」「有加さん、愛してる」とか言い合っているんだ(笑)」
「そんなことないです。」拗ねて私に背中を向ける彼女。そのまっさらな姿も可愛らしい。

「るりさん、あれからまた積ん読ですか。道も消えちゃってますね。」
「結構、雑誌とか本とか買って読んだままにしちゃうんだ、面目ない。」
彼女がふと何かに気が付き、起き出すと、一冊の雑誌を手に取る。
「るりさん、カラフルなビキニがきれい。夕陽の方を向いてる姿も美しいし。自分のこと子どもみたいだなんて言ってたけど、大人の階段を登るシンデレラですね。」
「ちょっと、それ「想い出がいっぱい」のフレーズじゃない。にぃみちゃん、昭和っぽいよ(苦笑)」
「今度は、これ着てやりましょうか?カレンダーもいいなあ・・・(笑)」
「そのビキニはレンタル品。洗濯してもう返しちゃったよ。それににぃみちゃん、その布の向こう側を散々見たじゃない(苦笑)」
そう言ったら、彼女も私も、顔が赤くなってしまった。つい余計なことを言う、私の悪いクセ。

「そろそろ私、帰りますね。」さっきまでの瑞々しさに溢れた裸体に、散らばっていた勝負下着が、勝負服が着せられ、そして、普通の女性へと戻っていく。
「私はシンデレラにはなれなかったけど、続けていけるまでアナウンサー頑張ってみます。みんなに支えられているから。彼氏からも、そして、るりさんからも。」
そして、裸で佇む私に一礼して、薬とリングの入ったハンドバッグを手に、帰っていった。彼女が帰った部屋は、寂しさに満ち溢れていた。
私は立ち上がり、脱ぎ捨てた下着やジャージを拾っては元通りに着ていく。(私は、ガラスの靴を失った、12時過ぎのシンデレラ。)
0055名無しさん@秘密の花園2020/04/16(木) 00:42:17.55ID:gIP/TDdk0
>>54
いつものスタジオのセット裏、どうやら今日は、私が最後みたいだ。「すみません、前の仕事が押してしまって、遅れちゃいました。」そこで待っていた、天野っち、篠宮さん、そしていつもの衣装の彼女。
「新美ちゃん、今週から戻ってるよ。」「何でも、お土産用意しとるって。うちらもさっきいただいたばっかりや。」ニコニコした、いつもの彼女が、後ろからテーブルに差し出した。「るりさん、ひよ子です。」
「いくら私がひよ子大好きだからって、なんで東京土産なの!ちょっと安直すぎるよ!」そういいながら、結局箱から取り出していただく私。やっぱりおいしい名菓ひよ子。
「るりさん、その包装紙をよく見て下さい。」そばにおいてた包み紙を見てみる。「えっ!これ住所が福岡市って!ひよ子は東京土産じゃないの?」
「これ、同期の福岡出張土産なんです。何でも、こっちの方が本家だそうです。」
「・・・新美ちゃん、やっとサプライズで驚いた人が現れてよかったね。僕はすでにもしもツアーズで知ってたから。」
「オレかて福岡のひよ子、阪急うめだや阪神百貨店で見たことあるで。こじるりは大阪で仕事してへんかったっけ?(笑)」
「何、みんなグルだったの!もうイヤ!にぃみちゃんなんか、キライ、大キライ!」そんなむくれた私の表情を見て、ドヤ顔する彼女の表情が愛らしかった。

でも、そんな楽しい日々は、突然終わりを告げた。「プレミアの巣窟、全面リニューアルですって!」
0056名無しさん@秘密の花園2020/04/16(木) 16:06:49.50ID:BBky69I30
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0057名無しさん@秘密の花園2020/04/17(金) 11:46:45.77ID:T7wuJBl10
>>55
あれから半年経つのだろうか。リニューアルしてからは天野っちと二人だけで進行してる。相変わらず楽しいけど、どこかポッカリ穴が開いたような。
時間が経てば、いずれは忘れる、忘れてしまう、そう思ってた。けど、はがされたカレンダー、箱詰めの衣装、作り残しのクロスワードパズルを見る度に、彼女を思い出してしまい、胸が締め付けられる。
そして、今日も穴の開いたセット裏へ・・・あれ?何でここに、篠宮さんが?「こじるり、オレ忘れたんとちゃうか?ついに漢字ドリル出版したから、宣伝に来たんやで。」
「ああ、機関車トーマスがどうたらこうたら、でしたっけ(笑)」「アホか!キカンキワ、キョウアチョアチョアチョアチョ、ヒミーだろ。ホンマに進学校卒か(笑)」「しょうがないよ、大学中退だから(苦笑)」
何か少し昔を思い出して来たような。
「おい、こじるり、篠宮。いや新美ちゃんテレビに出てるぞ。こっちに来て、モニター見ろよ。」
セットにいた天野っちが声をかけてきた。急いで二人でセットに入ってく。
「ほら、新美ちゃんがペヤングの紹介してるぞ。」天野っちがモニターを指差す。
「いつもコンパニオンの服か、大道具さんの服しか見んかったから、普通の服初めてや。けど、こうして見ると、結構色っぽいな。」篠宮さんが感心してる。私は彼女の、その服の向こう側も知ってるけどね(笑)
「さあ、今日発売した、ペヤング獄激辛をいただきましょうか。」そして、彼女は左手でペヤングを持つ。あっ。

薬指には彼氏からのリング。そして小指には、彼女との最後の収録の時に、こっそり送ったピンキーリング。
だけどそのリング、小指の第二関節で止まったまま。ああ自分のサイズで買ってしまった。なんで一緒に愛し合ったとき、こっそりサイズを測らなかったんだろう、一生の不覚(苦笑)

「このペヤング、意外といけ・・・ぐふっ、ゲホッ!」そしてテロップに「ギブアップ」の文字が。
「新美ちゃん、やっちゃったよ。」「バラエティ進出されたら、こっちの仕事が無くなるわ。」
天野っちと篠宮さんが話してるその向こうのモニターには、コップ一杯の水を一気に飲み干す、涙目の彼女。「やっぱり、ダメでした。」三人して大笑い。
何だか、久しぶりに四人揃った気分。そして色々あったあの時を懐かしく思い起こしていた。またいつか会えればいいね、その時はちゃんと小指のサイズ測らせて、にぃみちゃん。

〜終わり〜
0058名無しさん@秘密の花園2020/04/17(金) 18:53:11.43ID:vKAomPyIM
乙です
いい百合でした
0059名無しさん@秘密の花園2020/04/24(金) 03:16:27.02ID:rbzOoZwM0
・・・一週間経ったけど、次回作が思い浮かばないです(苦笑)
そもそも、タイトルすらつけてなかったよ。何で今をときめくこじるりと、フジ一地味な新美アナを選んだじゃったんだろ(笑)
0060名無しさん@秘密の花園2020/04/24(金) 03:27:03.67ID:rbzOoZwM0
ここは自由に書ける場なんで、構わず色んなアナウンサーの組み合わせで書いて下さい。

この頃気になってるのは、元TBSの青木裕子が「(田中)みな実ちゃんだったら抱ける気がする」と言われ、みな実が「青木さんだったら、いいかな」と言ったこと(笑)
でも私はTBSのことはよく知らん(同僚間で仲が悪いことは知っている)青木もみな実も嫌いなんで、誰か別の人に当てはめて、書いて下され。
みな実は「青木さんのお子さんのお父さん、お母さんになるという選択肢もある。」とまで踏み込んでた。矢部が可哀想(笑)
0061名無しさん@秘密の花園2020/04/24(金) 03:34:47.66ID:rbzOoZwM0
もう一つ、書こうかと思ってたネタがあって、ドラマ「カルテット」で主役(松たか子・高橋一生・松田龍平・満島ひかり)を引っ掻き回す吉岡里帆が主役(おい、アナウンサーじゃない)
吉岡はついに、カルテットに演奏場所を提供してるレストランのシェフ、サンドウィッチマン富澤たけしにまで手を出そうとするが、「ママ(妻)のこと愛してるから」と言われ、最後まで落ちなかった。
その時吉岡は、ママ=八木亜希子さんを誘惑する、つうネタ考えてた(笑)でも、モタモタしてる間に、八木さんが線維筋痛症になっちゃった、だからボツ。
0062名無しさん@秘密の花園2020/04/24(金) 03:37:18.68ID:rbzOoZwM0
ということで、なんか考えつくまで、みなさんでいいアナウンサー百合作品書いて下さいませ。すみません、大型連休に入るけど、当分書けません、はい。
0063名無しさん@秘密の花園2020/04/24(金) 21:26:53.65ID:QAI99BaA0
     ∧_∧
 ピュー (  ^^ ) <これからもナメクジのように動く舌と芋虫のように動く指を持つ人外の貞松を応援して下さいね(^^)。
  =〔~∪ ̄ ̄〕
  = ◎――◎                                       赤いダンカン似のAV男優 貞松大輔
0065名無しさん@秘密の花園2020/05/02(土) 23:40:42.18ID:bw86Rngp0
「ねえ新美ちゃん、連絡事項は伝えたけど・・・久しぶりに旦那さんが見てみたいな。」
「何行ってるの、陽子ちゃん。仕事にプライベートは持ち込まない、でしょ。」
昨今のコロナ禍で、フジもリモートワークが主流になってきた。いつ取材が来るかわからない私は、平日は出勤しなきゃならないけど、レギュラー日が決まってる新美ちゃんは、今日はリモート日。
「何だい、フジのアナウンス室も日に日に少なくなってるね。」
「ちょっとあなた、まだ仕事の連絡があるから。」
画面には愛しい旦那さんと、それを隠そうとする新美ちゃん。
「ああ、こっちが当てられちゃうから、この後は今度の金曜にリモート飲み会で、しっかりお聞きしましょうか。」
「もう、陽子ちゃんの意地悪!」
「意地悪で結構ですー!」
こんな会話も、つい1ヶ月前ならアナ室のソファーで、いちゃいちゃしながらやってたのに。
そういえば、新人もリモート研修と聞いてたな。便利になる反面、人との触れ合いがドンドン減ってしまってる。
元から同期とは会う機会が減るものだけど、マスクも有って、みんなとの絆がうっすらと消えかかってる。特に、東京五輪・パラリンピックが延期になったまなちゃんは・・・。
「おう、相変わらずだな、陽子は。」
「ウッチーこそ、もう出勤?」
「そろそろウッチーは止めようよ、それは内田さんがいるだろ。」勝手にウッチーと呼んでる内野君は、色々と気配りが聞いて、みんなからも慕われている。もちろん私も頼りにしてる。
「何だか、まなちゃんの様子が・・・つらそうなんだ。今度のリモート飲み会で、少し気分晴らせられるかな?」
「それはオレたち次第だな。上手く話をしてくれればいいんだけど、そうするほどガマンしてハシャぐタイプだからね。」
「うん、あまりそのことには触れずに、楽しい飲み会になればいいね。」
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