「何行ってるの、陽子ちゃん。仕事にプライベートは持ち込まない、でしょ。」
昨今のコロナ禍で、フジもリモートワークが主流になってきた。いつ取材が来るかわからない私は、平日は出勤しなきゃならないけど、レギュラー日が決まってる新美ちゃんは、今日はリモート日。
「何だい、フジのアナウンス室も日に日に少なくなってるね。」
「ちょっとあなた、まだ仕事の連絡があるから。」
画面には愛しい旦那さんと、それを隠そうとする新美ちゃん。
「ああ、こっちが当てられちゃうから、この後は今度の金曜にリモート飲み会で、しっかりお聞きしましょうか。」
「もう、陽子ちゃんの意地悪!」
「意地悪で結構ですー!」
こんな会話も、つい1ヶ月前ならアナ室のソファーで、いちゃいちゃしながらやってたのに。
そういえば、新人もリモート研修と聞いてたな。便利になる反面、人との触れ合いがドンドン減ってしまってる。
元から同期とは会う機会が減るものだけど、マスクも有って、みんなとの絆がうっすらと消えかかってる。特に、東京五輪・パラリンピックが延期になったまなちゃんは・・・。
「おう、相変わらずだな、陽子は。」
「ウッチーこそ、もう出勤?」
「そろそろウッチーは止めようよ、それは内田さんがいるだろ。」勝手にウッチーと呼んでる内野君は、色々と気配りが聞いて、みんなからも慕われている。もちろん私も頼りにしてる。
「何だか、まなちゃんの様子が・・・つらそうなんだ。今度のリモート飲み会で、少し気分晴らせられるかな?」
「それはオレたち次第だな。上手く話をしてくれればいいんだけど、そうするほどガマンしてハシャぐタイプだからね。」
「うん、あまりそのことには触れずに、楽しい飲み会になればいいね。」