「同期の入社6年目に、カンバーイ!」
「カンパーイ!」
モニターに映る同期に向かって、グラスを上げる私。
缶チューハイのストロングがお気に入りの内野君。いつもウーロン茶の新美ちゃん。ちょっと高めのワインを用意した私。そして・・・。
「今日はたくさん飲んじゃうわよ。実家から、山田錦で作った日本酒送ってもらったからね。」妙にご機嫌なまなちゃん。
久し振りの同期の飲み会が画面越しなのは、昨今の事情なので仕方ないけど、それでもみんなが元気そうで、特にこの頃肩を落として廊下を歩くまなちゃんが笑顔で会ってくれたのは、とても嬉しかった。
「九州は焼酎ってイメージ強いけど、福岡は日本酒の宝庫なのよ。なのに、生野さんも井上も藤本も私より酒豪なのに、日本酒は飲めないって!」
まなちゃん、みんなに絡み出してきちゃったよ。
「でも、宮司は山田錦の日本酒好きなんだろ。」
「山田錦だけじゃないよー、吟のさとも、夢一献もあるからね、ウッチー。」
「だから、それは内田さんに言ってくれよ。女性と間違われて、顔出したらガッカリされるんだよ。」
みんなで大笑い。こういう時にうまくフォローを入れてくれる内野君。
「何か黙ってるようだけど、新美ちゃん、そろそろ旦那さんと喧嘩してんじゃない?」
「私はそう言うときは、わざと夫をスルーします。一々相手にしませんよ。」
「あ、もうこれは危ないな。「にいみ婚、早くも破局」の見出しも近いね。その時は、私が日本酒持って待ってるから。」
「ちょっと、その前に私が先でしょ。コレクションしたワインの数々が、新美ちゃんを待ってまーす!」
「おい、オレの立場は・・・。」
やっぱりみんなで大笑い。早くリモートでなく、一緒に飲みたいな。
「最後に、入社6年目を祝して、6の字になろう・・・新美ちゃん、画面上なのに丸の形にしたら、8の字になるでしょ(笑)」
「じゃあ、スナップショットで「はい、にいみ!」」
ちゃんと撮れたかな、あとでインスタに登録しなきゃ。
「みんな、あとで空いてる日教えてね。それで次回のリモート飲み会のスケジュール決めるから。」
「ウッチー、OK!」
「ハイハイ、ウッチーでもサッチーでも、何でもいいよ(苦笑)」
そうして、新美ちゃんと内野君が画面から消えた。そこはかとなく寂寥感。さあ、私も切ろうかと画面を見たら。
まだ、まなちゃんが映ったままだ。さっきとは違って、どこか虚ろな表情だ。
「まなちゃん、まなちゃん・・・まだ話しよっか。」