「勤続30年過ぎて、まさかまた郵便の仕分けの当番が回ってくるとは。いつまでも、新人の頃の気持ちを忘れるなと言うことなのかな。」いつものように、今日は三宅さんのお手伝い。
「小澤君ありがとう、助かったよ。そう言えば、笠井と軽部の机の片付けの時に、たくさんの付箋紙が見つかったから、好きなだけ貰ってっていいよ。」
そう言って三宅さん、戸棚の箱に目をやった。金属の箱の中には、たくさんの付箋紙。庶務の方が、当面購入を頼まなくてもいいくらいの量。
きっと2人は、地震が来たら雪崩を起こす資料の山に(笑)ベタベタっと貼るのに使ってたのだろう。私はマーカー派だったから、使ったことないわ。
でも付箋紙も、この頃は色んな形あるんだ。蝶ネクタイのは、明らかに軽部さんのだな(笑)それらの中に、ハート形の付箋紙を見つけた。2人はどこで使っていたのだろう(苦笑)
「そうだ!」胸ポケットに入れてた手帳のペンで、ハート形の付箋紙にメッセージを書き込んだ。そして、今日も姿の見えないまなちゃんの机の上に貼って置いた。「Fight! by陽子」
「三宅さん、付箋紙ありがたく頂戴いたしました!」めざましと郵便ですっかり疲れてる三宅さんにお礼して、早速報道フロアへと向かっていく。まなちゃん、見てくれるかな。どんな返事、してくれるかな。
取材から帰り、伝票書きのためにアナウンス室に戻ったのは、陽もとっぷり暮れようとしてた時のこと。流石に遠出は疲れるなと、自分の席に戻ると、そこに見知らぬ付箋紙が。
「ヨーちゃん、ありがとう!」あ、まなちゃん早速見てくれたんだ。何だか胸がキュンとなってきた。でも、その下に「でも私、生野さんにお礼したら、キョトンとされちゃった(笑)」
ああ、やっちゃった(苦笑)今度からはちゃんと名字から書こうかしら。