「さあ、そろそろお開きで帰りましょうか。美味しいご飯は母親の証よ」
「え、でも今日は私の方がされっぱなしで育代さんが全然いいことになってないと
 思うんだけど…」
「いいのよ。今日はちはるさんの記念日だから。それに…」
「それに?」
「ここでちはるさんに預けておけば、次の話をしやすいでしょ?
 次は私にいい思いをさせてね」

借りができちゃった。
本当に育代さんは易々と人の心を制圧していくなあ。
もうこの親にしてこの子ありとしか言えない。

私たちはタクシーを呼んで家の近くまで帰った。
一緒に晩ご飯の買い出しをして、それぞれに荷物を持って家に帰る。

「今日はありがとうね」
「いえ、私こそ本当にありがとう」
「また行きましょうね、カラオケ」

育代さんはそう言うと悪戯っぽくちょっと舌を出した。
やってることはかわいいけど、これよく考えたらすごいこと言ってるのよね。
策士なのか天然なのか、どっちにしても少し怖い。
でも体の中に澱んでいたムラムラをこんなにスッキリ片付けたのは本当に久しぶり。
たぶん、勇一がまだ元気だったころ以来だわ。
-----
1カキコ分ではどうしても書きたいことが入りきらないので今日は2カキコしてみました。
いかがでしょうか?
次回もよろしくお願いします。