百合シチュ妄想スレ
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【悲報】神メーカーやっちまんさん、誰も求めてないのにシネマティックメーカーに謎リニューアルしたあげく僅か2ヶ月で消える
ぺろり(@yarichiman)さん _ X
/yarichiman
ロンメル足立(@rommeladachi)さん _ X
/rommeladachi 今週もよろしくお願いします。
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「でも、なんとなく感覚的に言われてみればそうだという感じがしませんか?
大抵の子供がまず好きになるアニメってアンパンマンじゃないですか。
『シンプルな曲線で作られたわかりやすい図形』ですよね。そこを過ぎると、
男の子は特撮ヒーロー、女の子はプリキュアですよね。
このケースの場合、なんとなく肌感覚で感じていることがデータ上
裏付けられたと言えると思います」
「はぁ…なるほど、確かにそうよね。私みたいな絵を描く人間がなんとなく感じていたことが、
こうやってデータで裏付けられることもあるってことなのね」
「もちろん、データ化してみた結果今まで信じてきたことと違うってこともあり得ますけどね。
アンパンマンの話が出ましたんでついでですけど…子供って図形を感性で認識するんです。
係長、ここに"菱形"を書いていただけますか?」
今村君はメモ用紙を取り出してそう言った。私は当然のように◇を書いた。
「間違いなく、これは菱形ですよね。でも、子供に菱形を見せて『これを書いて』って言うと、
例えばこんなものが書かれたりするんです」
と言って今村君は私が書いた菱形の横にギザギザの線を書いた。
「これが菱形なの?」
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続きます。 続きです。
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「そうなんです。我々大人は◇は"菱形"という図形なのですよと教わって知ってるから、
誰もが迷いなく係長の菱形を書きます。でも子供ってそういう知識がないから、
菱形のとがった部分を見てチクチクして痛そうという感性がまず働くんですよ。
だから自分が書いてと言われたら、チクチクを書いて痛そうという感性を表現するんです。
アンパンマンにおける悪役であるばいきんまんは、歯がギザギザですよね。
子供にとって見れば、あの歯は痛くて怖そうで攻撃的に見えると思うんですよね。
…こういうの、役に立ちませんか?」
「すごいじゃない! 今村君。今後私が『これに関するデータない?』って言ったら
ここから出すこともできるのね?」
「まあ、どういう性質のデータかにもよりますけどね。
例えば模様と原価率と購買年齢層と満足度の相関、なんてのも出そうと思ったら出せますよ」
「すごい、本当に感心しちゃった。私はそういう勉強は全くしてこなかったから未知の世界だわ。
よし! 今日のお昼ご飯は私が奢ってあげる! 何でも食べたいものを言って!」
「え、でも係長って普段はお弁当じゃ…?」
「まあそうだけど、冷蔵庫に入れておけばお弁当は帰ってからでも食べられるのよ。
でも会社の後輩が頑張ってるのを讃えるためには私にはお昼をごちそうするぐらいしかできないから。
なんでも今村君が食べたいものを食べに行きましょう」
「…じゃあ、自分が月1の贅沢にしてるものでもいいですか?」
「何でもOK!」
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続きます。 続きです。
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というわけで、今村君の密かな行きつけの店にやってきた。
あまり目立たないところにある、古い感じの建物。
東北の田舎にある古民家をわざわざ移築したそうで、なかなか趣のある感じ。
「はい、牛タン味噌煮定食お待たせしました〜」
「これが今村君の月1の贅沢なのね?」
「はい、自分も普段は500円弁当とかで昼は済ませているんですが…サラリーマンやってると
地味に悩むのが昼食ですよね。だいたいオフィス街にはそんなに安い店って滅多にないし、
コンビニ飯とかファストフードとかを毎日食べるっていうのも健康によくなさそうですし。
だから自分は車で売りに来てる500円弁当屋さんをほぼ毎日使ってるんですよね。
それでここを月1の贅沢にしてるんです」
「で、牛タンを味噌で煮込んだのね。なんかちょっとヘビーそう」
「意外とそうでもないですよ。ご飯も麦ご飯でカロリー抑えめになってますし、
とろろもまたいいですしね」
「牛タンというと焼肉しか思い浮かばないけど、こういう料理法もあるのね。
ちょっとやってみようか…って、まず素人じゃこういうブロックの牛タンが手に入らないわね」
「そうなんですよ。ネットにレシピが転がってたりはしますけど、この店とは別物って感じです」
「いただきます…。あ、本当に見かけほどしつこくなくてサッパリしてる!
とろろご飯ともよく合うわね」
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今回、なんか長文が書き込めないので3つに分けました。
なんか「いっぱい書きすぎよ」か「埋め立てですか?」かどちらかが出ます。
書き込みが少ないせいでしょうか…? すみませんマシントラブルで盛大に遅れてしまいました。
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「ご飯ととろろはおかわり自由ですよ。あ、店員さんすみません、ご飯ととろろお変わりお願いします。多めで」
「もう1杯目が終わったの?」
「はい、ここに来たら自分は3杯は必ず食べますね」
「今村君、細いのに、結構食べるのね」
「学生のころから『燃費悪いやつ』って言われてました」
「男の子らしい表現ね。学生のころって、もしかしてああいう統計とかの勉強をしてたの?」
「統計は自分の勉強の一部っていう感じですね。勉強に不可欠ではあるけど、中心ではないって感じです」
「どんな勉強をしてたの?」
「自分、公認心理師っていう資格を取りたいと思ってたんです。国が認める唯一の心理カウンセリングのプロです」
「また、なんだかいろいろと事情がありそうだけど…」
「実はそうなんです。自分の実家からそんなに離れてないところに親戚が住んでるんですけど、
そこの従兄のお兄ちゃんに自分は子供のころから懐いてて…。でも、そのお兄ちゃんが鬱になっちゃったんです。
それでなんだかんだで心療内科にかかったんですけど、目に見えてよくなっていくんでプロってすごいなと。
でも自分は医者になれるほど優秀じゃないし、というわけで公認心理師を目指そうかなと思って」
「それでなんでキッズファッションの会社でデータ分析やることになったの?」
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続きます。 続きです。
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「それがですね…公認心理師って、比較的最近できた資格で、どこかの施設に必置の資格ってわけでもないんで
取るのが大変な割に報われない資格なんですよ。最低でも修士まで修めないといけないんですけど、
仮に修士終えて試験に合格して資格を手にしても、学校とか会社とか個人開業の心療内科とか、
そういうところに頼み込んで置いてもらうか、思い切って個人開業するか…そんな感じで収入も高くないし」
「そういう世界なの…よくアメリカのドラマとか映画でカウンセラーって出てくるわよね?
ああいう人たちって、結構ステータスの高い職業として描かれてない?」
「アメリカではそうなんですけど、日本ってまだまだ精神医療とか保健とかに偏見があるなあと思いますね。
精神科とか心療内科とかでさえ"インチキ"扱いされてるのに、公認心理師なんて『適当なことをしゃべって
カネを巻き上げる職業』扱いすら珍しくないんですよ」
「某プロゲーマーが『鬱と黒人は甘えを捨てれば治る』なんて言ったっていう話も聞いたことがあるわ」
「あ、一応それはデマみたいです。まあ、言っても不思議じゃないキャラの人ですけどね」
「あらそうなの。じゃそれは訂正しておかなきゃね」
「それで、修士まで行ったら年齢上がる、専門性上がるで普通の就職ってあまりできなさそうじゃないですか。
だから自分は学部まででやめて普通の就職しようって思ったんです。でも正直、困りました」
「困った? どういうふうに?」
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もう1回続きます。 続きです。
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「心理学を学びました、というのを評価してくれる会社ってなかなかなかったんですよ。法学とか政治学は
まだ活かしどころがありますし、商学部なんてのがある大学だったら経理関係の資格も取りますよね。
会社から見てどこに使える人材なのかはっきりわかりますけど、心理学じゃわかりやすい強みがないんです」
「ああ…なるほど、こう言っては失礼かも知れないけど、文学部みたいな扱いなのね」
「そういうことなんです。で、考えた末に、自分はまず化粧品会社に絞りました」
「え? なんか意外なところに着地したわね。またどうして化粧品なの?」
「メンタルが不調になった人、特に女性に、毎日きれいにメイクしてあげて鏡を見せてあげる、っていうことを
やってたらそれだけでみるみるうちによくなるっていうことが結構あるんですね。だからそこを目指そうかと」
「そして、今はうちの会社にいるってことは、そっちもダメだったのね?」
「ダメでした…。化粧品会社で男性に需要があるとすれば、安全性チェックですね。口や肌につけるものですから
安全にはとことん厳しいんですよね。そしてそういう仕事をするのは薬学部だったり獣医学部だったり、
その辺の卒業生ですね」
「なるほど、医学系の知識がある人っていうことになるのね」
「そうなんです。まあ医学部出て医者にならない人はまずいないですけど、そういう医学に隣接する学問が
化粧品会社で必要とされるケース以外、男性が入る余地はないですね」
「なるほどね。そこで今村君はまた困ってしまったのね?」
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今日はこれで終わりますけど、絶対1回で投稿できる分量短くなってますよね。なんか理由があるのかな? 今週もよろしくお願いします。
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「困りました。なんかどうでもよくなっちゃって、しばらく家でゴロゴロしてたんです。そんなときに
姉夫婦と甥っ子が遊びに来て」
「今村君、甥っ子さんがいるの?」
「いますよ。年の離れた姉がいるんですよ。7つ上ですね。そんな姉がいれば甥っ子がいても
不思議じゃないですよね」
「じゃあその年でもう叔父さんなのね」
「叔父さんです。自分、どっちかって言うと子供あまり得意じゃないと思ってたんです。でも甥っ子が生まれると
メチャクチャ可愛くてですね。それで『子供服だ!』って思い、今に至るって感じです」
「じゃあ、お姉さんと甥っ子ちゃんに感謝ね」
「本当に感謝です。入社試験で統計の知識をアピールしたらまさかデザイン課に配属になるとは
思いませんでしたが」
「そうそう、なんで統計の知識があるの? 心理学から統計までが頭の中でつながらないわ」
「そうですねえ…。係長は"心理学"と言われたら、どんなイメージですか?」
「う〜ん、ベタだけど、空を飛ぶ夢は欲求不満の表れ、とか?」
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続きます。 なんか腹立つぐらい書き込めませんね。4096文字は書けるはずなのに1000ぐらいでも「埋め立てですか?」とか出ます。
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「ああ、それは大陸型の診断ですね」
「大陸型?」
「心理学の世界の2大勢力って大陸型と英米型なんですよ。なのでこの場合の大陸ってのはヨーロッパ大陸のことです。
その中の特にドイツですね。精神はこういう構造をしていて、こういう働きが無意識下で働くから、現れとして
こういう夢を見る、みたいなことを言うんです。まあ、フロイトが言い出したことですよね」
「フロイト! 私も大学の時一般教養で習った! 結構面白いと思った」
「ああ、そうですか…残念ながら、夢を直接判断基準にするやり方は、のちにフロイト自身が否定しています。
フロイトは夢の代わりに"自由連想法"というのを考えてますね。とにかく思い浮かぶことをどんどん話させて、
その人が無意識のうちに何を避けているかを見極めるという方法です」
「へえ…そうなんだ…夢診断とか面白いと思ったのに」
「フロイトの弟子のユングはやってますよ。ただ、夢が直接的になんだったかと言うよりは、
その夢を見たことによって起きた直後に何を感じたか、そっちの方を主に見てますけどね」
「なるほど…」
「いずれにせよ、心の中の何がどう動いたからこういう症状があって、こういう働きかけによって
それがどう動いたから症状がこうなった、みたいな『心の構造』を明らかにしようというのが
大陸型の特徴ですね」
「そうなんだ…じゃあ英米型というのはどうなの?」
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続きます。 続きです。
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「あっさりしてます。心の構造なんて、正しいのか間違ってるのか、検証しようがないじゃないですか。
だから英米ではチェックリストみたいなものを作って『この患者はこれとこれとこれの症状が出てる、
だから何とか病です。この病気にはこういう働きかけが有効であることが多いんでそれをやってみましょう。
改善しました、完了』こんな感じなんです」
「なんか…味気ないのね」
「すごく味気ないですよ。でも、症状の消失は英米型アプローチの方が早かったりするんですよね」
「それで、統計の出番は?」
「そういう英米型の研究者や臨床家が集まって、どういう症状がある人に、どういう働きかけをしたら、
その結果がこう、というのをとにかく数集めるんです。そうしていくと、こういう傾向の症例には
こういう働きかけをしたらいい、というのが、メカニズムはともかくとして集まってくるんです。
統計というのはそこで使いますね」
「ああ…なるほど、言ってみればブラックボックスの中身はわからないからインプットをたくさんやって、
アウトプットをたくさん集めて、そのブラックボックスはこういう動きをすることが多い、ということなのね」
「まさにそういうことです。特定の傾向が出がちなクライアントに対して特定の働きかけが特に有効、となると
そこで『何とか療法』という名前がつく感じですね。…あ、すみません、ご飯ととろろもう1杯下さい」
「なるほど、心理学ってそういう学問なのね」
「正確に言うと英米型では働きかけによって出がちな脳内物質の種類とかまで考えますが、おおよそそんな感じです」
「日本は英米型なの?」
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続きます。 続きです。
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「う〜ん、半々ぐらいですかねえ。心の構造を把握するって、独特のロマンがあるじゃないですか。
だから日本では人気があるんですよ。大陸型の研究で有名な研究家も結構いますしね。
でも自分は勉強してみて英米型の方が面白いと思いました。心の奥底まで自分を知りたいと思うのならば、
座禅の方がよほど洗練されていると思います。だから自分は英米型でいいかなと。
統計学も役立ちましたし」
「そうよね。勉強したことが役に立つのは幸せなことよね。…ねえ、もうひとつ訊いていい?」
「なんですか?」
「その統計のことについて、なんで私に言おうと思ったの?」
ここで今村君は一瞬時間をおいて、ちょっと照れくさそうな表情を見せた。
「ああ…え〜と、総務の橘さんいるじゃないですか」
「タチバナさん? そんな人いたかしら? フルネームわかる?」
「橘和香子さんです」
「ああ、なんだ、ワコちゃんのこと?」
「はい。係長も"ワコちゃん"って言うんですね。自分もそうしますけど、割と仲いいんですよ」
「へぇ〜」
「係長もドリンクボトル用意してますけど、自分もデスクに置いてるんです」
「そうよね。今村君ってモニタにのめり込むように仕事してるけど、ふっと息を抜くときに
背もたれに寄りかかって同時に左手がドリンクボトルに伸びるっていう感じよね」
「目立ちます?」
「悪いことだと言ってるわけじゃないけど、独特の行動だなと思って普段から見てるわ」
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続きます。 続きです。
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「そうかな〜自分ではそんなに頻繁にやってるつもりないんですけどね。で、ドリンクボトルが
空にならないように給湯室によく行ってたらなんか給湯室クイーンのワコちゃんと仲良くなっちゃって」
「へぇ〜」
「ワコちゃんって、総務の一番下やってますけど、本来デザインしたくてうちの会社来たらしいんですよ。
それで統計的分析をちょっと見せて、デザインする立場から見て役立つデータかどうか訊いたら
『使えるね』って反応が返ってきたんで」」
「なるほど、一応デザイン関係のわかりそうな彼女に訊いたのね。ところであの子なんで
総務になっちゃったの?」
「まあ順番に話しますと、高校生のころはワコちゃんって美術系高校で西洋画の勉強してたらしいんです。
でも西洋画じゃ食えないと思ったんで卒業後は服飾専門学校に行ったらしいんですね」
「ふんふん」
「あ、余談ですけど、ワコちゃんて専門時代は結構尖ってたんですよ。高校時代は
セミロングぐらいにしてた髪を専門入学と同時に切って、尻尾付きのボブみたいな
髪にしてたんです。高校時代伸ばしたのはそのためだとか」
「…変わった髪型ね?」
「しかも、緑と青でメッシュ入れてたんですよ。さらにさらに左の小鼻と左の耳に
金の輪っかのピアスをして、そのふたつの輪に通す形で金色の鎖の輪を入れてたんです」
「…芸術系の人にしかできない出で立ちね。なんだか今からは想像できない…」
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今日はここまでで。文字数制限がどんどんタイトになってるので連投することにします。 今週もよろしくお願いします。
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「それで、2年目になったときに求人票を見てる先輩たちが『どの求人も経験者募集だよ。
俺たちいつ経験者になれるの?』なんて言ってるのを偶然見て、
とりあえず1作は経験しなきゃダメだって思ったらしいんです」
「なるほど、芸術系には確かにそういう面があるわね。私は美大だから
実務経験がないのは大目に見てもらえたけど
専門だったら大卒と同列には扱ってもらえなさそう」
「そこでワコちゃんが出した答えは『自分のデザインを世に出す』だったんです。
そこでピアス外して、髪も普通に戻して、
ラーメン屋にアポなし突撃をする、だったそうで」
「なるほど、ラーメン屋さんって店のオフィシャルTシャツ着てる店員さん多いものね」
「あっちで断られ、こっちで断られってやってる中で、1軒だけ『うちでのバイトが
半年続いたら』って条件でOKくれた店があって、平日昼はまあ学校があるとして、
夜と土日にバイトすることになったんです。いわゆる二郎系で」
「二郎系! よく聞くわよね。女の子と遊べる系の店とはまた違った意味で男のロマンだって聞くけど」
「実際、二郎系に通ってるやつなんてほとんど男ですしね。ラーメン作ってる人は
そっちにほとんど専念なんで、無料トッピングの野菜を茹でたり、食べ終わった人が出て行くと
カウンター拭いたり、並んでる人の列を把握したり、順番にオーダー並べて作ってる人に通したり、
有料トッピングを用意したり、結構忙しいらしいですよ」
「あの小柄なワコちゃんがねえ…そんなにパワフルなのね」
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続きます。 続きです。
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「で、ワコちゃんは本当にそれを半年間頑張ったんですよ。そこで店長から正式に
OK貰ったらしいんですけど、これはこれでまた難しかったって言ってましたね」
「難しいの?」
「個性は出さなきゃいけないけど、制作費を考えたらあんまりカラフルにもできない、
淡い色にしたらスープのシミが目立つ、制約のある中でどうやってアピールしていくか…
専門学校の授業とは全然違ったらしいです」
「そこでまた頑張ったのね?」
「らしいです。で、何とか作り上げて、今でもその店のオフィシャルTシャツとして店で
買うこともできるんですよ」
「見事実績を作ったわけね」
「運がいいのはですね、その店"明日へ駆けろ"っていうちょっと変わった名前なんですけど、
暖簾分け制で店を増やしてるんです。店を増やすのも"何号店"とか地名で"どこどこ店"とか
じゃなくて、よさげな言葉が足されていくんですよ。ワコちゃんがTシャツ作ってからだけでも
もう2店舗増えてるんですけど"明日へ駆けろ 空へ"と"明日へ駆けろ 未来"で機械的に
番号が振られるわけじゃないので、店舗が増えるたびにワコちゃんのところに話が来るらしいですよ」
「運がいい子なのね」
「運がいいというか、運をつかみ取るパワーがあるなと思います」
「でも、ちょっといい? そんな話をいつの間に聞き出したの?」
ここで今村君は、さっきよりもより一層照れくさそうな表情を浮かべて続けた。
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続きます。 続きです。
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「あー、休憩がてら給湯室でしゃべってたら、美術展に行くのが好きってところが
一致したんです。自分、絵心皆無ですけど見るのは好きで。
ちょうど時期でもあるしってことで、日本最大の美術展に一緒に行ったんですよ。
うちの車で」
「へぇぇ〜」
「車の中で面白かったんですけど、ワコちゃん、自分のこと同期だと
思ってたらしいんです。入社式の時、全体の話が終わって、次は部署別の
オリエンテーションだったじゃないですか。ワコちゃん、
ちょっとトイレ行ったら場所がわからなくなって。で、たまたま自分がそばにいたんで
場所聞いて部屋に戻ったんですけど、それ以来同期だと思ってたらしくて」
「そうよね。あの時はデザイン課がそれぞれ仕事抱えてて、今村君に行ってもらったわね。
本来ならもっと上の人が行くべきだったんでしょうけど」
「あの時、自分しか手が空いてなかったんで自分がやったじゃないですか。
結構上の人がやるべきことを自分がやった、って形になりましたよね。
年齢的に上司だとは思わなかったらしいですよ」
「そうか〜混乱の元になったのね」
「自分も同期と思われてるんじゃないかなって気はしたんですけど、
俺先輩だぞって言うっていうのもマウント取ってるみたいで言いたくないじゃないですか。
だからあだ名で呼び合う仲がずっと続いてたんです」
「今村君は"ワコちゃん"よね? ワコちゃんにはなんて呼ばれてるの?」
「自分は"イマムー"です」
「よく放っておいたわね?」
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続きます。 続きです。
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「いいんですよ。わかればそれで。先輩に対してあだ名呼びじゃダメだって
正す必要があるのであれば総務の偉い人が指摘してくれると思いますし」
「そもそも、総務部にいるのも不思議ではあると思うけど…」
「ああ、その件でしたら、やっぱりワコちゃんの突撃ですよ。
いろんなメーカーに電話をかけて『入社試験だけでも受けさせて下さい!』っていうことで、
ワコちゃんに試験を受けさせて、自分の作品を手に熱意を語るワコちゃんを
採用したのがうちってことです」
「じゃあやっぱり元々は、服飾のデザインがやりたくてそっち方向に突撃しまくったのね?」
「度胸ありますよね。入社式の時に個人的に人事部長に呼び止められて『私の力でも総務の一番下に
席を設けるのが精一杯だった。だから、デザインする立場は、その持ち前のガッツで
つかみ取ってくれるかな。期待してるよ』って言われたらしいですよ」
「…うちの人事部長もなかなかやるわね」
「美術展に行く道すがら、車の中でそんな話をしたんですけど、実は同期じゃなかったってわかったときが
一番面白かったですね。めっちゃ恐縮しちゃって」
「それで、美術展の方はどうなの?」
「ああ、ワコちゃんテンション高かったですよ。特に高かったのが漆器のコーナーでした」
「漆器って、漆塗りのあれよね? ワコちゃんって漆器が好きなの?」
「らしいです。そもそも、和香子っていう名前も、日本の香りが好きな両親がつけた名前で、
見事本人も名前のとおりの人に成長したというわけです。お相撲さんの鬢付け油の匂いを
かぐためだけに年に1回ぐらい相撲も見に行くらしいですよ」
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続きます。 続きです。
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「そういう謂われがあったのね。で、漆器のコーナーが楽しかったと」
「漆の匂いが好きらしいです。美術品であり、日用品であり、香りもいいというのが
たまらなくいいらしいです。なんかワコちゃんが言うには、漆の木に傷をつける
専用の刃物を作れる人がもう日本にはひとりしかいなくて、亡くなっちゃったら
どうしようと思う、みたいなことを言ってましたね」
「それでその日は? 美術展で1日終わっちゃった?」
「それがですね。結構じっくり見ちゃったんで、朝1に行ったのに出てきたのが
4時前ってすごい中途半端だったんです。それからどこへ行っても休日だから
人いるし、山の中走って色づいた山並みでも見ようか、ってことになって
ちょっとドライブしました」
「それでお開きになったと」
「いや、それがそのドライブも調子乗りすぎて帰ってきたら9時ぐらいに
なっちゃってたんです。これから帰って晩飯用意して、ってめんどくさいし
夜もどこかで食べて帰ろうか、って言ったらワコちゃん『ラーメン食べたい!』
って言い出して」
「もしかして自分のTシャツを今村君に見せたかったとか?」
「要はそういうことです。昼は自分が出したんで『夜は私が奢る』って
言って出してくれましたよ」
「ねえ、これ訊いていいのかどうかわからないけど、二郎系ラーメンって
ファン多いけどどこがどういいの?」
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とりあえず今回はここまでで。これがいつまで続くかわからなくなってますが、
次は「シャララ隊長、ベリィベリーに最後の教え」にしようと思ってます。 こんばんは。今日もよろしくお願いします。
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「う〜ん、いろいろありますけどとりあえず間違いなく満腹できるというのはありますね。
写真撮ってありますけど」
「え〜、見せて見せて」
今村君はスマホで取った写真を私に見せてくれた。正直度肝を抜かれちゃった。
写真だけでもわかる存在感。
「これがワコちゃんの食べたラーメンで、こっちが自分ですね」
写真だけで私は一杯一杯になりそう。
「こんなのをふたりとも平らげるの?」
「ええ、食べますよ」
「ワコちゃんも?」
「はい」
「ワコちゃんって、小柄よね?」
「そうですね」
「細身よね?」
「ですねえ」
「それでこの量食べるの?」
「なんなら自分より先に食べ終わってましたよ」
「一般的なラーメンと量的にどれぐらい違うの?」
「う〜ん、400グラムですから麺の量だけで言うとざっとしたところ3倍ぐらいってところですね」
「で、このもやしが乗っかるわけね…信じられない…いや、今村君ならギリギリだけどまだ
理解の範囲内なのよ?だけど小柄で華奢なワコちゃんの体のどこにこれだけの量のラーメンが入るの?」
「それが、結構いるんですよ。ワコちゃんも、ワコちゃんとそう変わらない体格の女の子が、
麺1100グラム、豚約1キロ、野菜がこれの4倍ぐらいで、背脂がこれの6倍ぐらいのラーメンを
平らげたところを見たことがあるらしいです」
「ウップ…」
「係長はしない方がいいですよ!」
「するしない以前に、できないと思うし、挑もうという気もないわ」
そう言っている間に、今村君はスマホを片付けた。
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続きます。 続きです
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「でもこういうところで食事でもいいって言ってくれる女の子って気楽でいいなと思いました。
言ってくれるというか率先して食べたいって言ってたわけですからね。店長さんも喜んでたし、
なんか常連さんの間でワコちゃんってアイドル的存在みたいで。ワコちゃん、
自分のこと『会社の先輩』と紹介してましたけどなんか羨ましがられました」
ふうん、でもいいじゃない?
ワコちゃんについて語る今村君は楽しそう。
知性と分析の今村君。
感性と情熱のワコちゃん。
これだけだったら正反対なだけだけど、美術鑑賞と食というすごく基本的なところで共通点がある。
人生の先輩として、影ながらさりげなく応援しちゃおう。
「今村君」
「なんですか?」
「今日の今村君って、なんかすごくいいわよ!」
私はサムアップのポーズを取った。
「ありがとうございます!」
「じゃあ、そろそろ行きましょうか。大丈夫? まだ食べ足りない?」
「いや、自分は今日はこれだけで結構です」
「行きましょう」
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続きます。 続きです。
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私は約束どおりふたり分の会計をして会社に戻った。
これから今村君とワコちゃんをどうやってくっつけるかを考えながら。
たぶん、今村君は心のどこかで「きれいなお姉さん」の夢を諦めていないし、ワコちゃんは今は恋愛より仕事だと思う。
つまりふたりはかなり親密になりつつも、お互いに恋愛という矢印を向け合っていない状態。
この状態から、ふたりの背中をさりげな〜く押すわけね。
こんな楽しい事態を放っておくわけにはいかない。
考え方がおばさんっぽいかしら?
いいのよ。だって私はおばさんだもの。
〜〜〜〜〜
「黄瀬君、ちょっといいかな?」
「はい、なんでしょう、課長」
「会議っていうほどではないんだが、ちょっと話をしたいことがあってね」
というわけで、私とデザイン2係の係長である島村さんと、あとなぜか今村君が会議室に招集された。
通された小会議室にはなぜか情報システム部の伊藤さんが来ていた。
「というわけで、ちょっと集まってもらったのは他でもない。先日今村君が作ってくれた
統計データのことなんだが」
ちょっとびっくりした。一応知らせておこうと思って、今村君がこんなものを作りましたと
課長に話したのは私だから。
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書きだめてた分がやっとはけてきましたのでこれからちょっとスローダウンします。
なんか最近ネットに上げる文章を書く作業が多くて…。
よろしくお願いいたします。
次にする予定のシャララ隊長とベリベリちゃんの話、結構悪ノリして書いてまして
それはそれでまた早く出したいんですよね。 遅くなりました〜。
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「重役会議の場で、このことが話題になったようでね。
今後はデータを積極的に活用しようという話になったそうだ。
うちは歴史が長い分旧弊な制度が残っている部分も多くて、
データの活用なんてまさに立ち後れてるところだからね。
もしデータをこれから積極的に活用するとして、
あの統計を取ってくれた今村君はどうしたらいいと思う?
まずはそこから話を聞かせてくれないか?」
「はい。まずは何よりも、サンプル数が少なすぎると思います」
「ほう。と言うと?」
「現状、うちの会社でお客さまからのフィードバックというのは
通販サイトでご購入いただいた方からの口コミだけです。
商品に対する反応を測る上で、これではあまりにもサンプル数が足りないという感じです…
すこしこのホワイトボードを使ってもいいでしょうか?」
「どうぞ」
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続きます。 続きです。
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「どの商品もそうなんですが、お客さまからの満足度を100点満点中何点ですかと
評価してもらうとすれば、平均を中心にしたこういう左右対称の山になるはずなんです。
と言いますか、そうならなかったらそういう山にする操作があります。
そして、現状は何か一言物申したいという方が自主的にサイトに口コミを
書いて下さるご意見だけです。日本人はあんまり公共の場で何かに対して
悪い意見を言うというのを憚る国民性があると思います。それを考えますと、
メチャクチャ気に入った! という点数が高い方の裾野の意見が少し、
とんでもなく悪かった!というさらに少ない悪い方の裾野だけが返ってきている
状態だと思うんです。これでは全体像が見えません」
課長と伊藤さんが少し渋い顔をした。
「だから何かこの山の高くなっている部分にいらっしゃるお客さまのご意見も
伺える仕組みが必要だと思うのですが」
今村君はそう提案した。
「具体的にこんなやり方で集められないかな、と思っていることはありますか?」
伊藤さんが今村君に問いかけた。
「例えば、会員制度を作って、ご購入後感想をいただいたらポイント還元みたいな
制度はどうでしょう?」
「う〜ん…」
伊藤さんはあまりいい反応をしていない。
「会員制度を作るとなると、個人情報を保有するということになるので、
情報セキュリティ的にはリスクですね」
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本当になんで?と思うほど文字数制限タイトですね…。 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
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「では、商品にQRコードのタグをつけて、それを読み取ると評価の入力画面になって、
入力するとお客さまのスマホ決済にチャージされる、という仕組みはどうでしょう?
それならばうちの会社で個人情報を保有しなくてもいいと思うんですが」
「う〜ん…」
というわけでしばらくシンとしてしまったんだけど、課長が話し始めた。
「まあまあ、そこは今村君に考えてもらうべきところでもないだろう。情シスの方で
何か工夫して欲しい。とりあえず、そういう体系的なニーズの把握をするとして、
サンプル数の不足以外に何か問題はあるかな?」
「自分がひとりでやるにはちょっと手に余るというところでしょうか。
人数がもう少し欲しいところです」
「自分がひとりでやるにはちょっと手に余るというところでしょうか。
人数がもう少し欲しいところです」
「そこは大丈夫だ。社内のいろんなところに関わることでもあるので、
全社から横断的に人員を集めよう、という方向に話が進んでいるらしい。
今村君としてはどういう人材が欲しい?」
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続きます。 続きです。
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「統計学を修めた、というところまで行かなくても、ある程度数学ができる人でないと
務まらないと思います」
「例えば、高校の時に数学の点数は割と良かった、程度でも大丈夫だろうか?」
「大丈夫…だと思います」
「そういう人を集めて、今村君に統計を教えてもらうことは可能かな?」
「どういう人が来るかにもよるとは思うんですが、なんとか大丈夫だと思います」
「そうか。実はいずれは専門部署になることも視野に入れて人選が始まっているらしい。
人が揃うと、準備ということで今村君には教育を始めてもらいたいんだけど、大丈夫かな?」
「大役ですが、なんとか頑張ります」
ということで話がまとまりかけたんだけど、島村さんが声を上げた。
「待って下さい、課長。少しいいでしょうか」
「どうした? 島村君」
「統計で多くの人に好かれるデザインを作るのはいいと思うのですが、それをあまりに
意識しすぎると、特徴のない、うちの会社でなくてはならないというものがない、
平凡なものになってしまわないでしょうか?」
また会議室が静かになった。私も声を上げることにした。
「私もそれはあると思います。売れることを意識しすぎた無難なデザインに
なってしまうのであれば、私を含めてデザイン担当のモチベーションは
下がるのではないでしょうか?」
「なるほどなあ…」
課長はしばらく指先で机をトントンと叩いていた。
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続きます。 続きです。
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「今村君、その点はどう思う?」
「はい、自分も、両係長と同じ考えです」
「ほう、それは意外だな」
「男女別に顔の平均を取ってみたという実験があります。その結果、男女とも、
ひとことで言えば『インパクトの薄い美形』というような顔に落ち着いたんです。
やはりどこか平均から外れた部分がないと逆に『この顔は美形だな』にならないと
思うんですね。例えばですけど、最近男女問わずファンが多い池田弘美さんという
女優さんがいますが、キリッとしてると美人ですけど、笑うと口が大きいですよね。
そういう特徴がある方が印象に残ると思います。ですので自分が統計で導き出す
『売れ筋のデザイン』はいわばデザイン担当の皆様が打ち破るべき殻だと
思っていただきたいですね」
「なるほど。そういうことだそうだが、両係長はどう思うかな?」
私も島村さんも、そういうことなら、と頷いた。
「伊藤さんは何か?」
「いえ、私からはもうこれ以上今の段階でお話しすることはありません」
「そうか、また情シスの方でいろいろ決めてもらいたい。ところで、今村君には
教育に専念してもらうためいまの島とは別のところに席を設けてそっちに
移ってもらおうと思ってるんだが、そうなると黄瀬君のサポート役が
ひとりいなくなってしまうね? デザイン1係でニーズ分析をする必要はもうなくなるが、
黄瀬君はひとり減った状態で大丈夫だろうか?」
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続きます。 続きです。
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「正直に申し上げますと、デザインのできる人がもうひとり欲しいと思っていますので、
どなたかいただければ」
「そうか…そうなると来年の採用になるかな…」
「あの課長」
「何かな?」
「総務の橘さんを回していただけないでしょうか。彼女は元々デザインを
希望している人だと伺ってます」
「ああ、なんだか人事部長がそんなことを仰っていたな」
「デザインには人並み外れた情熱がある子だと聞いてますので、
どんなものを作るか見てみたいんです」
「じゃあ、正式に総務からデザインに移籍する前に、彼女にはいくつか作品を
作ってもらおうか。黄瀬君がそれをどう評価するか決めてから、いけそうだったら
正式移籍でもいいだろう?」
「はい、お願い致します」
「他に何か言いたい人がいなければ…よし、今日はこれで終わろう!」
課長のその一言でこの話し合いは終わった。
今村君は他の人たちよりも先に立ってドアを開けてそれをずっと押さえていた。
こういうちょっとしたところの気遣いが今村君らしいと思う。
私は今村君にこっそりウィンクを送ったんだけど、今村君は照れくさいような
若干苦々しいような、独特の表情を浮かべていたから、多分私の言いたかったことは
わかってたんじゃないかな。
あ〜、こういうことって楽しいわぁ。
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結構話の転換点まで来たので今回は長めに書き込みました。
そろそろこのあとの展開が読めてきた方もいらっしゃるのでは? 皆様こんにちは。今日もよろしくお願いします。
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「うぅぅぅ…」
昼休み、ワコちゃんが休憩室でスケッチブックを前にして唸っている。
うちの会社は大して大きな会社ではないから、ワコちゃん世代の女子社員は多いわけじゃない。
でもいないわけじゃないからそういう子たちとランチに行ったりはしないのかなという不思議は感じてた。
まあたまにはつきあってるみたいだけど、基本的にあんまりお昼には一緒に行ってないみたい。
前は「なんでかなあ?」なんて思っていたんだけど、今村君と一緒にお昼に行った日以来疑問は消えた。
女の子たちが喜ぶような、おしゃれだけど高くて量が少ない食事じゃワコちゃんは昼ご飯に
大枚をはたくことになる。
男性が喜ぶような安くて量のあるお昼が必要なのよね、ワコちゃんには。
しばらく遠巻きに観察していたら、今村君がお弁当をふたつ持って休憩室に入ってきた。
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続きます。 続きです。
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「買ってきたぞ、弁当。チキングリルと豚生姜焼きだけどどっちが良い?」
「ありがとう。ん〜チキングリルで。もちろんご飯は増しにしてもらったんだよね?」
「それは当然だろ」
「だよねぇ〜。でもなんかそれでも終業時間近づくとお腹減るよね。もうちょっと食べたい」
「さすがにそこまではご飯増してもらえないだろ」
「ふたつ買うっていう手もあるかもしれないけど、そうなったら1000円だもんね。
毎日払うにはちょっともったいない気がするな」
「俺と食う日限定にはなっちゃうけど、金出し合ってみっつ買う?」
「それでも750円…安くはないなあ」
「そうだなあ」
「そうだよね…」
「それじゃこんなのはどうかしら?」
私はこっそり近づいてふたりにいきなり声をかけてみた。
ふたりともちょっとびっくりしていたみたい。
「あ、びっくりさせちゃった? ごめんなさいね。
別に盗み聞きしてたわけじゃないんだけど、なんとなく会話が聞こえてきちゃって…」
「係長…」
ワコちゃんは一瞬びっくりしてたけど、慌ててスケッチブックを閉じた。
「閉じなくても良いわよ、正直、納得のいくものが描けてないのはスケッチブック見なくてもわかるから」
「あ、はい…」
「というわけで、ふたりの目下の悩みはお昼ご飯が少ない問題なわけよね?」
「そういうことなんです…」
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今日はここまでとさせて下さい。本当になんでこんなに文字数制限がタイトなんだろう? 今日もよろしくお願いします。
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ふたりはどちらともなくそう答えて、どちらともなく押し黙ってしまった。
「お弁当を作るっていう選択肢はないの?」
「朝早く起きるのがちょっと…」
と答えたのは今村君。
「ワコちゃんは?」
「私も朝寝坊タイプなんで、メイク時間を朝にキープするのが関の山っていう感じです。
まさかノーメイクで出勤するわけにも行かないし…」
「前の日の晩ご飯をお弁当箱に詰めておいて冷蔵庫に入れて、それを持ってくればいいじゃない?」
「それが…自分の場合はなんだかんだで晩飯も弁当や外食になっちゃうんで
入れるものがないって感じです」
「私も、自炊できないわけじゃないんですけど、仕事して帰ってそこからまた自炊するのには
かなりエネルギーがいるんで、結局出来合いに頼っちゃってるっていう感じなんです…」
「なるほどね〜…」
私は虚空を見つめて考えてる振りをして、わざとらしく腕組みした。
ふたりは私の次の言葉を待っている。
「じゃあ、こういうのはどう?」
ふたりの目は私の意見を待ちかねてる。
「ふたりとも、炊飯器とお米は家にある?」
「自分はありますね」
「私も一応は」
「じゃあ、ふたりともご飯は炊けるのね?」
「はい」
「私も、できます」
「じゃあ、お弁当はお弁当で買って、ふたりで交代でおにぎりを握ってくる!」
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続きます。 続きです。
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ふたりはちょっとポカンとした。
「お弁当じゃ足りないのよね?」
「はい」
「でも、自分でお弁当を作る時間はないのよね?」
「そういうことです」
「おにぎりなら前の晩に握っておいてもいいじゃない?」
「まあそうですね」
「おにぎりの具なら普通にスーパーで買えるじゃない?」
「まあ、買えますけど」
「それ入れるだけじゃない?」
「それはそうですけど…」
「しかも、ふたりで交代なら2日に1回じゃない?」
「それはそうですけど、そういう毎日続ける系のことっていうのが続くかどうか…」
「その瞬間、人生で最も素晴らしい体験を放棄しているかも知れない」
「なんですか? それ」
「アップル創業者の言葉よ。とりあえず、やってみるのよ」
「何だか意識高い系の人が好きそうな言葉ですけど、係長ってそういう系なんですか?」
「別にそういう人にベッタリってわけじゃないけど、何か人をけしかけ…じゃなくて
新しいことに誘うときには使う言葉ね。…ってなんだか話し込んじゃってるんで、
一緒にお弁当食べてもいい?」
「あ、はい、どうぞ。お茶入れてきましょうか?」
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続きます。 続きです。
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「大丈夫。マイボトルがあるから。じゃあ、一緒にお昼しましょう」
「はい」
「実を言うと、見てられなかったのよ。ワコちゃん、創作が上手くいってないんでしょう?」
「あ、はい…なんだかいいものが全然浮かんでこなくて」
「だからお弁当の手配まで今村君に協力してもらってるのよね?」
「そうなんです、少しでもスケッチブックを目の前にしていたいんで、
イマムー…らさんにお願いして…」
「知ってるわよ、ワコちゃんが苦しんでるの。スケッチブックを目の前にして
ウンウン唸ってるわよね、このところずっと。女の子同士のランチも断って、
その時間をスケッチブックに向かって…。あと、昼休みは仕事中じゃないから
別にあだ名で呼び合ってもいいと私は思うわよ」
「じゃあ、そうしますけど、本当にイマムーにも協力してもらってるんですよ。でもなかなか…」
「経験から言うけど、そういうときには創作からいったん離れなさい。
ワコちゃんが自分で言ったんじゃない、『眉間に皺を寄せて考えたものでは子供を笑顔にはできない』って。
いまは気分転換が必要だと思うわよ。どう?今村君。心理学担当としては」
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今日はここまでです。相変わらず文字数制限厳しいです。 今週もよろしくお願いします。
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「担当ですか。まぁ、人間起きてるときより寝てるときの方が実は物事考えてるとか言う
説もありますし、ひとつのことで悩んでるときに、そのひとつのことばかり考えても
いい方向には向かわないとも言えるかも知れません」
「そうか〜、よし、イマムー、今度の土曜日ヒマ?」
「え? ああ、今のところ予定はないけど」
「もう1回美術展行こう!」
「え? うん、わかった。空けとくわ」
「それで、もう朝一から閉館まで見尽くすつもりで行こう。そしてその後は飲む!」
「わかった。つきあうよ」
「だから車じゃなくて電車で行こう」
「りょ〜か〜い」
「へえ…ふたりは同じ美術展を2回も見たりするの?」
「私は同じ美術展を10回以上見るなんてざらです」
「自分もダリの展覧会には4回行ったことがありますね。マグリットとエッシャーは2回行きましたし」
「へえ、やっぱりこれまで来た道は違っても同じような行動を取る者同士が通じるのね。
ちなみに何回も見に行くことの意味は? …って、これは今村君に聞いた方が良さそうね」
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続きます。 続きです。
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「えぇ…こんなことに定説も学説もないとは思うんですが、自分の意見を言わせてもらうとするなら、
やっぱり本当に圧倒されるほどすごいものっていうのは、本物に対して自分も本気で向き合わないと、
その価値っていうのはわからない気がするんですよね。美術展に行くと図録っていうのが売られてて
自分も買いますけど、あれも良し悪しで、本物を見た人がその感動を思い出すよすがにはなっても、
本物を見たことがない人にあれを見せちゃうと『情報』は伝わっても『感動』は伝わらないと思うんです。
そして得てして『情報』を先に知っちゃった人は感動するほど素晴らしい本物を見ても
『あ、これ知ってる』で終わっちゃうんですよね。だから自分は『これはすごい』と思ったら
何回か見に行きますね。ダリの展覧会では『キリスト教万国公会議』っていう巨大な絵が出てて、
それ見たさに4回行きました。一番長いときで30分ぐらいその絵の前に立ってたと思います」
「そしてマグリットにエッシャー…割と普通の絵じゃないものが好きね?」
「そうですね…異世界感が好きというか。でもそれだけじゃないんですよ。普通の絵も結構見てます」
「ワコちゃん的には何回か見に行く基準とかあるの?」
「う〜ん、私は頭悪いからなんとも言えないんですけど、イマムーが言った『感動』ですよね。
これはずっと見ていたい、一生見ていたい、なんならこの作品になりたい!とかそこまで考えちゃいます」
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続きます。 続きです。
-----
「…あ、私も思い出した…。大学に行ってるころ、京都のお寺の仏像に完全に惚れ込んじゃって、
お寺に『写真を撮らせて下さい』って頼み込んだけど『写真では真の価値は伝わらない。
本当に見たいなら通いなさい』ってお寺の人に言われて、ほぼ毎週末夜行バスで通ってた人がいた。
それも何年単位でよ。卒業制作には本物とほとんど見分けがつかないレプリカを出してた。
そうか、そういう感覚なのね…なんだ、ふたりってもしかしたら私より才能あるかもしれないわね」
「いや、自分は制作する方は全然で」
「私はいま絶賛スランプ中です」
「まあそう言わずに。とりあえずいまは気分転換! 週末には思い切り見たいものを見てきて」
「はい、行ってきます!」
「あ、これは伝わってないかも知れないから言っておくけど、新しい作品だけじゃなくて
デザインしたTシャツも見せて。できれば現物で」
「わかりました。用意しておきます」
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書き溜めてた分が今日ではけました。これからは書き進めつつこちらに投稿していくことになります。
ストーリーはもう最後までできてます。 不良チンポどもに保健室で輪姦生ハメ中出しされるJKだが、そこで調教放置されている保健医と百合プレイから双頭ディルドでマンコとアナル攻めwwwww
http://blog.livedoor.jp/douxnavi/archives/45776727.html 今日はずいぶん早めに投稿します。区切りが悪いですが前回の続きです。
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「じゃあ、私はごちそうさま。ふたりはゆっくり食べててね」
「お疲れ様でーす」
こう言って休憩室を後にしたんだけど、そうか、美術展を堪能したあとは飲みに行くのね。
これはいじり甲斐がある状況だわ。
〜〜〜〜〜
というわけで待ちに待った月曜日。多分今日もふたりは一緒にお昼を取るでしょうから、
休憩室に行きましょう。
…案の定、ふたりは一緒にいて、ワコちゃんはスケッチブックを前にして片手間で食事をしていた。
「ワコちゃん、相変わらずね。美術展はどうだった?」
私はそうふたりに話しかけた。
「係長、気にかけてくれたんですね。ありがとうございます。一日中見てました」
「そう。それでどう? 何か糸口は見つかりそう?」
「糸口は…まだなんとも言えないんですけど、イマムーは頭いいからああなるほど
美術品はそういう風に見るんだっていうのはありました」
「今村君が美術品の味方を教えてあげたのね?」
「まあ、教えるって言ったら偉そうですけど、自分はこういう風に見るんだっていうような話はしました」
「へえ、どんな見方をするのかちょっと興味はあるけれど、とんでもなく長い話になりそうだから、
また今度機会があったら教えてもらうわね。ワコちゃんはどう感じたの?」
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続きます。 続きです。
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「なんか恥ずかしい話なんですけど、私Tシャツを作ったときに、前側と後ろ側のデザインを別々に考えてて、
それでどうしても面白いデザインができなかったんです。だから店長にお願いして、毎日店に行って、
店長がラーメン作ってるところを観察してたんです。それで店長をじーっと見てて気付いたんですけど、
Tシャツって前側と後ろ側を縫い付けて作りますよね。つまり平面で考えてたことに気付いたんです。
でも、人が着るとそれはもう立体じゃないですか。こんな基本中の基本のことを忘れてたんですよ。
服のデザインってトルソーでやるものですから、立体だってことをなぜかすっかり忘れてたんですよね。
ここに気付いただけでも行ってよかったと思います」
「なるほど。難しいことを考えて、気がついたら基本を忘れるってよくあることよね。
で、その後は飲みに行ったんでしょう? そこではどんな話をしたの?」
そう問いかけたら、ワコちゃんと今村君が少し視線を交わした。
そして今村君が話し出す。
「最初は美術品についてあれこれ話していたんですけど…ね?」
「そうなんです。美術品の見方について話をしていたはずなんですけど、そこはふたりとも覚えてないんです」
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今日はここまでにします。今後ワコちゃんとイマムーの関係性をきっかけにちはるさんにも心境の変化があります。 皆様こんばんは。
風邪を引いてしまい喉が大変痛いです。
生存確認のため最低限だけアップします。
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「で、気がついたら…なぜか議題が『どうして我々は異性にモテないのだろう?』っていう話になってました」
「そうそう。ふたりに共通するのは、お年寄りにはモテるんですよ。私はよくおじいちゃんから
『俺が若ければほっとかないねえ』なんて言われますし、イマムーはおばあさんから『まあ男前さんね』なんて
言われることが多々あるんですよ。なんで釣り合う年齢の異性にモテないのかなあって」
来た。ここが切り込みどころね。
私はわざと不思議そうな顔を作って言った。
「え? 何? ふたりはデートしているつもりじゃなかったの?」
ふたりとも、キョトン。
「デートですか? いや、全くそんなつもりじゃ…」
「だって、美術展を見に行って、その後食事に行ってお酒も入ってって、客観的に見るとどう見てもデートよ?」
「あ、いや、その、なんて言うか…」
ふたりとも、そう言われて初めて自分たちがやってることがデートそのものだってことに気がついたみたい。
お互いに目を合わせるのを、今さらながら遠慮しがちになってる。
よし! お互いに意識させるのには成功!
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そろそろちはるさんを目覚めさせようと思ってます。 今週もあまり長くない回になります…。
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「変なこと言っちゃったかしらね。話題変えましょうか。ふたりはおにぎり作ってくることにしたみたいね。
今日のおにぎりは今村君作かしら?」
「あ、はい、今日は自分の番ってことで」
「ずいぶん大きなおにぎりね?」
「自分、子供のころ剣道やってたせいかもしれませんが、手が大きくて小さいおにぎりが握れないんです。
だからどうしてもこのサイズになっちゃいますね」
「そして全面海苔で巻いて、その上からアルミホイルで包んできたの?」
「そうなんです。子供のころから弁当って言うとこういうスタイルだったんです。うちの母。
コンビニおにぎりって海苔がパリッととか言ってますけど、自分は湯気で適度に湿った海苔が好きなんです。
磯の香りがしますよね。アルミホイルで包むのもそのためにやってることです」
「私は逆に手が小さいから大きいおにぎりが握れないんです。だから私のときには小さめを4つというのが
なんだかお決まりになっちゃって」
「手の大きさ、そんなに違うの?」
「はい、見て下さい。これだけ違うんですよ」
ふたりは何の気なしに掌を合わせている。
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話としてはもう最後までできているのですが、文章はこれから書いていきます。
しかし文字数制限がタイトだ…。 どうもこんばんは。今日もよろしくお願いいたします。
-----
「ワコちゃんって、小柄だけど掌もずいぶん小さいのね。祇園の舞妓さんなんかは手が小さいのが可愛いって
昔から相場は決まっていたものだから、昔の置屋さんなんかでは必死に手の小さい娘を探したみたいよ」
「そうなんですか」
「なんかそういう風な風習があったみたいね。もちろん私は舞妓さんと遊んだことなんかないけれど」
掌を合わせる…言い換えれば、お互いの体を直接触る。
これも心理的に近しい人同士でしかやらないことでしょうけど、それを言うことはやめておいた。
焦ることはないものね。今日はこの程度でやめておきましょう。
本人たちが思っているより、ふたりの心理的距離は近いし、それを自覚させることも多分できたから。
こうやってじわじわとふたりの距離を詰めていくのが楽しいのよね。
うん、第一歩は上手く行った。こういうのって、やっぱり楽しい。
あとは当たり障りのない範囲で会話しながら、お昼を終えて仕事に戻った。
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続きはぼちぼち書いていきます。
そろそろ皆様お待ちかねの出来事が起こってくる感じです。
よろしくお願いいたします。
しかし文字数制限が…。 ご協力願います!
ハードなレズプレイ向けの双頭ディルドでお勧めがあったら教えて下さい。 遅くなりましたー!
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正式な辞令はまだ出ていないけれど、もうほぼ決まったこととして課長が内々に教えてくれた。
デザイン課内に、ニーズ分析係を設置。
マーケティング課の主任が異動してきて、係長に就任。
私のいるデザイン第1係から今村君が抜けてニーズ分析係主任に就任。
社内各所から5人の数学が得意な人材を集めてニーズ分析係員に。
あとは不確定要素はデザイン第1係の新人がワコちゃんになるのか次の採用での新人になるのか、
そこのところなんだけど。
相変わらず、ワコちゃんは昼休憩のときにも休憩室でスケッチブックを前にして、
今村君が彼女を手伝っているというか、励ましているというか…。
でも、以前とは少し違っているところがひとつある。
たまたま同時におにぎりの入った容器に手を伸ばしたとき、手が触れ合ってしまった瞬間があった。
その瞬間ちょっと目を合わせて、ちょっと気まずくなっている。
ベタだけど、それだけに初々しさが良く伝わってくる。
可愛い。
じれったいからもっと背中を押してあげたいけど、最近そういうことをしすぎると
「猫屋敷さん」って言われてしまうらしいからまぁ自重。
どういう意味なんだろう?「猫屋敷さん」。
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そろそろお楽しみの時間がやってまいります! 大変遅くなった上に、諸事情により今日はちょっと短いです。申し訳ありません。
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…私と勇一も、あんな感じだったのかな。
楽しかったわよね、勇一。
あなたが遺してくれた大事な宝物のやよいももう14歳になったわよ。
あなたが心配していた、ちょっと内気なところも、いいお友達ができたことでだいぶ変わったわよ。
転校してきたみゆきちゃん…。
自然に、私の意識の中には育代さんの、専業主婦特有の優しくて、それでいて自信満々の笑顔が浮かんでくる。
そう、育代さんから宿題を出されていたのよね。
女だからできる「イキっぱなし」に挑んでみないか、って。
うん、やっぱりそんな夢みたいな話があるのならば、経験してみたい。
相手が女性だし…ちょっと見逃してね、勇一。
考えただけで悦しみを求めて下腹部がチリチリと疼き出す。
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次回はちょっと長めにしようと思います。 すみません、言うほど長くなりませんでした。
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何とかして、有休を1日取って…。
育代さんに連絡しなくちゃ。
帰宅の途中でいいかな。
帰り道、私はスマホを手に取って育代さんに電話をかけてみようと思ったんだけど…。
いざ手に取ると「本当にそれでいいの?」っていう声が、自分の心の中で聞こえる。
勇一に対して、やよいに対して、裏切りになってしまわないかしら。
私は歩みを止め、立ち尽くしたまましばらく考えてしまった。
「うちのみゆきがそういう意識を持ってやよいちゃんとお互いに体の触りっこをしていてもいいと思ってるわ」
かつて育代さんが口にした、あまりにも肝の据わった言葉が頭の中に蘇ってくる。
中学2年生なんだもの、天真爛漫なように見えるうちのやよいも、それなりに性知識はある。
学校で性教育も受けているでしょうし。
人間誰しも性欲を持っていて、自分の両親も当然のように持っていて、だから自分が生きている。
この世に生きている、また生きていた全ての人が、いつの間にか学んでいること。
そうよね、やよいもいくらかは私の性欲を受け入れていると思う。
そうよ、それを言い出したらなおちゃんなんかどうなるのよ。
でも勇一…。
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実生活での仕事がいま滅茶苦茶忙しいです。寝てない…。 半端ですが、文字数制限にかかってしまった分を書いておきます。
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ごめんなさい勇一、私もやっぱり、ムラムラするときにはしちゃうの。
私が知っている「男性」はあなただけだから許して!
───その瞬間、人生で最も素晴らしい体験を放棄しているかも知れない───
自分が口にした言葉が、私に返ってきた。
え〜い、いっちゃえ!
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ではまた来週。 すみません、仕事が多忙でして今週はお休みをください 2週間ぶりのご無沙汰です。
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私は育代さんの電話を呼び出した。
「もしもし、ちはるさん?」
いづ聞いてもウルトラハッピーな声のトーンで電話に出て来るなあ。
さすがはゴッドマザー・オブ・ウルトラハッピーというか。
「育代さん、今少しお話しして大丈夫?」
「ええいいわよ。いま煮込み料理の仕上がりを待ってるところだから」
「良かった…あのね?」
「ふふん…なんか含みのあるお話になりそうね?」
「わかる? なんでわかるの?」
「なんでかしらね。でも、ちはるさんだって普通じゃない話をしようとしている自覚はあるんじゃない?」
「育代さんには勝てないなあ…」
「それでそれで? 多分楽しいお話よね?」
まったく、なんでこうなんでもお見通しかなあ?
「あの…以前、育代さんの家でシたときに…」
「うん…」
「伝説のAV女優の話になったじゃない?」
「うん…」
「あの、2時間イキっぱなしだったとかいう…」
「うん…」
「それを経験してみたいなあって…」
「キャハハッ!」
「おかしい?」
「ごめんなさい、変だから笑ったわけじゃないの。正直になれば人間誰しも抗えないものだから、
ちはるさんも絶対そのうち何か言ってくるだろうなあって、…待ってた」
「…待たれちゃってたか…」
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続きます。 続きです。
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「それで? 具体的な計画はどうする?」
「うん、やっぱり私が1日有休を取るのがいいのかなあと…」
「そうね、それが一番間違いないわね」
「でも、そこから先が思い浮かばない…」
「じゃあ、私からの提案。待ち合わせ場所は駅前にしましょう」
「駅ね。わかった」
「それで、帽子とサングラスとマスクっていう姿で来て」
「え? なんか怪しいニオイプンプンじゃない?」
「怪しいことしに行くんだから当然でしょ? 私もその3点セットは身につけていくから」
「そうね、わかった。お互いにすごく見つけやすいでしょうね」
「それで、電車で隣町まで行きましょう」
「隣町まで? 近場で簡単に済ませられないの?」
「うん…そういうすごい高みを目指すんなら、やっぱり道具がいると思うのよ」
「道具?」
「ちはるさん、キャップ付きのペンって使ったことある?」
「そりゃもちろん、それぐらいは…」
「私もちはるさんも、キャップでしょ?」
「…そういうことか…」
「そう。キャップとキャップを上手く使うには、両方がペン先のペンがどうしても必要」
…何気なく口にしてるけど、それって…あの…双頭ディルドってやつよね…
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続きます。 続きです。
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「だからそれを買った上でホテルに行きましょう。どこにそういうものを扱うお店があって、
そこから足回りのいいホテルはどこなのか、そこは私が調べておくから。
そういうお店で、素顔晒して買い物はしたくないでしょ? だからフル装備なのよ」
「うん、わかった」
「じゃあそうなると、ちはるさんがいつ有休を取れるかの問題だけよね。
決まったら連絡して」
「うん、わかった」
「ちはるさん?」
「なに?」
「そうしょっちゅうできることじゃないんだから、絶対に思いっきり楽しみましょうね」
「うん!」
気がつけばずいぶん私も弾んだ声を出しちゃった。
「じゃあ、今日はこれで」
そう言って電話を切ったけど、なんか…もう既になんかヤバい。
男性ならばもう妄想だけでギンギンってところなんだと思う。
いまここで確認はしないけど、いまパンツを確認したら下からツンと突き上げてるかも知れない。
もうあとには引き返せない。
やるしかない!
その日は努めてやよいと普通に接したつもりだけど、なんか普通じゃないことを見抜かれないか
すごく不安だった。
それからやっぱり、夜がなかなか寝付けなかった…。
-----
続きます。 すみません、多分文字数制限に引っかかるだろうと思ったから「続きます」にしましたが
今日はここまでです。ごめんなさい。
どうも文字数制限の法則がよくわからない…。 何度もすみません、文字数制限のことなんですが、
「いっぱい書きすぎよ」と出るときと「埋め立てですか?」と出るときがあります。
もしかしたらスレ落ちになるかもしれません。
そしてこのスレももう200ぐらいしか書けません。
いないと思いますが、私の駄文を読みたい方、いらしたら次スレお願いします。
次はシャララ隊長×ベリベリちゃん予定してます。
少なくとも、育代さん×ちはるさんよりは短くなる予定です。 文字数制限のことは、わからないけど毎回読んでるから書き続けて欲しい。毎週楽しみにしてる もし落ちたらあすかスレかトロプリえちスレにでも書けばいいよ 女子生徒との関係を少年に目撃された女教師だが、秘密を条件に性奴隷にされ奉仕すると、更に百合プレイでマンコとアナルをローターで攻められ絶頂wwwww
http://blog.livedoor.jp/douxnavi/archives/45041103.html ご期待に添えずすみません。この週末は予定が立て込みまして…。
今度の土曜日か、もし時間が取れるようならば週の半ばでも書きたいと思います。
よろしくお願いいたします。 皆様、おはようございます。クライマックスに入ります。
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「あ、育代さん、黄瀬です」
「あ、ちはるさん。お久しぶりね」
「あの…今度の金曜日に、有休取れました」
「そう…じゃあ、…あれね」
「うん…私はやよいと一緒に朝出る体で出かけて、一旦戻って準備してまた駅まで行くから…
余裕を見て朝10時ごろに駅前で待ち合わせってことでいい?」
「わかったわ。じゃあ、金曜の10時に」
「うん、じゃあ、お願いね」
「ちはるさん?」
「なに?」
「実は私たち、すごいコトしようとしてるのよね」
「そうね」
「やるからには、楽しみましょうね!」
「うん!」
そう言って電話を終えたんだけど、なんかもう自分の中で高まっちゃってるものがあって…
もうそれだけでジワッと濡れてきているのが自分でもわかる。
…そして今日は金曜日。狂乱の金曜日…。
「やよい、そろそろ出ましょう」
「うん、ママ、ちょっと待って!」
「行くわよ〜」
-----
続きます。 続きです。
-----
そう言ってやよいと一緒に出かける。いつもと一緒。
やよいはいつもこの間は仲良しグループの話をいろいろと話してくる。
本当に明るくて積極的になったなあ…。
みゆきちゃんのおかげなんだろうな。
あかねちゃん、なおちゃん、れいかちゃん、これまでも仲良しグループではあったけど、
常にポジティブで幸せな方向に針が振り切ってるみゆきちゃんが入ったおかげで、
グループ全体がウルトラハッピーになったのね。
あ、そう言えばみゆきちゃんって漢字で書けば美幸ちゃんなんだっけ。
まさに名は体を表すってやつね。
そして今日、私はゴッドマザー・オブ・ウルトラハッピーと一緒にウルトラハッピーになりに行くのね。
少しだけ良心の痛みも感じつつ、私は普通にやよいを見送ったあと、
家に戻って帽子・サングラス・マスクというスタイルに変装して、もう一回駅に行った。
通勤ラッシュの時間帯を少し過ぎた七色が丘駅の前はだいぶ人通りが少なくなっていて、
帽子・サングラス・マスクなんていういかにも変装してますっていう姿の育代さんを見つけるのは
すごく簡単だった。
「ちはるさん」
育代さんがすぐ近くまで走ってきて小声で私に話しかけた。
-----
続きます。 続きです。
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「育代さん」
「あまり大きな声は出さないようにしましょうね」
「そうね、大きな声で名前を呼び合ったら変装してる意味ないものね」
「とりあえず、隣町まで行きましょう」
そう言って電車に乗ったんだけど、電車の中って実はすごく性的な場所なのね。
育代さんの胸やお尻がものすごくそそってきて…触ってみたくてしょうがない。
痴漢の気持ちが少しわかった気がするわ。
「降りましょう」
育代さんに促されるまま電車を降り、育代さんに先導されて…その手の店に入った。
あれ?以外と普通の本屋さんなのね。
「普通の本屋さんに見えるでしょ?」
「ええ…全く普通の本屋さんね。強いて言えば漫画の比率が少し多いくらい?」
「上に行くほどそっち系の商品が多くなるのよ」
-----
続きます。 続きです。
-----
そう言って、エレベーターじゃなくて階段で上がって1階ずつ見て回った。
2階はちょっと露出多めの水着を着たグラビアアイドルたちの写真集。
3階はその手のDVD。床から天井まで並んだDVD棚が限界まで詰め込まれていてまるで迷路みたい。
そして4階…もう、毒々しいぐらいの、それでいてすごく興味をそそる色で満たされている。
大人のおもちゃに、コスプレ用の制服とか、マイクロ水着とか…。
私たちは双頭ディルドのコーナーに足を止めた。
「結構、いろんな種類があるものなのね」
「リアルなものが多いのね…もうちょっと大人のおもちゃらしくないデザインのものもあるのかと
思ってたんだけど」
そう言って育代さんと話していたんだけど、遠いところから若い子の笑い声が聞こえてきた。
「ねーねー、これなんか良くない?」
「いーねー。これ電動で回転すんの?」
「みたいだよ!なんかすごそうだよね!」
-----
続きます。 今日のラストです。
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大っぴらにこういう店で商品選びをできる関係なんて羨ましい…。
いや、秘め事としてこういう店で買い物できる私の方が幸せなのかしら。
育代さんとヒソヒソ声で商品を物色しながら、私たちはひとつの商品に目を留めた。
「これ、いいんじゃない?U字型だから入れたまま抱き合うこともできるでしょうし…」
「そうね、あまり大きすぎずいいかもしれない…」
大きすぎないことも、双頭ディルド初心者の私にとっては魅力だったけど、
色が…毒々しくて、あり得ないぐらいのどピンクで、そして…とんでもなく卑猥。
こういう店のレジって、手元だけが空いていて、店員さんと顔が合わないようになってるのね。
変装する必要あったかしら?
…まあそれはいいとしましょう。
それからふたりで最寄りのラブホテル街に向かった。
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長い間お付き合いいただきましたが、そろそろ終わりが見えてきました。 申し訳ございませんが今週末もお休みをいただきます。
親の通院の付き添いです。 学校から帰宅して早速オナニーする淫乱JKだが、突然サキュバスが現れ催淫効果の舌でに乳首を舐められ感度が増すと、母乳を搾乳されながらクリ弄りとペニパンで絶頂wwwww
http://blog.livedoor.jp/douxnavi/archives/20807737.html ご無沙汰でした〜。
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「こんな街中にも、ラブホテルなんてあるものなのね?」
「そうでしょ。人間が愛し合いたいと思う瞬間って街を離れてインター近くに行くだけの
心と体の準備ができているタイミングとは限らないもの。街中をちょっと外れただけのところにも
結構こういうのってあるものなのよ」
私たちはそう言って入り口をくぐった。
「あ、フロント…それにレストランも。でも誰もいないわね。それにやっぱり自動受け付け機」
「そう。こういうホテルを作って言い場所に作られているホテルじゃないから、
普通のビジネスホテルという言い訳をするためにこういうものが作ってあるわけ。
だから部屋の中は前よりかなり簡素だけどそこは勘弁してね」
「へえ…うん、そこはいいんだけど…育代さんなんでそんなに詳しいの?
やっぱりいろんな女性や男性をこういうホテルに引っ張り込んでいるとか…」
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続きます。 続きです。
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「やめてよ。そんなことしてないし。前にも言ったけど、専業主婦って言うのは暇なようで忙しいし
忙しいようで暇なの。だからGoogle先生の講義を聞く時間っていういうのも結構あるわけ。
これでも一応ちはるさんに恥をかかせないようにエスコートしているつもりなんだからもっと褒めて」
ちょっとクスッと来ちゃった。
「どうしたの?」
「いえね、育代さんがまるで一生懸命遊び慣れてる風を装ってる若い男の子みたいだなあって…」
「まあ、似たようなものかも知れないけれど」
「ひととおりこういうことに慣れたら、今度は私にエスコートさせてね。おねショタみたいに」
「は〜い、わかりましたお姉さん」
一体、私って何を言ってるんでしょうね。
こういう関係が継続することを前提でお話ししちゃってるし。
なんだかんだで、私たちは部屋に入った。
「…やっぱり、普通のビジネスホテルと大差ないわね」
「まあそこはしょうがないでしょう。シャワーとベッドだけあればそれでいいじゃない?」
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続きます。 続きです。
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やっぱりさすがにお風呂場は少し広めで、抱き合うようにしてお互いの体を洗い合った。
そしてお互いにタオルで拭き合って水気をなくしたあと、少し休憩ということでドリンクを飲んだ。
「やっぱり、ドリンクの酒類は少ないわね。ビールとウーロン茶しかないわ」
「仕方ないでしょう。ラブホテルかそうでないかの境界って案外曖昧で、
それまでなんの問題もなかった重箱の隅みたいなことをいきなりつついて
これは違法営業ラブホだ、なんて言われちゃうみたいよ」
「お役人さんって無粋よね」
「それで私、ちょっと気になることがあるんだけど…」
「何?」
「いまここに警察とか弁護士とかに踏み込まれたら、私たちって不倫カップル扱いなのかしら?」
「ちょっとぉ〜怖いこといわないで〜」
「まあ、今日は大丈夫でしょう、少なくとも、ね」
「じゃあまあ…しましょうか」
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続きます。 続きです。
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私たちは全裸のままベッドに横になった。
そしてできるだけ肌が触れる面積が多いように密着して、その感覚を確かめるかのようにまさぐり合う。
大人の女性の肌って、なんでこんなに触れていて気持ちがいいんだろう…。
やよいの肌に触れてるときに思うけど、若い女性のはち切れそうな勢いと滑らかな質感も気持ちいい。
だけど、育代さんの肌は独特のしっとりした柔らかさがある。
それでいて、染みも何もなくて、白くてきれいなのよね。
こうやって抱き合っているだけでもイッちゃいそうなほど気持ちがいい。
「はあぁぁぁぁぁん…あああぁぁぁ…」
「ああ…いいいぃぃぃ…素敵ぃぃぃぃ…」
こうやってしばらく感覚を愉しみ合った。
中はもうトロトロで…もう"それ以上"が欲しい気分が高まりきっていた。
「じゃあ、メインディッシュ行きましょうか」
育代さんはそう言って、さっき買ってきた双頭ディルドをバッグから取り出した。
「こ、これは…」
「改めて見てみると、…すごいわね…」
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続きます。 続きです。
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実際、すごかった。
そういうおもちゃばかりが並べられている中に陳列されていたからある意味感覚が狂わされていたのかも知れない。
でも、ふたりだけで差し向かいの状態でおもちゃを取り出してみたらそのあまりの存在感に圧倒されそう。
まず、思っていたより大きく見える。
これはあれかしら?
家電量販店に行ってテレビか何かを選んで、買って家に設置してみたら思っていたより大きく見える感覚?
そして、まあ色はショッキングピンクの透明という事はわかっていたんだけど、その造形が…。
結構慌てて選んだからじっくり見てはいなかったけど、改めて見るととんでもなくリアル。
男性が起立したときに浮かび上がる血管すら本当にリアルに再現されている。
勇一のものがこんなに雄々しくなったところだって、見たことなかったんじゃないかしら。
「ここまで来ちゃったんだからもう後戻りはできないわよね?」
育代さんがそう訊いてきた。
「ええ…もうやるしかないという感じね」
「じゃあ、ちはるさん、仰向けになってくれる? 私が自分に挿れてから、反対側をちはるさんに挿れるから」
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続きます。 続きです。
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もうここまで来たら育代さんにお任せするしかないわよね。
「うん、わかった…お願い」
そう言うと育代さんはおもちゃと一緒に買ったローションをおもちゃに塗りつけていた。
その作業をする前に一瞬背中をこっちに向けて何かしている気がしたんだけど気のせいかしら。
そして
「はあっ…ああぁ…」
多分育代さんが自分で挿れた瞬間なんだろう、そんな声が聞こえてきた。
「はぁ…ちはるさん、心の準備は大丈夫? 挿れるわよ?」
正直、100%の覚悟ができているかどうかと言われたらそうでもなかったんだけど、
今さら嫌とは言えないでしょう?
だから私は素直にこう言った。
「挿れて…」
育代さんが手で押さえながら、おもちゃを私の中に挿れた。
「……!」
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今日はここまでです。 今日もありがとうございました。
実はシャララ隊長vsベリベリちゃん編も頭の中で考えているんですが、
これまで親友・ママ友と来てますんで年齢も立場も明らかに差がある百合ップルって初めてになりますね。
その差を上手く活かせたらなと考えています。 今日もこんにちは。ちょっと体調悪いですが書きました。
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な、何これ!
中に入ってきたのは、おもちゃなんかじゃない!
間違いなく、育代さんのものそのものが入ってきてる!
私の「中」が、育代さんのものを喜んでしゃぶり回ってる。
そして、私の「あれ」が入って育代さんの「中」で喜んではしゃぎ回ってる。
挿れると同時に挿れられてるなんてこんなことあるの?
育代さんが…多分自分でも意識しないうちに…体を動かして私の中をガンガン突いてくるのがわかる。
そして私も、快感に耐えられずに体が勝手に動いて育代さんの中の感覚を味わってる。
育代さんも多分同じように挿れる感覚と挿れられる感覚を同時に味わっているはず。
喉が痛い。
これは多分、私がすごい声を出してるから。
育代さんも一緒だと思う。
育代さん独特の、ひょぉぉぉって感じの声が、遠くの方で聞こえている。
でも、なんかそんなことどうでもいいみたい。
お互いの動きが、お互いにシンクロして、体が勝手に動いているだけなのに、
まるで意図しているみたいにお互いがどんどん高め合っていく。
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続きます。 続きです。
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育代さんが、これも多分体がが勝手に動いて、私の体をぎゅっと、ぎゅっとすごい力で抱きしめている。
肌が、焼ける。
いや、熱でとろけちゃうかも知れない。
私、どうなっちゃうんだろう?
気持ちよすぎて怖いのに…私も育代さんをぎゅっと抱きしめ返している。
育代さんが、体を起こした。
U字型のおもちゃだから、私の中に入ってる分の尖端が、私の一番気持ちいいところに当たる。
これは何? 育代さんがわざとやってるの?
それとも、体が勝手に動いてそうなってるの?
私の上で、育代さんが腰をグリングリン回して、私の「棒」の感触を味わってるのがすごくよくわかる。
その動きで、育代さんの「棒」も暴れ回って、私の中をこれでもかというぐらい刺激してくる。
女同士がこんなに気持ちいいなんて…。
頭の隅っこで、勇一のことを思い出したような気がする。
なんだか、勇一に悪いような感情がちょっとよぎった気がするけど、
圧倒的な快感の前ではそんな感情もあっという間に流されてしまった。
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続きます。 続きです。
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育代さんがまた肌を密着させるように私の体を抱いてくる。
やめて…体がすごく熱くて…気持ちよくて…やめないで。
お互いに体の勝手な動きに身を任せているうちに、上と下が気がついたら入れ替わっていた。
育代さんに…私のものを挿れている。
私のあれが…女にはあるはずもないあれが、育代さんの中で強烈に愛されている。
しゃぶり尽くされて…締め付けられて、その感覚が私の頭の中をグチャグチャにかき回す。
ううん、挿れて愛されているだけじゃない。
私の体も勝手に動いて、育代さんの中の一番気持ちいいところを刺激しているのがわかる。
おもちゃを介しているはずなのに、育代さんが喜んでいることが私の中にも伝わってくる。
この手のおもちゃって、こんなにすごいのね。
これまで知らなかったのがもったいない気がする。
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続きます。 続きです。
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下になっていた育代さんが、また私の肌を求めるみたいに、私に抱きつこうとしてきた。
私は上体を起こしたまま、私の体を両腕を広げて受け入れた。
これはあれ?対面座位っていうやつ?
U字型のおもちゃだから、これは本当に深く入ってくる。
それで、やっぱり「私のもの」が育代さんの奥深くに入って育代さんが締め付けてるのがわかる。
同時に、私の中が「育代さんのもの」をこれでもかと言うほど愛し続けてる感触もあって…
なんだか気絶しそう。
私の喉はいまどうなっているんだろう?
なんだか喉がものすごく渇いているような気がするけど、
水分を取るためだけのこの快感を中断することなんてできない。
それほどまでに、すごく気持ちいいの。
本当に私、気絶しちゃうんじゃないかな?
いや…もしかしたら、死んじゃうかも。
中学生の娘がいる母親が女性を相手にして腹上死したなんていうことになったら
マスコミはどんな報道をするのかな…。
いや、もうそんなこと考えられない。
もう全身至る所が「気持ちいい」「気持ちいい」って悲鳴を上げているような感じなんだもの。
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続きます。 続きです。
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いや、もう「気持ちいい」という感覚を感じることさえなくなっていった。
ただただ、頭の中が真っ白になって脳の中心がしびれて…。
こういうときって、頭で考えなくても体が勝手に快感を求めて動くのね。
多分、育代さんも同じだったんだと思う。
育代さん、なぜか途中でおもちゃをするっと抜いたの。
そして気がついたら、私は四つん這いになっていて、育代さんのものでバックから突かれていた。
これはこれで、それまで当たってなかったところに育代さんのものが当たってすごく良くて…。
私も育代さんをバックから突いていたような気がするけど、もうほとんど無意識だったからよくわからない。
頭が空っぽになって、私は気がついたら体が引きつっていた。
同じぐらいの快感を、育代さんも味わっているはずだと私は思うんだけど、
育代さんの方が先に痙攣から回復したのは育代さんだった。
やっぱり、ご主人がいて時々は愛し合っているでしょうから、快感慣れしているのかしら?
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続きます。 続きです。
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育代さんはウーロン茶を飲みながら、私の回復を待っていた。
私が起き上がるのを待って「はい」と言ってウーロン茶を差し出してきた。
「ありがとう」
私はそう言って受け取って、口にしたんだけど、こんなに美味しいウーロン茶は初めて飲んだ気がする。
「気持ちよかったわねぇ…」
育代さんは、まだちょっとうるうるした目でそう言った。
「本当にもう…なんて表現したらいいかわからないけど、う〜ん…
なくなったうちの主人には悪いけど、男性相手じゃここまで気持ちよく離れない気がする」
「そうかも知れないわね。ちょっと確認してみましょうか」
「確認?」
育代さんはスマホを取り出してきた。
「実はね、録音してたの」
そう言って育代さんは、さっきまでの行為の一部始終を録音した音声を再生した。
「……」
私、ちょっとびっくりしちゃった。
私って本当にこういう行為のとき声が大きいのね
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続きます。 続きです。
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以前育代さんに「気持ちいい」って口にするタイプだって指摘されたことがあるけど、
「気持ちいい」と言うよりは「ギボジ、ギボジ」って何回も繰り返している。
「私ってこんなに下品な声上げてるの!?」
「いいじゃない。気持ちよければ声を上げれば。こういう声が刺さる男性だってきっといるわよ。
それより、この声から判断して、どのあたりからイっていたかわかる?」
「う〜ん…多分この辺」
「私もだいたい同じぐらいだと思う。そうすると、だいたい45分ぐらいってことになるのかな?」
「何が?」
「以前話したじゃない。伝説のAV女優の話。撮影中2時間イキっぱなしの女優がいたって」
「ああ、確かにそんな話をしたわね」
「45分かあ…まだまだ伸ばさなきゃね」
「イキ続けるって、結構体力がいるのね」
「そこらへんの強化もはかって、目指しましょうよ。2時間。いや、ここは志高く3時間!」
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続きます。 続きです。
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「そんなこと、できるのかしら?」
「わからないけど、挑もうという気がない限り、できることはないと思うわよ」
「そうかあ…じゃあ、これからも時々しましょ」
「うん!」
「で、そろそろお開きにしましょうか」
というわけで帰り支度を始めたんだけど、前ほどではないけどやっぱり私の声、かすれてる。
「この声、何と言ってごまかそうかしら」
「前と同じでいいじゃない。カラオケでAdoの歌を歌ったって言っておけば」
「そんなに何回も同じ言い訳が通用するかな?」
「じゃあ、海外のデスメタルバンドあたりにしておく?」
「私海外のデスメタルバンドなんて知らないし…」
「それならイギリスのDead or Aliveなんてどう? 日本で一世風靡したバンドだし、
ボーカルのPete Burnsの声ってすごく野太くて女性が歌ったら確実に声がかすれるわよ」
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続きます。 続きです。
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「ああ、知ってる。You spin me right round, baby, right round like a record
baby, right round round, round.っていう歌でしょ?」
「そうそう、ディスコブームの牽引役だったバンドね。私たち世代でも知ってるぐらいの」
「伝説のバンドね…それにしておこう」
「さ、じゃあそろそろ出ましょうか。まだちょっと帰るには早いから、どこかでお茶でもして、
気分を落ち着けたら一緒に晩ご飯の買い出しして帰りましょう」
「私、今日はだいぶ体力使っちゃったから奮発してお肉食べよう」
「いいわね。私もそうしよう」
そんなわけでまた育代さんとシちゃったわけだけど、なんかだんだん後ろめたさがなくなっていくなあ…。
まあ、いいとしましょうか。子供ができる心配はないしね。
「そう言えば、おもちゃはどうするの?」
「え? 持って帰って隠しておくけど?」
「持って帰るの!? 見つかったりしたらまずくない?」
「みゆきに見つかったらね。うちの人に見つかっても『あなたのバックを開発してみたかった』
と言えば多分ごまかせるわ」
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続きます。 ちょこっとだけ続きです。
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「なんか本当に、悪い人…」
「人生を美味しくするス・パ・イ・ス♪」
「すごい人だなあ…」
「さ、帰りましょう」
こうして帰路についたけど、なんだかだんだん育代さんとの行為が自分の中で「普通のこと」になりつつあるなあ。
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今日はこれだけです。
そして行為の描写はこれで最後にするつもりです。
あとはウルトラハッピーなエンディングに向けて書き進めていきます。 結構タイプミスがある…。
>>829
誤:水分を取るためだけのこの快感を中断することなんてできない。
正:水分を取るためだけにこの快感を中断することなんてできない。
>>831
誤:男性相手じゃここまで気持ちよく離れない気がする
正:男性相手じゃここまで気持ちよくはなれない気がする 今日は少し短いですが…。
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最近、今村君がかっこいい。
正式な組織変更はまだ先だけど、結構大きな組織変更になるし変更と同時にスタートアップできるように
今村君…今村「次期主任」は数学が得意な後輩たちに統計学と統計ソフトの使い方を教えている。
自分の得意な分野で活躍できるということになったら、男性の顔ってこんなに変わるのね。
私に初体験をねだってきたときのをころを思い返すと、あのころはまだ少年の顔だった。
地位が人を育てる場合もあれば、地位に押し潰されてしまう人もいる。
今村君は上手く行った方ね。本当に逞しくなった。
そして今村君がいまやっている「教える」という作業は、急いでも結果が早く出るものでもないから
今村君は塾講師のように自分の仕事をこなしたあとに定時で帰っている。
だからシングルマザー特権で毎日定時上がりしている私と帰り道一緒になることも多いのだけれど。
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続きます。 続きです。
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「今村君、今日もお疲れ様」
「係長、お疲れ様です」
「毎日先生役、大変そうね」
「いやあ全然ですよ。本当に優秀な子揃えてくれたんで、自分は『こんなに楽でいいの?』と毎日思ってます」
「そうかぁ。じゃあ新部署『ニーズ分析係』には期待して良さそうね」
「期待して下さい。いまはまだ教育最優先なんで係長になる予定の方とはあまり喋ってないんですが、
マーケティング部にいただけあって『売れ筋』を優先するという感じだなという印象は持ってます。
自分は売れ筋を意識しすぎて平凡になるのはまずいと考えてますんで、まずニーズ分析係の中で
どっちが良いのかについてバッチバチにやり合うことになると思います」
「なんかデザイン課がすごい活気のある部署になりそうね。で、最終決着はどうつけるの?」
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続きます。 続きです。
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「なに言ってるんですか、係長。どういう方向性がいいのかを最終的に決めるのは、係長を始めとする
デザイン係の皆様じゃないですか。データをいくらこねくり回しても、結局は我々ができるのは
デザイン担当の皆様にインスピレーションを得てもらうための素材の提供にすぎませんよ」
「そうかぁ。やっぱりこれからデザイン課は熱くなるわね。そう言えば、最近ワコちゃんとどっかに行ったりしてるの?」
「あ〜、一緒にご飯食べに行ったりはしてます」
「デートしてるんだ?」
「あれ、デートって言っていいのかなあ?」
「なんだか今村君って、ワコちゃんをどう思ってるかの話題になると歯切れが悪くなるわね」
「いや、性格もいいし一緒にいても気楽だし、う〜ん仲のいい友達という認識の方が強いですね」
「でも、結構外見も可愛くない?」
「ええ、可愛いんですけどね」
「じゃあ、彼女にしたいと思えるような存在になるために、ワコちゃんに足りないものはなんだと思う?」
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続きます。 続きです。
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「え〜、ちょっとそれ難問ですよ。う〜ん…mn…女子力! 女子力がもっとあったらいいですね」
「女子力かぁ…。それもまた難しいわね」
「悪い意味で女の子らしいところがないところはいいんですけど、いい意味で女の子らしくあって欲しいというか…
贅沢ですか?」
「そうね、ちょっと高望みね」
女子力ねえ…。
男性と女性が考えるものが一番かけ離れる概念よね。
「女の子らしく」というと女の子にとってはメイクとかネイルとかになっちゃうんだけど、
男性が求めるものはそういうのじゃないのよね。
私にはワコちゃんには男性が希望する性格が十分あると思えるんだけど…。
「ねえ、足りないものって言ったとき『胸』って言いかけなかった?」
「言ってません」
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今日はここまでです。だいぶ終わりが近くなってきました。 このところちょっと体調を崩していたにもかかわらず仕事が多くてかなり参ってます。
今日はお休みをください…。 また書くことができずすみませんでした。
体調が悪すぎて…次の週末頑張ります。 体調などの問題とかなら、月一ぐらいでいいと思います ありがとうございます。今日は何とか健康です。
ところでえみルーって需要ありますか? だいぶお久しぶりになりました。
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「なんだかんだ言ってもさ、今日のためにこれまでやってきたんじゃんか。今さら怖がることでもないよ。
やることはやってきたんだし、その結果を今日発表するんだろ。やり残してきたことでもあるのか?」
「やり残しはない…と思うけど、だって相手はデザイン課のエースの黄瀬係長だよ。
芸大を優秀な成績で出たって聞いてるし…これまでヒット商品たくさん作ってるし…
私なんか専門卒だし世に出したと言えるのはラーメン屋のTシャツひとつだけだし…やっぱ怖い」
「今さら怖がってどうすんだよ。逃げるのか? そんなことできないだろ?」
「うん…」
「だったら、ダメと言われるのを覚悟して当たってみるしかないじゃんか。
OKでもNGでも、ひとつの結果が出たらそれからまたひとつずつ積み上げていく、それだけだろ」
ダメだったとしても、そこからまた歩き始めるだけだ。ここで引いたら逃げ癖がつくぞ」
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続きます。 続きです。
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ワコちゃんの城、給湯室から会話が聞こえる。
はっきり言って丸聞こえなんだけど…。
ワコちゃんにとってやっぱりこういう弱音を吐ける相手って今村君なのね。
本人たちは意識していないみたいだけど、恋人同士以上に強い信頼で結ばれてるように思うんだけど…。
と、いうわけでワコちゃんが私の元にやってきた。
「あの、黄瀬係長、デザイン持ってきました」
「そう、今日だったわね。スケッチブックと、あとお願いしておいたTシャツもある?」
「はい、新品持ってきてますし、実を言うといまこの下にも着てます」
「そう、じゃあ…小会議室にでも行きましょうか」
小会議室利用欄に「黄瀬」と記入して、私はワコちゃんを連れて小会議室に入った。
そしてワコちゃんにはTシャツ姿になってもらうことになるからカーテンも閉めた。
「じゃあ、まずスケッチブックから見ていい?」
「あ、はい…お願いします!」
ワコちゃんはスケッチブックの天地を入れ替えて私に向け、頭を下げた。
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続きます。 続きです。
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「よろしくお願いします!」
「ふ〜ん…」
私は一枚一枚、詳細にじっくりと見た。
まだ荒削りだけど、今現在のワコちゃんのできる精一杯。
こっちも精一杯に神経を使って見てあげないと、ワコちゃんが可哀想。
全部見終わるまでに、20分は使ったと思う。
「なるほど」
そう言って私はスケッチブックを閉じた。
「Tシャツ見せてくれる?」
「あ、はい、どうしましょう? 私がシャツ脱いだ方がいいですか? 一応新品もあるんですが」
「じゃあ、まず新品見せて」
「あ、わかりました。…お願いします!」
「ふ〜ん、青地に白のピクトグラム。こういうデザインにした理由は?」
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続きます。 続きです。
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「はい、まず、店の名前が"明日へ駆けろ"なんで、朝焼けのイメージで店のイメージカラーが赤系統というか…
はっきり決まってるわけじゃないんですけど、店舗も赤基調ですし店員さんも赤い服を着てることが多いんです。
赤ってラーメンのスープがはねてついたときなんかにも目立たないんで結局そうなってた感じなんですね。
で、そこに赤を持っていってもつまらないんで青系を使いたいということをまず思いついて、
もっと明るい空色にしたかったんですがスープのシミが目立つこととどっちか選ぶことになっちゃって…。
店長とさんざん相談したんです。で、空色じゃなくてもうちょっと濃い青、ということでその色になりました」
「店長さん、お忙しいんじゃないの? そこまでつきあって下さるってありがたい話ね」
「はい、でも『ワコちゃんが半年全力出してくれたんだから、こっちも全力で行くよ』って言ってもらえました」
「いい店長さんね。でも、そっちでもやっぱり『ワコちゃん』扱いなのね」
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続きます。 続きです。
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「はい、なんかカ行が2回続くのが悪いらしくて」
「まあ、それはいいとして。続きいきましょう。ピクトグラムを使った理由は?」
「これもその店のこれまでのパターンというか…っていう話で、デザインにしてもレタリングにしても
エネルギーを叩きつけたような勢いのあるものが多かったんです。なのでここはこれまでとは違って
スッキリしたピクトグラムを使ってみたという感じです」
「うん、なるほど。どういう風に工夫したか、その辺ちょっと説明してくれる?」
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続きます。 続きです。
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「はい、最初私、前側のデザインと後ろ側のデザインを別々に考えてたんです。
でも、なんかアイデアが出なくって、実際に店に行って、ラーメン食べながら店員さんたちの様子を
ずっと観察してたんです。そしたら気がついて…今まで平面で考えちゃってたけど、
着たら立体になるんだなって。専門でもデザインはトルソーで作ってたのになんで忘れてたんだろうって。
Tシャツだっていうだけで学校でやってること忘れちゃってたなって。
だから前と後ろが繋がってるデザインを考えました」
「ふんふん、なるほど。左下から体を一周しながら右肩の方に走って行ってるという形になったわけね。
右肩の方が上というデザインの理由は?」
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続きます。 続きです。
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「あ、はい、これも悩んだんですけど、店長がラーメン作ってる姿を見てたら何かヒントがあるかなと思って
お店の人に頼んで店長の目の前の席になるようにお願いして通ったんです。
それで毎日毎日見てたら、店長の動きって、麺茹でてる鍋の前で茹で具合をチェックして、
そのまま右を向いて次のお客さんのための麺を測って、また右に90度回転して手を洗って、
また右に回って豚をスライスして、またちょっと右に回って麺の具合を見て…って、つまり…
すみません、私が着てるところを見てもらいたいんでシャツ脱いでいいですか?」
「どうぞ」
「ありがとうございます。え〜と、つまり、茹で具合見る、次の麺測る、手洗う、豚切る、この一連の動き、
ひたすら右に右に回転してるんです」
ワコちゃんは自ら動きながら説明して見せた。
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続きます。 続きです。
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「そういうことになるわね」
「だから、右肩の方を上にしておけば、上へ上へ昇っているように見えませんか?」
「なるほど、動きを見て決めたわけね?」
「はい!」
「なるほど、着ている人の動きもデザインの一部、か…」
私は目を閉じ、深く息を吸い込んで、そして吐いた。
「まず、スーツ姿に戻って」
「はい」
ワコちゃんは慌てて服を整えていた。
「はい、これ返すわね」
「あ、ありがとうございます…」
「感想を言うわね」
「は、はい!」
「…まだまだね」
ワコちゃんは、つとめて表情を変えないようにしているんだろうけど、はっきりと落ち込んだのがわかった。
「…だから、当面の間は、1日1作は仕上げてもらうから、覚悟しなさい」
「え…」
私は手を差し出して、こう言った。
「ようこそ、デザイン1係へ!」
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続きます。 続きです。
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ワコちゃんは何か言いたいんだろうけど何を言っていいかわからないんだろうな。
なんか口をパクパクさせていた。そして私の手を両手で握った。
本当に小さな手。キッズファッションを手がけるにはうってつけ? そんなことないか。
そして目が潤んできて…
「泣いちゃダメ! メイクが落ちるわよ」
「でも…でも…だって…」
よく女性が何かを言いたいけど何を言っていいかわからないという状態を指して「でもでもだって」と言うけど
こんなきれいな「でもでもだって」を私は初めて聞いた。
「でも、気を抜かないでね。あくまでも仮免だと思っておいて。ワコちゃんならもっとポテンシャルあるはずだから」
「ありがとうございます!」
「ワコちゃんならもっと尖れるはずだから、そういうところもっと伸ばしていってね」
「頑張ります!」
「なんたって、専門時代には尻尾付きのボブに青と緑のメッシュを入れて鼻と耳をピアスでつないで…」
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続きます。 続きです。
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ここまで言ったらワコちゃんの顔が( ゚Д゚)こうなった。顔文字って便利ね。
まさかこの顔文字まんまの顔をする人に出会うことになるとは思ってなかったけど。
私はパン、と手を鳴らして続けた。
「はい、話し合い終了! 今後の方針は決まりました! ワコちゃん、報告したい相手がいるんじゃないの?」
「はい!」
「でもその前にひとこと言わせて?」
「なんでしょうか?」
「二郎系ラーメンみたいなヘヴィなもの、そんなに頻繁に食べてちゃダメよ」
「わかりました!」
「じゃ、ゴー!」
私が指をさして言ったら、ワコちゃんはありがとうございますとだけ言って元気よく走って行った。
こうして、来期からのデザイン課の体制が決まった。
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続きます。 今日はこれで最後です。
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「イマムー、私、黄瀬係長に認めてもらえたよ!」
「そうか! やったじゃん、念願のデザイン係に届いたよ!」
「よかった〜! 見てもらってる間ホントにホントに緊張した!」
「貫き通したな!」
「うん!」
もはやふたりは隠そうという気もなく給湯室で喜び合っていた。
「でもイマムー、ひとつ言っていい?」
「なんだ?」
その後、ひときわ大きな声がフロア中に響き渡った。
「私の黒歴史については他の人に言わないでってあれほど…」
うん、間違いなく、デザイン課は来期にはずっと活発な部署になる。
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今日はここまでです。
長台詞が多かったので細切れになりました。 最終回です!
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来期に向けて、もう席を動かしちゃおうってことになって、今日はみんなが忙しく動いてる。
新しい島ができて、ニーズ分析係がそこに揃う。
今村君が抜けた穴を埋めるためにデザイン1係のメンバーがひとつ横にずれる。
そして、末席にはワコちゃんの居場所ができる。
総務の若手男性社員たちも手伝ってくれて、作業が進んでいた。
「いやあ、忙しそうだね」
そう言ってそこに現れたのは…人事部長だった。
「部長!」
「部長、お疲れ様です!」
みんなからめいめいに挨拶がされる。
部長はワコちゃんに寄っていって声をかけた。
「橘君、念願のデザイン係に決定、おめでとう」
「ありがとうございます! 全部部長のおかげです!」
ワコちゃんは何回も頭を下げている。
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続きます 続きです
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「いまだから言うけどね、橘君からの突撃電話を受けたのは私でね。たまたまその時みんな手が離せなくて。
熱意に負けた形で面接しようと思ったのはその時で。
それで面接したのはいいけど、実は橘君を採用してみたいと言ったのは私ひとりだったんだ。
人事部の面々も、部長以上もみんな反対だった」
「あ、ありがとうございます!」
「それで私がどうしたと思う?」
「あ、いや…わかりません」
「『この子が3年以内にデザイン係に異動できる実績を残さなかったら、私は降格でも構わない』
私はそこまで啖呵を切ったんだ」
「え、そんな…」
「それがこんな短期間に大仕事をやってのけてくれるとはね。良かったよ。私も首が繋がった」
「ありがとうございます! ありがとうございます!」
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続きます 続きです
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「他の役員は聞いていないよな…。ここだけの話、私は嫌いなんだよ。事務用椅子を温めながら
お茶を飲むのが仕事ってのがね。現場で仕事をする方が私は好きなんだが、長く働いてると
そうはいかないね。求められる仕事ってのが変わってくる。久しぶりにスリルを味わった。楽しかったよ」
「ありがとうございます…」
「あ、泣いたらダメだよ。メイクが乱れるからね」
「すみません…」
部長はこの間の私と同じようなことを言った。
男性なのに女性のメイクに気を配れるのはさすがだなと思う。
「黄瀬君」
部長はこっちを向いて言った。
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続きます 続きです
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「は、はい!」
「橘君のことはよろしく頼むよ。言わば私の秘蔵っ子だ。バシバシ厳しくやってくれて構わない。
むしろそういう方を望んでいるだろう。そう簡単には折れないだろうからね」
「わかりました! 任せて下さい!」
「頼もしいね」
「ところで、総務からひとり減ることになりますけど、それはどうなるんですか?」
「あ〜、しばらく人員追加はしない方向で様子見ってことになるだろう。元々橘君のために
無理矢理作ったようなポストだったからね。甲斐甲斐しく動いてくれた橘君のおかげで
助かっていた部分も大きかったから、どうしても人がもうひとり欲しい、というような
ことになったら、派遣会社にでも頼むよ」
「そうなんですか」
「じゃあ、みんな頑張ってね。いやー来期が楽しみだ」
そう言いながら部長は行っちゃった。
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「黄瀬さん」
今度はそう言って2係の島村さんがスマホを手に寄ってきた。
「はい」
「知ってる? これ。いま結構バズってるんだけど…」
そう言ってキュアスタの写真や動画をいくつか見せてくれた。
「これ、顔は隠してあるけど、どう見ても今村君と橘さんじゃない?」
確かに言われてみれば、特長は全部ふたりに当てはまってる。
「何なの? これ」
「カップル限定の食べ放題って、結構あるじゃない? そういうところに週末ごとに現れては、
恐ろしい量を食べて去って行くふたりの情報がいま飛び交ってるの。
これがお寿司でしょ…これ焼肉ね。これがしゃぶしゃぶで、インド・ネパール料理なんてのもある。
中華料理なんてのもあるわね。ここもお寿司で…中にはケーキなんてのもあるわね」
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続きます 続きです
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「ケーキ!?」
「そうみたいね」
「ケーキなんて食べ放題できるの?」
「そういうお店があるのね」
「元横綱のスイーツ親方が2ホール食べるっていう話は聞いたことがあるけど…」
「どう考えても、それ以上食べないと元は取れないでしょうね」
「信じられない…」
「カップルの食べ放題って、カップルなら女の子はあんまり食べないっていう前提で値段決めてるでしょ。
ふたり揃って全力で来られたら、店側は完全に赤字でしょうね」
いつか言ってた、一緒にご飯食べに行ったりすることはあるってこういう意味か…。
確かにこれは恋人同士でやることじゃないわね。
戦友だわ。
まあ、いずれふたりとも、とてもとても気の合う異性がすぐそばにいるってことに気付くでしょ。
その辺のことは、もう放っとこ。
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続きます 続きです
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でも、私も来期が楽しみだなあ。
気がついたら、私に繋がる人たちまでみんなハッピーになっちゃってる。
これももしかしたら、ゴッドマザー・オブ・ウルトラハッピーさんの力なのかなあ。
あ、考えたらまたちょっとしたくなってきちゃった…。
〜〜〜〜〜
今日は中学校の創立記念日。
せっかくの平日休みなんだからってことで、いつもの5人組で夢の国に遊びに行こうってことになったらしい。
う〜ん、ちょっと遠いかな…と思わなくもない。
でも、子供を育てるってこういうことかもしれない。
少しずつ、子供を手元から離すことを、私も学んでいかないとね。
というわけで、子供たち5人と母親5人がまず育代さんの家の前に集合した。
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続きます 続きです
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「まあ、れいかちゃんがいてくれれば大丈夫だねえ」
「いえ、あかねちゃんだって家業の手伝いをしてしっかりしていらして…」
「それを言うならなおちゃんやって弟さんや妹さんをまとめててしっかりしてると思うわ」
「……」
「……」
「え、いやいや、みゆきちゃんはムードメーカーやし」
「やよいちゃんは、なんて言うか、…マスコット?」
「そうそう! かわいいからみんながまとまるって感じやね!」
やっぱり、やよい(とみゆきちゃん)って、5人の中じゃこういう扱いなのね…。
みゆきちゃんはまあ言われたとおりムードメーカーという重要な役割があるけど、
やよいは何か目を引かれるものがあったらそっちに突っ走っちゃうところがあるからなあ…
ほかの4人に迷惑をかけなきゃいいけど。
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続きます 続きです
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お母さんたち、私を含めて5人はそれぞれに娘たちに注意事項を聞かせて、
そして背中が見えなくなるまで見送った。
なんか、5人そろってちょっとしんみりしちゃったな…
そんな空気をなんとかしなきゃっていう気もあって、私は思いきって声を上げてみた。
「あの、せっかく仲良し5人組のお母さん方がそろった機会ですから、よかったらちょっとお茶でもしながら
お話でもしませんか?」
「ああ〜ありがたい話だけど、うちは頭数が多い分、一日中家事やってなきゃ追っつかなくてねえ」
「うちも昼営業の準備と夜営業の仕込みがあるんで…」
「私も家事がたまっておりまして」
「あら〜、残念だわ」
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長々ありがとうございました! 続きです
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お母さんたち、私を含めて5人はそれぞれに娘たちに注意事項を聞かせて、
そして背中が見えなくなるまで見送った。
なんか、5人そろってちょっとしんみりしちゃったな…
そんな空気をなんとかしなきゃっていう気もあって、私は思いきって声を上げてみた。
「あの、せっかく仲良し5人組のお母さん方がそろった機会ですから、よかったらちょっとお茶でもしながら
お話でもしませんか?」
「ああ〜ありがたい話だけど、うちは頭数が多い分、一日中家事やってなきゃ追っつかなくてねえ」
「うちも昼営業の準備と夜営業の仕込みがあるんで…」
「私も家事がたまっておりまして」
「あら〜、残念だわ」
私は育代さんに寄っていって、腰に手を回して訊いた。
「育代さんはどう?」
「私は3〜4時間ぐらいだったら十分取れるわよ」
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長々ありがとうございました! 続きです。
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お母さんたち、私を含めて5人はそれぞれに娘たちに注意事項を聞かせて、
そして背中が見えなくなるまで見送った。
なんか、5人そろってちょっとしんみりしちゃったな…
そんな空気をなんとかしなきゃっていう気もあって、私は思いきって声を上げてみた。
「あの、せっかく仲良し5人組のお母さん方がそろった機会ですから、よかったらちょっとお茶でもしながら
お話でもしませんか?」
「ああ〜ありがたい話だけど、うちは頭数が多い分、一日中家事やってなきゃ追っつかなくてねえ」
「うちも昼営業の準備と夜営業の仕込みがあるんで…」
「私も家事がたまっておりまして」
「あら〜、残念だわ」
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続きます 続きです
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お母さんたち、私を含めて5人はそれぞれに娘たちに注意事項を聞かせて、
そして背中が見えなくなるまで見送った。
なんか、5人そろってちょっとしんみりしちゃったな…
そんな空気をなんとかしなきゃっていう気もあって、私は思いきって声を上げてみた。
「あの、せっかく仲良し5人組のお母さん方がそろった機会ですから、よかったらちょっとお茶でもしながら
お話でもしませんか?」
「ああ〜ありがたい話だけど、うちは頭数が多い分、一日中家事やってなきゃ追っつかなくてねえ」
「うちも昼営業の準備と夜営業の仕込みがあるんで…」
「私も家事がたまっておりまして」
「あら〜、残念だわ」
私は育代さんに寄っていって、腰に手を回して訊いた。
「育代さんはどう?」
「私は3〜4時間ぐらいだったら十分取れるわよ」
-----
続きます 最後です
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お母さんたち、私を含めて5人はそれぞれに娘たちに注意事項を聞かせて、
そして背中が見えなくなるまで見送った。
なんか、5人そろってちょっとしんみりしちゃったな…
そんな空気をなんとかしなきゃっていう気もあって、私は思いきって声を上げてみた。
「あの、せっかく仲良し5人組のお母さん方がそろった機会ですから、よかったらちょっとお茶でもしながら
お話でもしませんか?」
「ああ〜ありがたい話だけど、うちは頭数が多い分、一日中家事やってなきゃ追っつかなくてねえ」
「うちも昼営業の準備と夜営業の仕込みがあるんで…」
「私も家事がたまっておりまして」
「あら〜、残念だわ」
私は育代さんに寄っていって、腰に手を回して訊いた。
「育代さんはどう?」
「私は3〜4時間ぐらいだったら十分取れるわよ」
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続きます 続きです
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育代さんは私の腰に手を回しながら嬉しそうに答えてくれた。
「じゃあ…」
「ね?」
「カラオケでも!」
了
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長々ありがとうございました!
次はシャララ隊長とベリベリちゃんのつもりです。
その次はえみルーを書けたらいいなと思っています。 最後の挨拶を何回か書いてしまい申し訳ありません。
シャララ隊長とベリベリちゃん編はちょっと書き直したいと思いますので
来週末ではないかもしれません。 なんか全然だめですね。
同じ文章を2回投稿してる…。 お疲れさまでした
さわやかで希望に満ちた終わり方で良かったと思います 皆様こんにちは。
ママ友シリーズ、Pixivに上げました。
https://www.pixiv.net/users/101012739
よろしくお願いします。 だけではさみしいので…
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リンリン。
青の護衛隊隊員宿舎、隊長室の呼び鈴が来訪者を告げた。
シャララは小さなのぞき窓を空けて来訪者を確認すると、のぞき窓を閉めてドアを開けた。
「ベリィベリーか。よく来てくれた。訓練のあとの自由時間にすまんな」
「いえ、隊長のお呼びとあらば…しかし、ドアの外から声をかけたのですが、全く聞こえなかったのですか?」
「ああ、この部屋は完全防音だからな。ドアの中と外、連絡を取り合うのはこの呼び鈴しかない」
「やはり重要な部屋ということですね」
「場合によっては、国防上重要な話がこの中で話されないとも限らないからな」
「しかし…」
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続きます 続きです
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ベリィベリーは部屋の様子を見渡した。
隊長室は、宿舎内の他のどの部屋より広い。
しかしその広い部屋は歴史や文化に関する難しげな書籍が大量に、しかも雑然と置かれていて狭く感じる。
シャララはしばらくそれらに目をやっていたベリィベリーに
「何か変か?」
と優しく声をかけた。
「いえ…ただ、これほどまでに隊長が読書家だとは思っておりませんでした」
「我々はスカイランドの守護者である青の護衛隊だ。何を護るのか知らないことには仕事ができないだろう?
君も覚えておくといい。我々武人でも、偉くなるにつれてただ強いだけでは仕事が成り立たなくなるのだぞ」
「はい、心得ておきます」
キッパリとそう答えたベリィベリーにシャララは満足そうな視線を向ける。
-----
続きます 続きです
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「それに、これでも歴代の隊長と比べるとだいぶ少ない方だ。私の夫は王立学芸院の教授をしているから、
大抵のことは夫に尋ねれば方がつく。体系的に学ばねば本来の意義が理解できないもの、あるいはまた
どうしても図や表を見なければならないものだけがここに置いてある」
「歴代最年少で王立学芸院の教授に就任された方だと伺っておりますが」
「よく知っているな。そんなことが話題に上ることがあるのか?」
「それはもう、偉大な方だと隊員はほとんど知っているのではないかと思います」
「偉大か。身近に接する身から言わせてもらえれば偏屈な変人という印象しかないが」
「それは、教授に失礼かと思います」
「そうだな、何と言っても我が夫だ」
-----
今日はここまでです 立場も経験も圧倒的な差があるふたりを活き活き描ければなと思っています。
よろしくお願いします。 ここ までの 経 緯 www
スレで挑発w
↓
俺にレスされて嬉ション状態で大砲発射w
↓
このスレで得意満面で報告と自演w
↓
撃った垢は実は別垢でまんまと釣られた事をバラされるw
↓
ふぁっびょーん!!!w
↓
さらに「複数垢プギャー」するもそれも自身の勘違いを指摘されて逃亡w
↓
必死の自演で流れを変えようと奮闘する憐れな姿w
↓
「レズの話をして無視しよう!」と宣うも結局煽りに耐えきれずブチギレるw
↓
どんぐり利用して見事に釣られた事で火病発症「ワイのほうが強いんやーっ!」と謎の主張w
↓
釣られ、ネームをパクられ
レズ話そっちのけで謎の強い自慢を始めるw
↓
コピペが効きすぎてキチガイ発作状態
↓
発作を指摘され必死の無視自演開始中←またココwww ちょっと遅くなりましたが…
-----
「それで、今夜はどのようなご用でしょうか?」
ベリィベリーの言葉に対してシャララが優しく、それでいていつもの調子で声をかける。
「まあ、座れ」
「失礼します」
ベリィベリーはテーブルの前の椅子に腰をかけた。
「茶でいいか?」
「いえ、そのような雑用は私がやりますので隊長はおかけになっていて下さい」
「そうもいかん。私が呼んだのだからな。少し待っていろ、ベリィ」
隊長はベリィベリーの愛称で彼女を呼び、カップをその前に置いた。
「頂戴致します」
ベリィベリーはそう声をかけるとカップを手に取った。
その姿を見ながらシャララはあくまでも優しく声をかける。
-----
続きます 続きです
-----
「ベリィ…強くなったな」
「いえ、自分など、まだ強いなどと言えた存在ではないと心得ております」
「それでも、まだ少女のころに私に懐いていたのを考えると別人のようだ」
「恐れ入ります」
しばらくはカップを口に運ぶベリィベリーとそれを見つめるシャララの時間が続いた。
「あの…それで、隊長、本日のご用件は?」
「そうだな…。言わなければいけないことだ」
「何でしょう?」
「まだ誰にも言っていないことなのだが…私は退役しようと思う」
「えっ!」
-----
続きます 続きです
-----
ベリィベリーは思わずカップを落としかけた。
「そんな…退役だなんて…いきなりなぜですか?」
「言うほどいきなりか? アンダーグ帝国との戦いも終わった。
もう、しばらくの間はスカイランドに大きな危機も来るまい。
であるならば、私もスカイランドの国民としての役割を果たそうと思ってな」
「スカイランドの国民としての役割…護衛隊として戦うことでは?」
「いや、まだはるかに重要な役割がある」
「…何でしょう?」
「次世代を産み育むことだ」
「ということは…隊長が子供をおなしになると?」
「そのつもりだ。年齢的にも、そろそろ限界が近づいていると感じてな」
「そんな…」
-----
続きます 続きです
-----
戸惑いの表情を浮かべるベリィベリーを、
しばらくの間シャララは愛情のこもった瞳で見つめ、再度口にする。
「ベリィ…君は本当に強くなった」
「そんな…私はまだまだ強くならねばならないと感じております」
「それはそうであるかもしれん。より強くなることを目指すのはすべての武人の努めだ。
しかし、ベリィ、君が護衛隊に入ったまだ幼いころから考えると、本当に強くなった。
幾度の故障にも心折れずここまで強くなった。君は私の最高傑作のひとりだと思っている」
「恐れ入ります」
「しかし、君には致命的な弱点もある。それは自覚しているか?」
「私の…致命的な弱点?」
「…わからんか?」
「…わかりません」
-----
続きます 続きです
-----
「ではこれを考えてみろ。君はソラとの手合わせに敗れたな。これはなぜだと思う?」
「あれは、ただこちらが気を抜いているうちにソラが成長をしていただけで…」
「…それは違う」
「どこが違うのですか!?」
「ベリィ、君の演武は本当に素晴らしい。我が教え子ながら見とれるほどに素晴らしいと思っている。
だが、それが君の弱点でもあるのだ」
「申し訳ございませんが、おっしゃっていることがわかりません」
「…君は、実戦の時にも相手が自分の演武と同じ手で来ると考えてはいないか?」
「それは…」
言いよどんだベリィベリーにシャララは敢えてたたみかけるように話す。
-----
続きます 続きです
-----
「それが君の弱みなのだ。正々堂々戦えることは武人の理想ではある。
だが、実戦では相手が正々堂々と来るとは限らないのだぞ。
そして、どんな手を使っても勝つのも武人の大切な役目だ」
「…頭では理解できますが、納得はしたくありません」
「やはり君は固いな。いいか、嵐の中揺らぎもせずに立ち続ける大木の剛直さも強さだ。
ただ、そういう剛直さは予想外の大嵐が来たらポッキリと折れてしまうものでもある。
風に吹かれてゆらゆらとしなっているだけの木の方が案外強い風にも折れずに立っているものだ。
そういう強さも、この世にはあるのだぞ」
「そういうものなのでしょうか…」
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続きです 続きです
-----
「そういうものだ。ソラにはその、いわば『弱さ故の強さ』というものが具わっている。
結果的にはすべてが良い方向で決着したとは言え、見知らぬ地球人と無防備に親交を深めてしまうところなどは
ソラには君とは逆の弱さがあると言えるだろう。そのことは説教してから退役しようとは思っているが」
「では、どうすればいいのでしょうか?」
「私が退役したら、おそらくアリリが隊長になり、女隊員では君がトップになる。
君は女だからこそ使える手段を自覚しているか?」
「まさか…」
「その反応なら、わかっているようだな。そうだ。体をエサに男を釣れるかと訊いている」
「…そんなことをしたくはありませんし、隊長が勧めても従いたくはありません!」
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続きます 続きです
-----
「そこが君の弱さだと言っているのだ。…ベリィ、君は男を奥深くまで受け入れたことはあるか?」
ベリィベリーは怒りと羞恥心と、そのほか何か得体のしれないネガティブな感情を顔に表して目を背けた。
「ないようだな。では、今日はもう体は洗ったか?」
「…はい」
「では、服を脱げ」
「そんな…」
「聞こえなかったか? 服を脱げと言っている。これは命令だ」
-----
この隊長命令だけ書きたかったので今日は終わりにします。 実は来月、つってももう明日からですが、ひたすらPCに向かって文章を書いてればいい立場ではなくなるかも知れません。
気分転換にSS書いてきたんですが、そうも行かなくなる可能性があります。
でもシャラベリ編には絶対にこれは入れたい!っていう要素がありますので、なんとか完走したいですね。
よろしくお願いします。 ここ までの 経 緯 wwww
スレで挑発w
↓
俺にレスされて嬉ション状態で大砲発射w
↓
このスレで得意満面で報告と自演w
↓
撃った垢は実は別垢でまんまと釣られた事をバラされるw
↓
ふぁっびょーん!!!w
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さらに「複数垢プギャー」するもそれも自身の勘違いを指摘されて逃亡w
↓
必死の自演で流れを変えようと奮闘する憐れな姿w
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「レズの話をして無視しよう!」と宣うも結局煽りに耐えきれずブチギレるw
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どんぐり利用して見事に釣られた事で火病発症「ワイのほうが強いんやーっ!」と謎の主張w
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釣られ、ネームをパクられ
レズ話そっちのけで謎の強い自慢を始めるw
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コピペが効きすぎてキチガイ発作状態
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発作を指摘され必死の無視自演開始中←またココwww 高等部で噂の痴女JKを訪ねた中坊ショタだが、主従関係を強いられご褒美に足コキでイカされると、女装させられ電車内で手コキから友人も混ざり高架下で4P生ハメ中出しwwwww
http://blog.livedoor.jp/douxnavi/archives/44362844.html こんにちは。
-----
泣きそうになりながらも、ベリィベリーは服を脱いだ。
しかし、下着だけはどうしても脱げなかった。
「まだ服を脱いだとは言えないが…まあいいだろう」
シャララは寝台の横に立ち、ベリィベリーにまた命じた。
「ここへ座れ」
ベリィベリーは「感情」というものを捨て去らねば耐えられない状態になっており
自動人形のようにシャララの寝台に腰をかけた。
「髪を解くぞ」
そう言ってシャララはベリィベリーの髪を解く。
髪を解かれたベリィベリーはどこを見るでもなく、ただ無感情な目で中空を眺めていた。
「こうして見ると…私に懐いていた少女の頃と全く変わっていないな、ベリィ」
-----
続きます。 続きです。
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一切の思考を拒絶する…そうすることでベリィベリーはかろうじて自我を保っているように見えた。
「ベリィ…」
シャララはベリィベリーの顎を指で持ち上げるようにして唇を合わせる。
ベリィベリーは必死で口を閉じているように見えた。
「嫌か?」
シャララが尋ねてもベリィベリーは何も言わない。
受け入れたい気持ちと、拒絶したい気持ちが心の中で葛藤していた。
「やはり、初めてなら好いた男がいい…か? ベリィ」
「いえ、そんなことは…ただ、何と言いますか…混乱してしまって…」
「では、もう一回するが、いいか?」
「はい…」
ごくごくかすかな吐息のように、ベリィベリーは答える。
「では…」
-----
続きます。 ちょっとだけ続きです。
-----
シャララはゆっくりとベリィベリーの唇を奪いに行く。あくまでも、優しく、ゆっくりと。
そして一回ベリィベリーの唇から自身の唇を離した。
-----
2行だけでした。
やっぱり時間が取れなくなってきつつあります。 今週はお休みをください。
平日でも時間取れれば少しでも書き進めようと思います。 2週間ぶりのご無沙汰です。
-----
「…」
声にならない、しかし吐息よりははっきりした何かを、ベリィベリーは発した。
そして、離れようとしたシャララの唇を、ベリィベリーの舌は追いかけた。
「ふっ…」
軽く息を吐くようにシャララは一瞬の間をおくと、ベリィベリーを貪るように、
口の中でベリィベリーの舌を味わい、そしてベリィベリーはそれを受け入れた。
次第に荒くなっていく吐息だけが、防音された隊長室の中を満たしていた。
そんな時間がしばし続き、シャララは唇を離す。
「どんな気分がした? ベリィ」
ベリィベリーの瞳はこれまで見せたこともないほど潤んでいた。
-----
続きます。 続きです。
-----
「なんだか…夢を見ているようです…」
「そうか。では、もっと夢を見ようか」
「はい…」
ベリィベリーは「もっと夢を見る」ということが何なのかもわからないまま、ただ頷いた。
「横になれ」
シャララの口調は優しいが、それでいて否を言わせぬ力を持っていた。
ベリィベリーはただ言われるがままにシャララの寝台に横たわった。
シャララはその横に、体を横向けにした状態で横たわる。
そしてベリィベリーの体に掌で触れ始めた。
「なあベリィ、青の護衛隊に入ったことを後悔したことはないか?」
「ありません…なぜそんなことを聞くのですか?」
-----
続きます。 続きです。
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「こうして君の肌に触れていて思う。柔らかい肌を持った美しい女として生きていくこともできただろう。
にもかかわらず無理なトレーニングをして、戦闘をして、そして体を壊し、幾度も手術を受けたな。
傷が生々しい。これは肩を壊したときの傷だな。膝にもこれほどはっきりとした傷がある。
脇腹にも縫い跡がある。腰にも…そっちの欲求が弱い男ならこの傷だらけの体を見ただけで
萎えてしまうかも知れん。…後悔はないか?」
「…初めて手術を受けたときに医師から『この傷は残る』と言われたときにはショックだったのを覚えています。
でも、その後は後悔していません…そしていまは傷を負ってよかったとすら思っています」
「傷を負ってよかった? なぜだ?」
-----
続きます。 続きです。
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「隊長にこうして肌に触れていただいていて、私は今とても幸せな…喜びに満たされた気分なんです。
特に負った傷に優しく触れていただくと、その傷の部分がとても…」
「とても?」
「気持ちいい…のです…」
ベリィベリーは頬を少し赤らめた。
「自分の手で自分の肌に触れて、その気持ちよさを味わうことがあるのか?」
ベリィベリーは何も言わずただ視線をそらせた。
シャララは喉の奥で軽く笑いをこぼした。
「いやいや、恥じることはない。誰にでもある欲求だ。でもそうか、君もするのか…何となくうれしい。
君も将来母となる体の持ち主だということだからな。では、もう少し気持ちよさを味わってもらおうか」
-----
続きます。 続きです。
-----
シャララはベリィベリーの全身を、剣士という言葉が似合わない柔らかい掌で愛し始める。
ベリィベリーの吐息は次第にリズムが乱れ、そして大きくなっていく。
「ベリィ、君は普段は硬派な感じだが、実は自分で自分の体をこのように愛して気持ちよくなることが、
結構好きだろう?」
「え、そんな…なぜですか?」
「意外と反応がいいんだ。肌がうっすらと赤くなって、特徴のあるところが反応している」
「特徴のあるところ…ですか? それは…?」
「わかっていて言っていないか? つまり、ここと」
シャララはベリィベリーの左胸にある突起を指先で優しく転がした。
-----
続きます。 続きです。
-----
「ひゃっ!」
ベリィベリーが軽く声を上げる。
「ここと」
次は右胸。
「ひゃっ!」
また声が上がる。
「ここのことだが?」
「ひゃあああ!」
最も敏感なところを弄ばれ、ベリィベリーは更に大きな声を上げた。
「君にはなかなか好き者になる素質がありそうだ。下着の下から突き上げているぞ」
「下着の下から突き上げ…?」
「そのあたりのことはよく知らないのか? ウブなフリはなしだ」
「…正直、固くなってくるということは聞いています…」
言葉の始まりと終わりが消え入りそうにかすかな声でベリィベリーは答える。
-----
続きます。 続きです。
-----
「では、きちんと見て自分を知っておいた方がいいな」
シャララは手鏡を取り上げた。
「ほら、自分の胸が見えるか?」
ベリィベリーは顔を隠し、指の隙間から鏡を見た。
「どうなっている?」
「…乳首が…勃っています…」
「そうだ。君の体のことだ。君自身知っておいた方がいい」
鏡を手に持った状態でシャララがまたベリィベリーに語りかける。
-----
続きます。 ちょっとだけ続きです。
-----
「そうなると、もうひとつ確認しておくべきところはわかっているな?」
「はい…」
「では…」
「いやぁっ! いや、勃ってる!」
ベリィベリーの大声に応じてシャララが問いかける。
-----
実はもう少し書き進めてあるのですが今日はここまでとさせてください。
このあとふたりの長めの会話に入りますので…。
正直なところ、育代さんとちはるさん編のような、主人公の独白形式の方が書きやすいです。
でもまあ、何とかやっていきます。
この話でちょっと遊びたいと思っていますので…。
よろしくお願いします。 すみません、諸事情により今日は短めです。
-----
「自分でも見えるか?」
「見え…ます…」
「突き上げているだろう?」
「はい…」
「下着越しでこれだけはっきり出る女はあまりいないぞ。
将来男と添ったときにじっくり丁寧に愛してもらえば相当いい思いができそうだな」
「そういうものなのでしょうか…?」
「そういうものだ」
「隊長…ひとつ伺ってよろしいでしょうか?」
「何だ?」
「そんなに女の体にお詳しいのはなぜですか? もしかして女隊員が入るたびに同じように…」
「やめてくれ。そんなに私も飢えてはいない。ただ、ちょっとお堅すぎる女隊員にはこうやって
肩の力の抜き方を教えているだけだ」
-----
続きます 続きです
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「お堅すぎる…?」
「そうだ。君も自覚がないか?」
「自分では、そうは思っておりませんでした…」
「なら、この寝台の上で自覚しておけ」
「自覚することに意味があるのでしょうか?」
「大いにある。何も知らずに初夜に向かうといろいろと驚きすぎて上手くいかないこともある。
だからある程度は知っておいた方がいいだろう。私も先輩女隊員に教わって今日まで来た」
「教授と初めての夜を迎えられたときには、上手く行ったのですか?」
「まあ理想とは言わないまでも割と平穏に済んだのではないかと思っている。
だから私は夫とするのがそれなりに好きな方だ。言っておくが、夫以外の男は知らんぞ」
-----
続きます 続きです
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「そういうものでしょうか…?」
「そういうものだ。誰でも一回は通らねばならぬ道だ。何ならプリンセスにはいずれ君が教えたらどうだ?
君は女だ。後宮に忍び入り、出るところを見つかっても女の君ならさほど咎められまい」
「そうですね…プリンセスもまた、いずれはこういうことをなさるのですね…。
考えたこともありませんでしたが…」
「そうだ。だから悪いことでも何でもない。節度は必要だがな」
「プリンセスがいずれ男性と結ばれるなどということ自体、考えたこともありませんでした。
お相手は誰になるのでしょうか…」
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続きます 続きです
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「まあ順当に考えて、プリキュアをやっていたプニバード族の少年ということになるだろうな」
「そうなのですか?」
「まだ公式決定ではないと思うが、彼は救国の英雄ということになる。それ以上の存在が現れるとは思えん。
もしプリンセスがあの少年以外の普通の男を愛し結ばれたいと考えたとしても、立場がそれを許さんだろう。
高貴な者にはそういう責任が生じることもあるものだ。駆け落ちでもしない限り、あの少年以外とは
結ばれることはないだろうな」
「大変なのですね…」
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続きます 続きです
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「プリンセスと比べたら不遜かも知れないが、私だって完全に私ひとりの意思で夫を選んだわけではない。
青の護衛隊初の女隊長と、王立学芸院最年少の教授。文武それぞれの道においてヒーローが立った。
そうなると、庶民というのはヒーロー同士のロマンスを期待するもので、ある程度は従うしかない」
「私がそんな立場に立つことが想像もできません。隊長はそれで満足なのですか?」
「ああ、満足だ。ひたすらに剣を振るうだけの若い日を過ごしたから、恋だの何だのを知らないまま
年齢を重ねてしまった。夫と結婚したときにはこれでいいのかと自分に問いかけもしたが、
いまは運命の相手だったと思っている」
-----
続きます 続きです
-----
「そう思える理由は…?」
「私にはできないことが、夫にはできる。夫にはできないことが、私にはできる。
補い合う関係にまさにうってつけなのだ。お互いにな」
「それだけですか?」
「踏み込んでくるな。そう、それだけではない。立場や外見や能力を超えたところで相性の良さを感じている」
「相性ですか…例えばどんな?」
「魂の形」
「は?」
「魂の形だ。本当に、神が対にして作ったとしか思えないのだ」
「それは…」
-----
続きます 続きです
-----
「そう、私の凹みと夫の突起は全く同じ形をしている。だから合わせたときにはピタリと合う。
それが悦びなのだ。尤も、他の男との比較なんてことはしたことはないがな」
「お好きですか?」
「何をだ? 夫か? それともそういう行為か?」
「あ、あの…後者の方、です…」
「ああ、好きだな。君もいずれ知ることになるだろう。かなり良いものだぞ。
そこが理解できたのなら、予行演習の続きだ。今度こそ、下着も取ってもらおうか」
-----
今日はここまでです。しかしなんでこんなに文字数制限がタイトなんでしょう? 私はもう少し若い30歳代半ばぐらいまでを想定してます。 今週も土日仕事が入ってしまいました…。
明日からの平日は時間を見て書こうと思います。
今日は寝させてください。 レス数が900を超えています。1000を超えると表示できなくなるよ。