20XX年…

ついに警察庁は、違法売春の温床となっていたラブホテルの利用厳格化を打ち出した。
希望する18歳以上の国民には、「交情施設等利用登録カード」が交付され、
地元警察署で顔写真と現住所の登録が必要になった。
ラブホテルを利用しようとするカップルは、事前に当該自治体の役場に2名揃って出向き、
交情施設管理課で、売春に類するカップルでない旨の登録申請をしなければならない。
一度カップル登録しておけば5年は有効であったが、相手を変えるたびに再登録が必要で
担当職員が前の相手の話題をちらつかせるなどのいやがらせも頻発。
初登録となる若い世代の女子に対して、処女であるか、そうでないなら
ホテル利用登録前にどこで済ませたのか、などを「職務上必要」として
しつこく聴取する事案も多発した。
これには「中世初夜権の心理的復活」との批判も上がった。

また、不倫は法的に罰せられる行為ではないため、婚姻外カップルであっても
ホテル利用登録自体は受け付けられたが、複数の交情関係を持つ人間は、
それが「不特定多数ではない」事を証明するのに苦慮する事となった。

当初より、国家による性生活介入・管理の危険とともに、
警察官や役場職員が個人の性生活を覗き見出来る危険性が指摘されたが
根本的対策が取られなかった結果、ほぼ予想通りに
情報流出事件や、不倫情報を元にした恐喝事件が多発。なかでも最も悲惨だったのは、
役場職員がメモリーに落として自宅に持ち帰った過去3年の当該自治体の
ラブホテル利用カップル名が、ファイル交換ソフト暴露ウイルスによって
ネット上に完全流出した事件であった…。


>>1=4=7はこういう日本がお望み?