所得税に消費税、さらに無申告に対するペナルティとして重加算税と延滞税を加え、合計で約1億1500万円の追徴課税を課しました」(同)
彼女は、この処分を一度は受け入れたという。
 ところが、程なくして態度が一変する。管轄の目黒税務署に「申述書」なる文書を提出し、こう反論したのである。

〈交際していた男性から確かに金銭の授受はありましたが私が決めた金額でもなく精神的、肉体的な慰謝料として頂いたもので
自由恋愛の結果だとおもっております〉
 さらに、「異議申し立て」まで行い、
〈特定の個人から結婚を条件に交際いたしましたが成就しなかったので慰謝料として金銭を受け取った〉としたうえで、
〈大阪在住の医師〉
〈FX株取引会社〉
〈香港在住の不動産業者〉
〈NPO法人主宰者〉
 から、それぞれ5000万円を受け取ったことを明かしたのだった。

 その意図を、税理士が解説する。
「慰謝料は所得税法上、心身に受けた損害を賠償するものであって、新たな所得に勘定されないため、非課税となります。
彼女は、税理士にそういう知恵をつけられたのでしょう」

 実際、彼女は国税OBの税理士を代理人に立てていたのだが、先の国税関係者が呆れて言う。
「心身ともに傷ついた割には、7年で4人との婚約は変わり身が早すぎるし、そもそも婚約不履行に対する慰謝料の相場は50万から200万円。
1人5000万円の支払いが『慰謝料』と認められるわけもなく、申し立ては却下されました」