都内の某駅近くにあるパチンコ屋に、よく昼間から来ている74歳の常連婆さんがいる。
隣の台に座った時に話したことがきっかけで、お互いに単なる顔見知り程度なんだが、
実はその婆さん、夏でも必ずパンストを着用し、靴は毎回年季の入ったシニアパンプスを
履いて来るんだな。俺は日々その靴の匂いを嗅いでみたい衝動に駆られ、冗談半分に打診
してみたところ意外にも簡単に応じてくれた。ちなみに、お礼に千円あげる事だけで合意。

当日、店の近くの小さな公園まで婆さんと一緒に行きベンチに座り、俺が用意しておいた
サンダルに一時履き替えてもらった。靴を脱いだ瞬間、匂いそうなパンストの爪先部分に
思わず息を飲み、脱ぎたての靴を借りて心臓バクバク状態で公園のトイレの個室に入る。
相当に履き込んだシニアパンプスは黒皮がシワで寄れ、インソールも足跡で黒ずんでいる。
さあ、いよいよ。ホカホカの生暖かい温もりが残る靴の中に鼻を入れてスゥ〜と息を吸う。

「ぶはぁ〜凄い!ムワ〜と鼻腔に迫る」。感動したのは初めて嗅いだ老婆独特の靴の匂い。
これは何だろう、動物のオシッコの臭い?乾いた雑巾の臭い?お線香か墨汁のニオイ?
それら全部を合わせた異様なニオイに、メスの蒸れた足の匂いが混じった刺激的な芳香。
「もう、堪らねぇ!今にも脳ミソが溶けそうだ」。俺は至福に浸り右手を上下し続けた。