https://gendai.ismedia.jp/articles/-/36565?page=5

日本人だけの風習がある
 女性医療クリニックLUNAグループ理事長の関口由紀医師はこう解説する。
「ペニスを清潔にすることでリスクを軽減はできます。ペニスに限らず、お風呂に入らないで不潔にしている人の発がんリスクは
高いことがわかっています。
 しかし、セックスの前に入浴するというのは日本だけの独特な風習で、世界的にはほとんどの場合、セックスの前にお風呂には
入りません。日本は水がたくさんある環境だから入浴ができるのです。
 ですから、性交の前に男性が性器を洗わないことがHPV感染拡大の本質的な問題というわけではありません。繰り返しますが、
もちろん、洗うにこしたことはないのですが」
 前出の堀氏はこう指摘した。
「たしかに、仮性包茎の男性の亀頭部分は組織がやわらかく、そういう組織を好んで棲みつくウイルスや病原体もいます。
 エイズの病原体HIVもそうです。エイズが猛威を振るっている南アフリカでは、男性はHIV検診を受けて陰性、つまりまだ
感染していないと、包皮切除手術のチケットがもらえます。これは、包皮を切除すれば男性側の感染リスクが劇的に下がる
からです。
 汚いよりきれいなペニスが健康上もマナーのうえでもいいことは確かです。
 しかしHPVに関しては、一度でもセックスをすれば、多くの人が普通に感染するリスクがあると知ること、そのうえで
コンドームの使用を心がけたり、ワクチンのリスクを知ったうえで接種の判断をしていくなど、冷静に対策を考えていくことが
重要なのではないでしょうか」
 俗説に惑わされ、女が悪い、男が悪いといがみ合っても意味はない。