「く、国々からは勇ましい軍船があつまり、ち、筑紫の国から・・・あ」
下着にほんのわずかにおしっこが染み出してしまい、エマは思わず声を出してしまった。
(ちびっちゃった。スカートまで染みてたらどうしよう)

「亀山さん!」
「は、はい。し、し、将兵は決死の覚悟で、う、海を渡って・・・」
「もう結構です。まったく、最上級生にもなって教科書ひとつ満足に読めないなんて。もう、お座りなさい」
「あ、あの先生・・・」
ここで「お手洗いに行かせて下さい」と言っていたら、少なくともクラスメイトの前での失態は避けられた。
だが、良家の娘として育ったエマのプライドがそれを許さなかった。
躊躇している内に「早く席に着きなさい」との教師の声に、エマは着席してしまった。

(もう、ダメ・・・I help and mother. Urination is unbearable)
最後に母のエリーに助けを求めたが、報われることはなかった。