美緒はお腹が痛くなってきた。しかも1秒ごとにどんどん痛くなってくる。

後ろの席に座っている岡村美佳は美緒の異変にいち早く気付いた。

「前田さん、もしかしてお腹が痛いの?保健室に一緒に行こうか?」

岡村は美緒に手を差し伸べた。しかし、美緒は「ありがとう、でも授業中だから……」と断った。

美緒は普段ありがとうという言葉を言わない。
それだけ美緒は今辛いのだ。


普段は大好きな英語の授業だけど、今はとにかく苦しかった。