じゃあ俺が…

父が事業に失敗して多額の借金を作って困っていた時、父が下請けをしていたとある企業の社長が俺達親子を助けてくれた。
父とその社長には妻を早くに亡くし男手一つで子育てをしてきたという共通点があり、父の事を気に入ってくれていたのだ。
社長はとてもいい人で、父を厚待遇で雇ってくれただけでなく、借金返済の為に家を売却した俺達の住む所まで確保してくれたのだ。
父は勤務地となる郊外の事業所の近くに、俺は社長の家の近くにそれぞれアパートを用意して貰ったのだが、社長は敷金礼金に手数料、必要最低限の家電代まで出してくれた。
父は必ず払うと言ったのだが、社長はその分仕事を頑張ってくれればいいと言ってくれたらしい。俺達は感謝してもしきれない社長の行為に感動し泣いた。
そんな訳で俺はその社長に絶対的な恩義があるのだが、問題は娘だった。
社長の娘は俺と同じ高二で、有名私立のお嬢様高校に通っている。正直顔はかなり可愛いのだが、本当に血が繋がっているのかと疑う位性格が悪かった。