864 :【ユーティリティ王】ホット漢 ◆qh6hERZUW672 :2014/05/28(水) 19:51:58.08 秀信は朝から憂鬱だった。
学校へ行きたくないわけではない。
むしろ、転校してからの学校生活は悪いものではなかった。
当初、クラスメイトは秀信を気遣い、色々と声をかけてくれた。
引っ込み思案の秀信であったが、徐々にクラスに溶け込み、
今では休日に遊園地へ連れ立っていくグループの中心メンバーになった。

また、サッパリ系のイケメンともいえる容姿もあり、秀信は女子にも人気があった。
特に、後ろの席の村山信代はうるさいぐらいに積極的であった。
秀信を誘ってはあっちこっちへ連れまわし、
ついには自分が副部長を務めるブラスバンド部に勧誘し、
半ば強引に秀信を入部させてしまったのだ。
とはいえ、幼い時からピアノを習っていた秀信は、元々音楽は得意分野であった。
部活をはじめて半年もたたないうちに、メキメキとその才能を発揮し出したのだった。