エストロゲンは、記憶細胞を保護する作用を持っているが、閉経後は記憶の神経細胞の死を抑えることができなくなり、記名力の低下、思考力の低下が始まる。
エストロゲンは皮膚の老化を抑え、表皮細胞の増殖を促し、それにより傷の治りを早める方向に働く。
エストロゲンの欠乏により、全身の筋肉のたるみが生じ、筋力が低下する。女性が高齢になりエストロゲンが減ると、首まわりが弛緩し睡眠時無呼吸の頻度が上昇する。
また、エストロゲンは破骨細胞が骨を分解する速度を調整して骨量を維持しているが、エストロゲンの欠乏は、骨の吸収を促進し、破骨と形成のバランスが崩れる結果、骨粗鬆症をもたらす。
エストロゲンには血管拡張作用、抗酸化作用、脂質代謝の是正など多岐にわたる抗動脈硬化作用がある。
エストロゲンの欠乏は、コレステロールの上昇や、血圧の上昇、食後高血糖をもたらし、血管内皮の損傷などを介して動脈硬化を発生しやすくする。
エストロゲンは、インスリン抵抗性を改善してインスリンを効きやすくし、インスリン分泌にも促進的に作用するホルモンである。閉経後はインスリンの働きが低下するため、じわじわと高血糖が進む。
また、エストロゲン欠乏はLDLコレステロールの肝臓への取り込みを低下させ、血中コレステロールが増加する。
代謝の低下は肥満をもたらす。その結果、閉経以降は女性のメタボリックシンドローム化が加速される。
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