そこは死んだ友達の母親が一人暮らししているちょっと古い家だった。
友達は一人息子だったしその父親も早くに亡くしてしまっていた。
孤立しがちなその母親のためと称して、僕はその家に通っていた。
小さい頃からその友達とは一緒によくその家の風呂に入ったりして、
風呂からあがってから家の中を素っ裸ではしゃぎ回ったものだった。
中学生になってからも、部活帰りの僕に風呂場を貸してくれる。
シャワーを浴びたあと、僕はそのままの姿で友達の母親の前に出ていく。
自分の母にはもう裸なんて見せたくないし、同級生にも見せられない。
でも、僕がおばちゃんと呼んでいる友達の母親の前では、
すべてをさらけ出すことが許されているし恥ずかしくもない。
おばちゃんは僕の体の成長を見守るかのように、いつも裸の僕を優しく見つめてくれる。