その3

翌日から、Kは彼女の命令で、窓際のデスクから彼女の部長室専属の付き人に任命された。
とは言っても、数日でKの無能さを見抜いた柴咲部長は、重要な任務を任せる事をやめ、ひたすら身の回りの世話のみをさせるようにした。
文字通りの付き人である。
丸1日、室内の清掃、お茶汲み、肩もみなどを命じ、果てはフットマッサージまでも任されるようになっていた。
Kにとってはたまらないひとときであった。
大学時代から、彼女のテニス練習時のスカートやスパッツからかいま見える美脚をオカズに、自慰行為を繰り返していたK。
脚フェチから端を発したKの性癖は、柴咲のサディスティックなキャラクターも相まって、大学在学中に見事な変態マゾ嗜好が開花し染み付いてしまっていた。
そんなKが夢にもみていた現実。女王の足元にかしづき、ストッキングに包まれた美脚の手触りを楽しむ。
叶うなら、その美脚に頬擦りし、服従の証の口づけを捧げたいくらいであった。
柴咲部長は、足元にひざまづき自らの脚を愛情を込めて誠心誠意撫でさすり、マッサージするKの姿を眺めながらニヤリと蔑むようにほくそ笑む。
「ほんとにマッサージが上手ね、Kさん。どうしてそんなに上手なの?」
「あ、いえ…」
「好きこそものの上手なれって言うけど、そんなに女の脚が好きなのかしら?」
Kの心を見透かしたかのように、柴咲は問いかける。すでにKの股間は激しく勃起していた。
「す、好きです…部長にお仕えするのが好きなんです!」愛の告白さながらに、歪んだ想いをカミングアウトする。