電気射精法

【適応】
電気射精法は、神経学的な障害(脊髄や自律神経等の障害)によって精液の射出障害を生じた状態に対し、 人工授精などの目的として、精子の採取を必要とする方に施行される方法です。
精液の放出は、神経学的障害が有っても、人工的な電気刺激によって可能な場合がございます。

【実際の施行方法】
電気射精法は、肛門から電極を挿入し、直腸内から前立腺を介して、精嚢へ電気刺激を送ります。
電気刺激によって精液が漏出するので、もう一方の手技者は、陰茎をしごいて漏出する精液を採取します。
脊髄損傷などで精液の放出に障害がある方は、EDを伴う事が多いので、 本法による精液は、一般的な射出とは異なり、漏出するように流れ出ます。
電気射精装置は、Seager型(シーガー型)がスタンダードです。
本デバイスは、電圧を0〜25V、0〜50Vの範囲で調整でき、 電極プローベによって直腸温度もモニター可能です。 プローベも、直腸のサイズに応じて、サイズの選択が可能です。

【注意事項】
電気射精法は、痛みを伴うため、脊髄損傷の完全麻痺などでない限り、 全身麻酔や脊髄麻酔の元で実施されます。