>>298
んっ、むむむ……頭痛い……
ペタペタ ムニュ ん……? あぁ……我輩か……
んー……? あー…… 思い出してきた……
いきなり我輩に抱え上げられて……窓から飛んだんだ……
おんぶでもなきゃ抱っこでもなく……俵担ぎで飛び出して……
一気に頭に血が流れ込んで視界が真っ赤になったところまで覚えてる
ダメじゃん我輩さー、こう……旅情を味わわないとさ
ローカル線の誰もいない車両で寄り添ったりしてさ……
でもまあわざわざ妖術使ってまでここに連れてきてくれたんだしな
布団を見る限り……バフ いい旅館みたいだし
我輩にはお礼しなきゃね

我輩、ちょっと手貸して……よいしょ
だいぶ……落ち着いたからさ、温泉見に行こうよ
でもあれ?我輩ここについてから何時間もずっと看てくれてたの?
へへー優しいなー我輩 ワシワシ
どうせなら気絶してるのに気付いたときの慌てた顔も見たかった……
あっ、どうも なんか倒れてたみたいで
はいもう大丈夫なんで、お世話かけました……
ボー…… ん、今のあれ?女将さん?
いや、なんかもっといかにもスズメみたいなのを想像してたからさ、美人だなーと思って
むくれちゃってー、せっかく我輩と初めての温泉なんだからさ、余計な事するわけ無いじゃん
……ふーん、妖怪の旅館にもサウナとかジャグジーがあるんだな……
我輩、やっぱせっかくだし戻って部屋の風呂入ろうか
あちょっと待って、水買ってくるから
……パキッ ゴクリ
……ねえ我輩、ここさ、かなり立派な旅館だよね
なのに混浴の大浴場とか……売店にさ、なんかその……特化型の栄養ドリンクとかあったし……
なんか……そういうホテルっぽい雰囲気がところどころあるんだけど