「聞きましたよ。月さんの額にキスしたんですって?」ジトー
「……はい」
「それで炎上したから、匿ってくれって?」ジトー
「……はい」
「以前『今度ばあちゃるくんが炎上してもね、もうノムノムの手は借りないんでね!』なーんて言ってませんでしたっけ?」ジトー
「……はい」
「こういうやり取りも、もう何度目ですか?」ジトー
「……覚えてないです」
「全く、どうかしてるぜー」
「……すんません」

「……はぁ。本当に、大学の時から、何かと困ったことがあると私の元に転がり込むの、変わってないですね」
「……すんません」
「しかも大半は女性絡みですし……転がり込まれる私の気持ちも考えてください」
「……それって、どういう」
「全く、どうかしてるぜー」
「……すんません」

「じゃあいつもみたいに、私のお願いを一個、聞いてください」
「……どうぞ」
「……てください」
「はい?」
「……月さんの時みたいに、私にも、キスしてください」
「……マジンガー?」
「……まじんがー」
「……分かりました」
「あっ、おでこはダメですからね」
「えっ? じゃあ」
「……言わせないでください」
「えっ?」
「……そういうとこですよ」
「……分かりました」
「分かればよろしい」

「それじゃあ……目を閉じてくださいノムノム」
「……はい」
「…………」スッ
「…………」
「……んっ」
「……!」
「……ほら。ちゃんと、額じゃないところにキスしましたよ」
「……ほっぺ……」

「ハイハイハイそれじゃあ夜も遅くなって来ましたのでね! ばあちゃるくんはこれにてお暇させていただきますね!」
「えっ、ちょっと」
「おやすみなさいノムノム、ハイハイハーイ」ガチャ バタン
『あっ、うまぴー見つけた!』
『もう逃がさないからね!』
『ううううゥマァアアアアアアアア!!!』キュイイイイイイイイイイイイ
『ウビバァァッ!?!?!?!?』

「……どうかしてるぜー」