一方で「戦力」としてキャンプから一貫して明言していることもある。主軸が安定した成績を残してこそ「勝ちながら再建」は成り立つのだ、と。現状、その構想が崩れていることが低迷につながっている。
 ならば、その主軸を外してこそ「超変革」と言えなくもない。それでも金本監督の腹は動かない。いや動かせないというのが、本音のようだ。

 「打撃というものは、そう簡単にはうまくはならない。気持ちで何とかなる部分はあるけれど、技術がないと、いくら集中力を出しても限界がある。
例えば、2000ccのエンジンでは決まった馬力しか生まれない。そんな車がレース場へ行って勝てるわけがない。レース場へ行けるエンジン、足回り、ブレーキをつけないと。そんなすぐにはチューンアップできない」

 江越、北條、中谷らの「レース場=1軍」で戦う技量がまだまだ未熟であり、鳥谷ら主力をベンチへ追いやるまでの力量が備わっていないという。逆にだからこそ、チューンアップされた主軸に求めるものは違う。

 「無死満塁までいっても、そこからはね…。(9日・広島戦で)若手がエンドランを決めて、じゃあ、それをかえすべき1、2番がしっかりしないとダメだということ。2人(西岡、鳥谷)があの試合でどう思ったか。どう感じたかだと思う」

 金本監督は、主将に代わる新鋭の台頭を間違いなく望んでいる。と同時に、鳥谷が復調すればチームは再生するという信念も揺るがない。
http://www.daily.co.jp/tigers/2016/07/12/0009276852.shtml