「正直、もし家族に『アメリカに行かずに(野球以外の)仕事をして』といわれれば、そうしたと思います。でも、家族は頑張ってこいと言ってくれて感謝しています」

 妻・亜沙美さん(30)は「自分が納得するまで、やり切ったらいい」と背中を押してくれた。プロ入り前からともに過ごし、いつも夢のために応援してくれた。
 ひとり息子の龍翔(りゅうと)くん(5)は大のパパっ子。渡米する際の成田空港では「頑張ってきてね」と元気に手を振ったという。しかし…。

 「もうね、子どもは今にも泣きそうでそれを我慢しているのがこっちには分かる。笑おうとするけど、少し顔が引きつってね。後で、嫁さんに聞いたら、僕と別れた後に号泣したらしいです」

 ユニホーム姿のかっこいいパパが、マウンドで投げる。まだ野球を続けてほしい。来年、藤江自身はどうするのか。

 「何とかして、どこかでプレーする場所を見つけますよ。ドミニカでも、ベネズエラでも。体は元気なわけですからね」
 瞳の輝きは失っていない。むしろ、その“キラキラ感”は増している。新しい挑戦、そしてその心意気を応援したい。
http://www.sanspo.com/baseball/news/20160913/npb16091313430002-n1.html