今季、4年ぶりのBクラスとなる4位に低迷した金本阪神。チーム防御率3・38はリーグ2位と投手陣は奮闘した。その一方で、チーム打率・245、59盗塁はともにリーグワースト。
 低迷の原因は明らかに攻撃面に求められる。リーグ優勝、日本一を狙うには打力アップが不可欠。そこでチーム打率、盗塁数の向上に直結する選手として、糸井に熱視線を送っているというわけだ。

 来季で36歳を迎えるものの、スピード感あふれるプレーと鍛え上げられた肉体に衰えは見られない。その点は、金本監督の現役時代に通じるものがある。指揮官もFA権を行使して35歳シーズンの03年から阪神に加入。その後、10年間にわたって主軸に座り続けた。
 来季の糸井と同じ36歳シーズンには打率・317、34本塁打、113打点。さらに翌37歳シーズンには打率・327、40本塁打、125打点と打撃3部門で自己最高成績を残している。
 最近では、福留も36歳シーズンから阪神に加入。38歳シーズンに20本塁打を放ち、39歳を迎えた今季も10年ぶりの打率3割を突破した。
 糸井に関しても年齢を度外視し、実績を重視。高山、北條、原口ら台頭しつつある若手の成長を促すためにも、福留とともに主力を張れる糸井を打線に加えたいところだ。

 本人の意向も、猛虎にとっては追い風だ。1日にシーズン全日程を戦い終えた糸井は「(権利行使のチャンスは)最初で最後だと思う」と、FA権を行使する意向を示唆した。
 阪神の交渉が解禁となるのは日本シリーズ終了翌日以降にFA宣言した場合のみで、最短でも11月9日以降。オリックスの後手に回ることは必至ながら、交渉のテーブルに着くことさえ出来れば、口説き落とす準備はある。
 糸井はBランク選手であるため、獲得に成功した場合には人的補償プラス今季年俸の40%か、今季年俸の60%に当たる補償金が発生。それでも阪神は出血覚悟で、大型補強を画策する。
http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2016/10/03/kiji/K20161003013465830.html