まさしくホームパーティーだ。広島がCSを前に“地の利”を生かした決起集会を行うことが明らかになった。
 会場はマツダスタジアム右翼ポール際の「びっくりテラス」。焼き肉をしながら観戦出来る名物席だ。黒田が新井が、たれの入った小皿を左手に肉をつつく。開放的な空間で笑えば、心も1つというわけだ。
 仕掛け人は小窪選手会長だった。これまでは広島市内の飲食店で食事をしてきたが「どうしても個室の数部屋に別れてしまっていた」。
 大男たちにはどうしても息苦しい。球場から着替えて、別々のタクシーに乗って移動するのも面倒だ。広くて焼き肉が食べられて、みんなの顔が見られる場所があれば…。すぐ近くにあったのだ。
 「鈴木本部長に相談させてもらったら、すぐに返事をもらった」。仕事が早いのがカープ。とんとん拍子で決まった。

 何より全員の顔が見渡せることが大きい。「せっかくの決起集会ですからね。いろんな話も出来ると思う」と小窪。それだけではない。勝負のグラウンドを横目に見ればテンションも上がる。
 「CSはマツダスタジアムで戦うわけですし、気持ちもまた少し違うと思います。ファンの方の視線で球場を見られるのも貴重な機会」。最後は影が長く落ちたグラウンドに思いをはせることだろう。

 CSファイナルステージは12日から始まる。この日はマツダスタジアムの屋内練習場でシート打撃も交え、秋季練習を思わせるような長時間の練習で調整した。決戦へ向け、準備は着々と進む。
 優勝から1カ月以上経過してからの短期決戦。懸念されるアドレナリン不足も、びっくりテラス決起集会で解決だ。逆転のコイを生んだチームワークが、強固さを増す。
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